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Introducing オーデマ ピゲ ロイヤル オーク フライング トゥールビヨン エクストラ シン(RD#3)、ジャンボ初のフライング トゥールビヨン搭載モデル

最も印象的な変化は、最も微妙なものであることもある。


※現在、日本ではロイヤル オーク全般の入荷状況未定とのことで、ブティックへの問い合わせよりも時計への理解を深めることに時間を費やそう。

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※オーデマ ピゲ ロイヤル オークは、その製造工程により生産本数が大幅に増えるような性質のマスプロダクトではない。2022年も続く人気・需要の過熱ぶりにより、残念ながらブティックに問い合わせたからといってチャンスが巡ってくることはないと思われるが、その素晴らしい時計自体の魅力と50年間にわたる豊かな歴史や背景を知り(この記事がオススメだ「オーデマ ピゲ ロイヤル オークの起源について、あなたが知らない8つのこと」)、まずAPを知ることから始めよう。なお、時計の入荷状況は各国ごと、日本でも地域ごとに差があり、現時点で未定とのことだ。

我々が知っていること

オーデマ ピゲは、Watches & Wondersに参加しなかったが、新作のロイヤル オーク フライング トゥールビヨン エクストラ シン(RD#3)でショーを支配しようとしているようだ。これは、“ジャンボ”史上初の自動巻きフライング トゥールビヨン搭載モデルだ。

 当然のことながら、オーデマ ピゲは一連の研究開発モデルで業界を牽引してきたという自負がある。しかし、大きなブレークスルーがそうであるように、そうした成果はそう頻繁に得られるものではない。まず、2015年のSIHHで発表された“ロイヤル オーク コンセプト ミニッツリピーター スーパーソヌリ”(RD#1)は、時計師、エンジニア、音楽家、音響専門家が革命的なリピーターを作るために製作したものだ。次に2019年にRD#2として発表された、当時最も薄い自動巻きカレンダーウォッチである41mmの“ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー ウルトラ シン”が発表された。

Audemars Piguet Royal Oak Jumbo

 “研究開発”(Research and Development: R&D)モデルに期待される技術開発をすべて盛り込んだロイヤル オーク フライング トゥールビヨン エクストラ シン(RD#3)は、ロイヤル オーク誕生50周年にふさわしい、過去へのつながりを感じさせるモデルだ。オーデマ ピゲは1986年に世界初の自動巻きトゥールビヨンウォッチを発表。ジャクリーヌ・ディミエ(Jacqueline Dimier)のデザインビジョンにより、トゥールビヨンをダイヤル側に配置するデザインが誕生し、以来この要素はロイヤル オークのラインナップにおける真髄となっている。

 このモデルは、ディミエとジェラルド・ジェンタによるオリジナルのアイコニックなデザインに敬意を表し、厚さ8.1mm、直径39mmのステンレススティール製ケースとブレスレット、ナイトブルー(Bleu Nuit)のプチタペストリーダイヤル、そしてバスタブ型のインデックスと針など、“ジャンボ”モデルの美学を踏襲している。6時位置のチタン製フライング トゥールビヨンキャリッジが目を引くものの、“ジャンボ”の真髄を感じさせるものとなっている。

 ロイヤル オーク“ジャンボ”の象徴的なデザイン要素をすべて備えながら、この時計の真の研究開発的な側面はダイヤルの下にある。新しいCal.2968は、5年の歳月をかけて開発された、3.4mmというとんでもなく薄い自動巻きフライング トゥールビヨンムーブメントだ。これまで41mmの時計にしか搭載されていなかったトゥールビヨンのデザインを、“ジャンボ”ケースに搭載することはAPのエンジニアにとって挑戦だった。ムーブメントの歯車が最大限に工夫された新しい脱進機を備え、新しい形状のテンプの腕、そしてダイヤルの高さに位置するフライング トゥールビヨンが、その成果の一端を担っている。

Audemars Piguet Royal Oak
Caseback of Audemars Piguet Royal Oak
Dial of Royal Oak watch

 オリジナルの自動巻きトゥールビヨンとは異なり、サファイアクリスタルのシースルーバックからは、伝統的なコート・ド・ジュネーブ仕上げに代わって地板とブリッジに施されたクラシックなV字アングルとモダンなヘアライン仕上げ、そしてもちろん、ロジウム仕上げの22Kピンクゴールド製の50周年記念のオープンワークローターを鑑賞することができる。

 上記をすべて読んだあとも印象的でないと思った方は、次の情報もご確認を。なんとオーデマ ピゲは、9月にこの時計の37mmバージョンもリリースするというのだ。41mmのさらに先を行くようなものである。

我々が思うこと

オーデマ ピゲが、最も象徴的な時計デザインのひとつが50周年を迎えるにあたって、一気にアクセルを踏んで年明け早々にすべての時計を発表するのだと思っていたとしたら、あなたはまだこのブランドをよく知らないということかもしれない。今回、オーデマ ピゲは技術的な時計づくりを主役にさせることにした。

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 私にとって、技術的な問題を解決する小さな集団が作り出すコンプリケーションほど、クールなものはない。オーデマ ピゲのマイケル・フリードマン(Michael Friedman)率いるコンプリケーショングループは、ロッキード・マーチンのスカンクワークスに相当するもので、すばらしい技術力を持ち合わせた几帳面なチームであることが、その仕事ぶりから伺い知れる。

 ロイヤル オークのような時計がある以上、開発には細心の注意を払った方がよいだろう。このような象徴的な時計、ましてや試行錯誤を重ねたジャンボは、プロポーションとダイヤルデザインの絶妙なバランスによってのみ機能するのだ。例えば、ケースバックにリューズを配したオーデマ ピゲのヴィンテージ ロイヤル オーク Ref.25831は、トゥールビヨンケージがベゼルと同じもうひとつの八角形に囲まれ、ダイヤル最下部に押し付けられるように配されている。私の目には、これがその繊細なバランスを崩す要素に映った。しかし、このベゼルが正しく機能するとき、それはシームレスなものとなるのだ。Instagramのフィードに表示された写真を見て、すぐにこれがかなりの注目に値すべきものであると気づかなかったとしたら、それは言い訳にしかならないだろう。

Audemars Piguet Royal Oak

 そういう意味では、“時計好きのための時計”なのかもしれない。改良の断片や技術的な成果を楽しむポイントにあふれたもの。しかし、このクラシックなデザイン、フォルム、装着感は、ジャンボと同じように真のマニアでなくても楽しめると思う。


基本情報

ブランド: オーデマ ピゲ(Audemars Piguet)
モデル名: ロイヤル オーク フライング トゥールビヨン エクストラ シン  RD#3(Royal Oak Jumbo Selfwinding Flying Tourbillon Extra-Thin RD#3)
型番: 26670ST.OO.1240ST.01

直径: 39mm
厚さ: 8.1mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: ナイトブルー、クラウド50カラーのプチタペストリーパターン
インデックス: ホワイトゴールドのアプライドインデックスと夜光塗料を塗布したロイヤル オーク針
夜光: あり
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: APフォールディングクラスプつきSSブレスレット


ムーブメント情報

キャリバー: 2968
機能: 時・分表示、フライング トゥールビヨン
直径: 29.6mm
厚さ: 3.4mm
総部品点数: 226
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時(3Hz)
石数: 33


価格 & 発売時期

価格: 要リクエスト

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HODINKEE Shopでは、オーデマ ピゲのヴィンテージおよび中古の時計を扱っています。この時計の詳細は、オーデマ ピゲ公式サイトへ。