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The G-SHOCK

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MTG-B3000PRB-1AJR

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The Cutting-Edge Technology Behind The ‘Aurora Oval’

The Cutting-Edge Technology Behind The ‘Aurora Oval’

2019年に第1弾となる“ルナレインボー”を発表して以後、“火山雷”や“ブルーフェニックス”といったモデルを展開してきたMT-GのレインボーIPシリーズ。その最新作であるMTG-B3000PRB-1AJRでは、宇宙から見たオーロラの輝き、“オーロラオーバル”をテーマとしている。シリーズに共通する鮮やかなレインボーカラーをベースにしつつ、色調はもちろんその質感にも手を加えることで、これまでとは異なる幻想的な雰囲気に仕上げた。その表現を実現しているのが、再結晶化と深層硬化処理を施したステンレススティールにレインボーIPを組み合わせた新たな加工技術だ。結晶模様を下地としたレインボーカラーは、過去のモデルにはない繊細な輝きを生み出している。なお、この表情が大気圏上で何色もの光が複雑に絡み合うオーロラのイメージと重なったことから、オーロラオーバルが正式にデザインテーマに選ばれたと企画担当者は語る。今作は、CMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)デザインがテーマを先導した珍しい例だ。

ステンレスの再結晶化と深層硬化処理は、G-SHOCKの40周年記念モデルとして4月にリリースされたばかりのRECRYSTALLIZED SERIES(リクリスタライズド シリーズ)にも用いられた素材処理技術だ。これまでさまざまな素材加工を生み出してきたカシオにあっても、この技術を確立するには約4年の歳月を要したという。しかし今作では、そこにグラデーションのコントロールが困難なレインボーIPをプラス。結果としてMT-Gの最新モデルは、より難易度の高いCMFデザインを纏うこととなった。しかし、実はMTG-B3000PRB-1AJRの企画はRECRYSTALLIZED SERIESとほぼ同時期に立ち上がったのだという。40周年記念モデルが盛り上がりを見せるタイミングでMTG-B3000PRB-1AJRを投入し、アニバーサリーイヤーをさらに活性化させていく狙いがあったことから、開発はタイトな期間で進められた。そうした困難を経て誕生したのが、新たなレインボーの表現だ。ポリッシュ面にIP処理を施した従来モデルと比較すると、MTG-B3000PRB-1AJRはベゼルの粒子感が際立っており、この再結晶模様が光の当たり具合によってさまざまなきらめきを放つ。幻想的な光景をモチーフとした本作には、最良の仕上げと言えるだろう。

左が2019年に発売されたMTG-B1000RB-2AJR。右のMTG-B3000PRB-1AJRのベゼルと比較すると、スムースな質感だ。

再結晶模様が浮かび上がったベゼルを彩るのは、グリーンを基調にイエローやピンクを掛け合わせた、まさにオーロラを想起させるカグラデーションだ。一方、MTG-B3000シリーズの特徴でもある立体構造のケースバックには、再結晶処理あえて行わずにレインボーIPを施している。これにより質感の差が際立ち、ベゼルの存在感が強調される形となった。また、取り付けられたストラップには、オーロラを構成するグリーン、イエロー、ピンクの延長にある色調として半透明のパープルを採用。さらに、尾錠にはストラップと一体感を持たせるためにパープルIPを、遊環やプッシュボタンにはデザインを引き締めるためにブラウンIPをそれぞれ施すなど、時計全体でオーロラオーバルを感じさせるデザインにまとめられている。

ベゼルのレインボーカラーを引き立てるもうひとつの要素が、立体的な文字盤だ。鮮やかなベゼルとは対照的に、文字盤はブラックを基調としている。この文字盤のデザインは、MTG-B3000PRB-1AJRのコンセプトに合わせて宇宙から見た地球の様子をイメージしているのだという。点在するブルーやレッドは、視認性を高めているだけでなく、夜の地上に浮かび上がる街の明かりを表現しているのだ。また、時計の角度によって虹色に光るロゴも、レインボーIPモデルにふさわしいディテールである。

今作では、MTG-B3000シリーズの特徴でもある立体構造のケースバックにも手が加えられた。ケースバック全体にレインボーIPを施したのちに、凸面のみを円周ヘアライン仕上げで剥がすことで、レインボーIPとステンレス素材とのコントラストを楽しめるユニークなルックスを生み出している。また、立体形状のケースバックには、あえて各面に異なった色が付着するようにIP加工が施された。これにより、なめらかなグラデーションを見せるベゼルとの対比が強調される形となっている。

ちなみに、レインボーモデルはIP処理の特性によって個体差が生じるため、1点1点の時計は微妙に異なるデザインに仕上がる。極端な言い方をすれば、世界にひとつしかない時計を手にすることができるのだ。これもまた、レインボーIPシリーズの魅力と言えるだろう。

第1弾のルナレインボー以来、常に高い人気を獲得し続けているMT-GのレインボーIPシリーズ。その表現手法はモデルを重ねるごとに先鋭化しているが、今後はより複雑になっていくだろうとMT-Gの企画担当者は語る。そうなると、早くも次回作のデザインモチーフとその表現手法が楽しみになってくるが、まずは今作をしっかりと噛み締めたい。レインボーIPと再結晶化処理が生み出す、幻想的な世界。計算され尽くしたデザインと先端技術が導いたMT-Gの最新系は、ブランド40周年の節目を飾るにふさわしい、CMFデザインのひとつの到達点だ。