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画一的なカラートレンドは、ようやく終わったようだ

Watches & Wonder 2022の新しいカラーラインナップがそれを証明している。

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昨年、完全にデジタル化されたWatches and Wondersの展示会の直後に、新しい時計が発表されたときのグリーンについて考察する記事を書いた。今年もまた新たなカラートレンドが生まれることを期待して、私は荷物をまとめてジュネーブの会場に向かった。2021年がグリーンの年であったのに対し、2020年はブルーが主流だったからだ。その直前にはサーモンカラーのダイヤルが大流行した。しかし、2022年の“it”、トレンドカラーは現れなかった。

 さて、今年の主役は何色だろう? 個人的に戻ってきた慌ただしさのなかで、見逃していたのかもしれない。単純にひとつもないような気がする。でも、それは悪いことではない。カラーという点では、2022年のウォッチサイクルで各ブランドが独自の取り組みを行っていた。ムーブメント全体が巻き上げローターとして機能するものから時計製造に初めてラボグロウンダイヤモンドを使用したものなど。私は全体的なトレンドには否定的だが、カラーが大きなビジネスであることは否めない。実際にカラートレンドを予測して報酬を得るプロフェッショナルが存在し、長いあいだ、我々の業界はこれらのトレンドに従ってきた。消費者主導というわけではない。2006年の映画『プラダを着た悪魔』のなかで、ミランダ・プリーストリー(Miranda Priestly)がブルーのセーターについてこう締めくくっているのが印象的だった。

 でも、そのブルーは何百万ドルものお金と数え切れないほどの仕事を表すの。ファッション業界から自分を追い出すような選択をしながら、実際にはこの部屋の人たちが“物の山のなかから自分のために選んだセーターを着ているなんておかしいかもしれないけど。

 Watches & Wonders 2022でリリースされたダイヤルの色がどこから来たのか、誰が知っているのだろう。私が知っているのは、以下の時計が斬新かつ刺激的な方法で色を使っているということだけだ。ようやく、我々は画一的なカラートレンドから脱却した世界に生きているのだ。

グランドセイコー  SBGW283
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 SBGW231のような時計に似合わないダイヤルの色はひとつもない、と私は断言するが、今回発表されたSBGW283のブルーには文句のつけようがない。これは、日本の文化で「季春(きしゅん)」と呼ばれる、空が澄み渡り気温が上昇する晩春の季節にインスパイアされたものだ。しかし、このダイヤルの最もエキサイティングなところは、それがグリーンではないということだ。グランドセイコーは昨年、まったく同じケースで3種類のグリーンモデルを作ったが、すぐに完売してしまった。それらは限定モデルだったが、この季春モデルはそうではない。

オリス プロパイロットX キャリバー400
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 これがサーモンカラーかどうかはまだ確定していないが、ピンク色でないことは確かだ。サーモン以外ならピーチだ。しかし、ひとつだけ確かなことは、これが突如として現れ、Watches & Wondersで皆の心を奪ったということだ。実際に手に取ると、特に新型プロパイロットのサテン仕上げのチタンケースに映え、ダイヤルのマットな仕上げがそれを和らげている。コメント欄には、アプライドインデックスを求める声が寄せられているが、私はプリントダイヤルの方が好きだ。色に重点を置いているのだ。この時計は、オリスらしく控えめでありながら、少しワイルドな雰囲気を出すのに最適な時計だと思う。

ジン 556 限定モデル
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 ジンにしては想定外なモデルだが、控えめなドイツ人が遊び心と想像力を発揮してくれることはとても嬉しい。ポルシェ911はルビーストーンレッドのようなワイルドなカラーを採用しているが、だからといってクルマとしての性能が劣るわけではない。同じような考え方を、カラフルな556の新しいラインナップに取り入れてみてはどうだろう? エメラルドグリーン、カーネリアンレッド、シトリンイエロー、アクアマリンブルーは各色400台限定。通常生産するようなモノではない。私のイチオシ? エメラルドだ。

IWC パイロット・ウォッチ・クロノグラフ・トップガン “ウッドランド”&“レイク・タホ”
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 IWCは、時計製造におけるカラーの開発に関して主導権を握る存在になりつつある。彼らはパントン社とのコラボレーションにより、独自のカラーを生み出した。そして、彼らはインスピレーションを得ることができるのだ。シエラネバダ山脈の頂上や、その北側、カナダに広がる広大な森林で見られる自然の色調を取り入れた新色は、その理由を見事に言い当てている。

ブライトリング ナビタイマー
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 ブライトリングは昨年、ピスタチオグリーンという珍しい色合いのプレミエ B09 クロノグラフを発表し、我々を驚かせた。そして今年もまた、同じ色をナビタイマーの新シリーズに搭載し、その勢いを増している。ナビタイマーには70年以上ものあいだ、モノクロのダイヤルしかなかったのだから、これは重要なことだ。少し変化をつけてもいい頃なのだ。

ロレックス GMTマスターⅡ
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 もう見ただろう。ロレックスはブラックとグリーンのベゼルを採用した“デストロ” GMTマスターⅡを作った。では、その理由は? Hands-Onでレポートしたように、ロレックスのモデルにおける色の展開という点では、サブマリーナーコレクションにヒントがあった。グリーンは、次の論理的な導入であり、そして最終的にここにある。ロレックスの伝統的なカラーを、我々が知っているモデルに取り入れるというのは、とてもいい方法だと思う。それはサブマリーナーで使用するのと同じグリーンで、それをGMTに取り入れたことは大きな驚きではないはずだ。人々はそれについてどう思うかに関係なく、またそれを買うために街に行列ができるだろう。

H.モーザー ストリームライナー・フライバック クロノグラフ “Blacker Than Black”
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 少しズルをしている。黒は色のない色であることは知っているが、時計製造において最も黒い素材を使用することがいかにクレイジーなアイデアであるかということを評価したいと思う。まったく無意味であり、同時にすばらしいことだ。また、手首にブラックホールを装着することに最も近いと言える。デス・スターのトラクター・ビームのように、この腕に装着されたすべての時計の色を積極的に取り込むのだ。色彩を楽しむことが流行っているが、H.モーザーはその真逆のことをやってのけた。べンタブラック®の背景では、時計はまったく見分けがつかない。黒を選ぶなら、最高の黒にしよう。

ノモス クラブキャンパス
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  ノモス グラスヒュッテは常に遊び心と楽しさを提供してきたが、今年はそれを11倍にして、ピンクとパープルのクラブキャンパスコレクションのバリエーションを発表した。カラーは“ディープピンク”と“ブルーパープル”です。クラブキャンパスはブランドの“スターターウォッチ”であり、もちろんダイヤルの色は何でもOKだ。どんな鍋にも蓋があり、どんな若い時計コレクターにも好みのダイヤルカラーがあるのだ。

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オリス プロパイロットXやグランドセイコー SBGW283など、一部の時計は入荷次第、HODINKEEショップで販売します。その他HODINKEE Pre-Ownedを通じて、これらの時計や上記のほかのブランドのすばらしい時計をいつでもたくさん取り揃えています。