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Introducing クリケットが帰ってきた! 歴代大統領の時計ヴァルカンが新モデルで息を吹き返す(編集部撮り下ろし)

空白期間などなかったかのようだ。サーモンダイヤルとコオロギの鳴き声のようなアラームがお好きなら、それはここにある。


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Photos by Kasia Milton

我々が知っていること

長らく音沙汰のなかったブランド、ヴァルカンが、クリケットコレクションのリバイバルで大きな復活を遂げた。これら新作時計は、“歴代大統領の時計”として知られたこのブランドの絶頂期を思い起こさせる。本日、プレジデンツ ヘリテージ クリケットが、ふたつの形態でリリースされた。クリケット“クラシック”とクリケット“トラディション”だ。いずれのモデルも36mmと39mmのサイズで展開される。

 クラシックのほうは、エイジング効果を醸す夜光素材でペイントしたインデックスと、アルファ針にも夜光塗料を施している。このデザインは、オリジナルのクリケットをそのまま受け継いでいるように見える。リンドン・ジョンソン米大統領が非常によく似たダイヤルデザインのクリケットをつけていたとされることから、コレクターのあいだでは、彼のイニシャルをとってLBJダイヤルと呼ばれているものだ。一方、トラディションのほうは、同ブランドの1950年代デザインカタログからとっており、矢じりとアラビア数字を交互に使ったアプライドインデックスと、ドーフィン針を採用。いずれのモデルにも、クリケットの特徴といえるアラーム機能が備わっている。

Vulcain

ヴァルカン クリケット クラシック

 両モデルともに、通常生産のダイヤルバリエーションが複数ある。トラディションにはエッグシェルとブラックがあり、クラシックにはブラックのダイヤルオプションがふたつ(ひとつはブルーのアクセント入り、もうひとつは数字がカーキ色のもの)と、ブラウンのダイヤルオプションとがある。加えて、クラシック、およびトラディションコレクションにも、50本限定でサーモンダイヤルのオプションがある。時計の裏側をみると、クローズドケースバックに復古調の文字で、“Sold The World Over Since 1858(1858年から世界中で販売)”とエングレービングされている。

Vulcain

 これら新たな復刻版に使われているのは、ヴァルカンの自社製キャリバー、42時間のパワーリザーブを持つV10だ。これは手巻きムーブメントで、なかに機械式アラームが入っている。価格は(記事執筆時点で)36mmモデルが約3600ドル(約52万円)、39mmモデルが約3900ドル(約56万円)だ。どちらも注文受付を開始している。

我々が思うこと

ギヨーム・ライデ(Guillaume Laidet)氏が、またしてもここに関わっている。ニバダ・グレンヒェン、そしてエクセルシオパークの素晴らしい新製品に貢献した人物だ。実際に、彼がこれらふたつのブランドをクォーツ危機による地獄のどん底から復活させたのだ。しかし、ヴァルカンについては少し話が異なる。かつて2016年に、HODINKEEは同ブランドが財政危機に直面していることを記事にした。これによりライデ氏は、ヴァルカン社にその不思議な刺激を取り入れるべくコンサルタントとして招き入れられることになり、今回のプレジデンツ ヘリテージモデルは、その新たな(そして願わくば美しい)友情のほんの始まりということになる。

 私は3本の36mmモデルをつける機会に恵まれたのだが、このような企画では驚くほど、完璧なサイズであったことに感銘を受けた。そして、正しくクラシックな風合いを醸していると感じた。39mmモデルも同様であることに疑う余地はないのだが、なにせ、私はできのよい36mmの時計に目がないのだ。

Vulcain

 3本のダイヤルオプションのうち私が気に入ったのは、これぞクラシックといえるサーモンモデルだ。サーモンのダイヤルは、うまく決まった場合には本当によい。そしてここでは、質感のあるマットなダイヤルとエイジング効果をつけた数字が実にうまく決まっている。ブラウンダイヤルのモデルは、我々が最近Watch of the Weekの記事で取り上げた時計をかなり忠実に再現したものになっている。そして、マスタードに近い配色は必ずしも私の好みではないものの(ステイン仕上げという形でしか私はマスタードをつけない)、外観をうまく仕上げたことにはヴァルカンに敬意を表しよう。……そしてサイズも。

 トラディションのモデルは、アプライドインデックスがはるかにドレッシーな風合いを与えるという点で、クラシックとははっきりと異なる。私がつける機会を得たブラックダイヤルモデルは、マットな質感が醸す効果が、クラシックのものとはまた異なっていた。テクスチャー仕上げは施されておらず、もっと滑らかでフラットなマット感を醸している。ドーム型サファイアクリスタル風防でアクセントをつけたダイヤルの歪みにより、どちらの時計もヴィンテージ感が増強されている。

Vulcain

ヴァルカン クリケット トラディション

 そしてアラーム機能があるのだが、これは時計を逆に巻くことで作動する。アラームで遊ぶのは楽しいし、ケースバック内部で増強されたコオロギの鳴き声のような音を聞くのも楽しいことは認めよう。ただクリケットを所有したとして、私は最終的にこの機能を使うだろうか? 何とも言えない。手首を動かしたり時計を振ったりするだけで、時計のなかからはっきりとしたガラガラ音がかなりよく聞こえるという事実は、ヴァルカン クリケットを体験したことのない方々にとっては注目すべきことだろうと私は思う。それを魅力だと捉えることもできようが、ただ、それがあることを知っておくことが重要だと思うのだ。

Vulcain

 ヴァルカンが重要な時計ブランドであり、クリケットが重要な時計であることは疑う余地もない。大統領の歴史を否定することはできないし、こうした復刻版が本当に賢明なやり方でその遺産を引き継いでいくのだ。そして、もしもこれらのモデルが、このブランドの裏にある情熱や気持ちの高まりに火をつけるきっかけとなるのであれば、それこそ本当の勝利だと思う。ライデ氏が密かに用意しているヴァルカン関連の秘策が、この先もっと出てくるのではないかと私は考えている。彼とヴァルカンが次にやることを私はじっと待っているのだ。それを見つけるのを待つために、アラームをセットしてもいいかもしれない。

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基本情報

ブランド:ヴァルカン(Vulcain)
モデル名:プレジデンツ ヘリテージ クリケット、クラシックおよびトラディション

直径: 36mmまたは39mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: ブラック、ブラウン、サーモン
インデックス: アプライド型またはペイント型
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: レザーストラップ

Vulcain

カシア・ミルトン(Kasia Milton)の手首に装着した36mmのクリケット クラシック。


ムーブメント情報

キャリバー: V-10
機能: 時・分表示、センターセコンド、アラーム
パワーリザーブ: 42時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 1万8000振動/時
石数: 25


価格 & 発売時期

価格: 36mmは3600ドル(約52万円)、39mmは3900ドル(約56万円)
発売: 現在注文受付け中、12月に納品
限定: あり。サーモンダイヤルのみ各モデル50本限定

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ヴァルカンの詳細は、同ブランドの公式サイトをご覧ください。