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The G-SHOCK

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FULLMETAL MULTICOLOR GMW-B5000&GM-B2100

FULLMETAL MULTICOLOR GMW-B5000&GM-B2100

FULLMETAL MULTICOLOR GMW-B5000&GM-B2100

Full metal iteration by the new generation

 GMW-B5000は、G-SHOCKのデビュー35周年となる2018年に、初号機であるDW-5000Cの特徴的なフォルムの外装にステンレススティールを取り入れたフルメタルモデルとして登場した。同モデルに端を発したフルメタル5000シリーズはわずか5年のあいだで、コバリオン、トランティクシー®︎などの先端素材や、カシオが誇るCMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)デザインを駆使しながらそのラインナップを拡充してきた。そしてこの秋、このシリーズに新たにGMW-B5000PCとGMW-B5000BPCが加わった。後述のGM-B2100PCとGM-B2100BPCとともに、4本で虹色に輝くマルチカラーを表現する新作群に属するモデルだ。ディスプレイの外周に美しいグラデーションを施したヴィヴィッドなデザインは、従来のフルメタル5000シリーズに見られなかった新鮮なアプローチだ。

 今回は、シルバーカラーのGMW-B5000PCと、ステンレススティールにブラックIP加工を施したGMW-B5000BPCの2本がラインナップされる。その両者に取り入れられているのが、ブルー×グリーンのグラデーションカラーと、ポイント使いされたレッドやイエローなどのアクセントカラーの組み合わせだ。カシオは、多様性が重視される現代の潮流にもフィットしたデザインを表現したという。また、グラデーションをガラスへの蒸着によって表現したことで、フルメタルシリーズの質感に似合う透明感のある鮮やかな発色も獲得している。

 誕生当時こそブラックモデルに傾注していたG-SHOCKだが、1990年代初頭からはラスタカラーモデルのヒットを境にユニークなカラー展開を積極的に実施。以降、ユーザーが自身のパーソナリティーや所属するカルチャーに合わせて時計をセレクトできる環境を提供してきた。樹脂素材のモデルで培ってきたこのDNAを、フルメタルシリーズにも取り入れたいという意見がチームの若い商品企画者から上がったことから、今回の企画がスタートしたのだという。

 話は少し遡るが、GMW-B5000シリーズの開発における原点となったのは、2015年に発表されたDREAM PROJECT DW-5000 IBE SPECIALだ。外装に金無垢を用いたこの時計は、耐衝撃構造や防水性を確保しながらも評価試験が実施されないコンセプトモデルとして発表された。だがカシオは、同モデルの商品化を希望する多くの声を受け、フルメタルG-SHOCKの開発をステンレススティールで本格的にスタートさせる。しかし、樹脂モデルと比べて比重が高くなるステンレスでは、当然ながら落下時の衝撃は格段に強まる。当時の開発チームは試作を繰り返すなかで、この問題をケースとベゼルのあいだに耐久性に優れる樹脂パーツを挟み込むことで解決した。誰が見ても5000シリーズであると納得できるサイズと形状を維持しながら、G-SHOCKらしい対衝撃性を持つフルメタルモデルとしてGMW-B5000Dは世に送り出されたのだ。

 初号機のデザインをベースとしたフルメタル5000シリーズはその後、外部企業との協業による新素材の採用をはじめ、カラーIPやレーザーでの加飾によって見た目にも斬新なモデルを次々に展開する。さらに2022年にはG-SHOCKの最上級ラインであるMR-G化も果たした。しかし実は、GMW-B5000D同様のシルバーカラーモデルがレギュラーのラインナップに加わるのは、今回が実に5年ぶりとなる。もちろんチタンを採用すれば、軽く、錆びにくいといったメリットを得られる。だが、今作の企画担当者が実現したかったというのはフルメタルモデルによる自己表現の後押しであり、価格を抑えることで幅広いユーザーにそれを実感してもらいたいという願いから、複雑な加工をせずにステンレスの質感を生かしたモデルの展開を決めたという。この決断は、GMW-B5000シリーズにおける間口を広げることにも繋がった。既存のシルバー、ブラック、ゴールドの3色もブランドの枠を超えた高級感を演出していたが、G-SHOCKを手に取るときに求めるものが自分らしさの表現であるならば、きっと有力な候補になる。

 今回のマルチカラーモデルには、GMW-B5000のほかにもうひとつのバリエーションがある。オクタゴンケースの2100シリーズをベースとした、GM-B2100PCとGM-B2100BPCだ。2100シリーズは、G-SHOCKの初号機となるDW-5000Cにアナログとデジタル表示を組み合わせたAW-500のDNAを掛け合わせつつ現代的にアップデートさせたもので、G-SHOCKの伝統を継承した新世代モデルとして発売直後から高い支持を得てきた。新モデルでは2100シリーズならではのアナログ表示を生かし、アワーマーカーごとに異なるカラーを蒸着。それ単体でグラデーションを表した時分針に加え、15分刻みで色絵を変えるミニッツマーカーの存在もあり、フェイス全体で鮮やかな色の移り変わりが感じられるデザインとなっている。

 なお、GMW-B5000、GM-B2100ともに、従来のフルメタルモデルに見られるスペックは抜かりなく踏襲している。モジュールを保護するインナーケースにはダンパー効果をもたらす樹脂素材をセットし、最後にアウターベゼルを被せるというフルメタルG-SHOCKに一貫した耐衝撃構造は、この新作群にも見られる。また、ケースとブレスレットの接合部分もこれまでと同様に3本脚の構造を採用しており、万が一時計が落下しても衝撃が分散することでケースとブレスレットをつなぐ連結パイプがたわまないように配慮がなされている。20気圧の防水性能に加え、タフソーラー、ワールドタイムにスマートフォンとの連動など、現在のG-SHOCKに求められる機能はひととおり揃えられている。

 ディスプレイやダイヤルにグラデーションカラーを施したことで、従来のモデルと見比べた際の印象は大きく異なるものとなった。ベゼルはヘアライン、ケースはポリッシュと磨き分けられたメタルの質感はこれまでどおり手首に程よい重厚感を添えつつ、光を受けて輝くフェイスのグラデーションが華やかなアクセントとして主張する。なお、企画担当者いわく、多様なファッションに合わせられるようにとケースカラーはあえてシンプルなものにしたという。

 今回登場したマルチカラーの新作群は、個性を表現できるルックスと手に取りやすいプライスを両立させた、フルメタルG-SHOCKの新たな入り口に位置付けられるモデルだ。5000、2100というアイコニックなシリーズのフォルムをあえて踏襲したことで、シンプルながら大胆なカラーチェンジがより一層際立つものとなっている。昨今、G-SHOCKでは若い商品企画者によるモデルが目に留まるようになり、40周年を迎えたこのタイミングでの世代交代も感じられるようになってきた。フルメタルG-SHOCKもまた、彼らの手にかかることでこの先も斬新な提案を行いながら、次世代のファンを獲得し続けていくことだろう。