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In Partnership

グランドセイコー Rewind the Anniversary Year 60周年を経てその先へ

Sponsored by Grand Seiko

ブランドの誕生60周年を記念して発売された数々の限定モデル。これらには、グランドセイコーが育んできたクリエイティビティがしっかりと宿っている。

2020年、グランドセイコーは誕生から60年の節目を迎えた。これを祝して2月にはハイビートムーブメント搭載モデルの「SBGH281」を発売し、その後もアニバーサリーイヤーの限定モデルをリリースしていく。

 中でも注目すべきなのが、“グランドセイコーブルー”のダイヤルを採用したクォーツモデル「SBGP015」と、ローターまでブルーに彩った機械式モデル「SBGR321」、そして次世代ムーブメントと謳われるメカニカルハイビート36000 80 Hours(Cal.9SA5)を搭載した「SLGH002」の3モデル。いずれもグランドセイコーが60年の間に培ってきた技術やデザインセンスはもちろん、新たなクリエーションをも取り入れた傑作である。

 最新作の魅力に迫る前に、グランドセイコーを理解する上で欠かすことのできない歴史的なモデル6本と共に、これまでの60年間の歩みを振り返る。


1960年 ― グランドセイコー誕生

初代グランドセイコー

 自社の歴史のみならず、日本の時計史にもその名を刻むグランドセイコーがデビューしたのは1960年のこと。スイス製こそが最高級時計とされていたこの時代、グランドセイコーは、1956年に登場した薄型かつ高精度の「マーベル」に耐震装置を付与して1959年に発売された「クラウン」をベースに、特別調整を施して誕生した。

 搭載するCal.3180は、セイコー初となる秒針停止(ハック)機能や緩急針微調整装置を採用するのみならず、当時、最も高精度とされたスイス・クロノメーター検査基準の優秀級規格と同レベルの高精度を実現。外装も金張りのケースにアプライドのインデックスを採用したシンプルで上品な佇まいに仕上げた。価格は2万5000円と当時の大卒初任給の2倍近い高級機となったが、「世界に通用する高精度で高品質な腕時計を作り出す」という願いを込めて作られたグランドセイコーは、このモデルを出発点として、やがて世界が注目するブランドへと成長していく。


1964年 ― 実用性の進化

GSセルフデーター

 そのわずか4年後、1964年には“グランドセイコーセカンド”とも呼ばれる第2世代の手巻き式モデル「GSセルフデーター」を発表する。ブランドのフィロソフィでもある“実用性の進化”の礎となったこのモデルでは、新たに日付表示機能を備えたCal.5722を搭載。ケース素材はステンレススティールへと変わり、防水性も初代グランドセイコーが備えていた3気圧から5気圧へと向上した。

 だが、何よりも目を惹くのはそのルックスだろう。太くて存在感のあるラグを採用することで、初代とは打って変わってマッシブな雰囲気に。さらに、ケースはザラツ研磨を施すことで歪みのない鏡面に仕上げ、“世界に挑戦する国産最高級の腕時計”にふさわしい美しさをも加えたのである。そして、「GSセルフデーター」で本格的に採用されることになったザラツ研磨は、その後、グランドセイコーのデザインを形成するうえで欠かせない技術として定着していくのだ。


1967年 ― セイコースタイルの確立

44GS

 1967年に発売された「44GS」は、第二精工舎(現セイコーウオッチ)が初めて手掛けたグランドセイコーであると共に、その後のグランドセイコーのデザイン理念となった「セイコースタイル」を確立させた傑作として知られている。

 「44GS」が目指したのは“燦然と輝く腕時計”。その根底にあるのは、直線と平面を主体とした構成の中にも、光と陰によって生み出される無数の表情に心を配る日本人の美意識で、これを具現するために考案された9つのデザイン要素によって「44GS」は完成した。ケースサイドからラグへと続く稜線に特徴をもたせるのみならず、フラットなダイヤルには多面カットのインデックスと時分針をセッティング。さらにはリューズをケースに半ば埋もれさせて存在感を抑えることにより、まさに直線と平面、そして光と陰とが美しさを際立たせるシャープな造形の腕時計を生み出した。しかも、この「セイコースタイル」を支えるのは高度な技術であり、ザラツ研磨はその象徴とも呼べるもの。卓越した職人技によって磨き上げられたディテールなくして、グランドセイコーの独創的なデザインは生まれないのだ。

スイス・ニューシャテル天文台のコンクール

 同じくこの時代、時計メーカーは自社が製造する時計の精度を証明するべく、スイスの天文台が主催するコンクールに参加し、その技術を競い合った。セイコーも1963年に初参加し、わずか4年後の1967年には上位を独占。そのノウハウは市販モデルにも取り入れられ、1968年には国産初の自動巻き10振動(3万6000振動/時)モデル「61GS」を、1969年には月差±1分以内の超高精度モデル「61GS V.F.A.」「45GS V.F.A.」を発表した。

 また、初代モデルでスイス・クロノメーター優秀規格と同等の高精度を実現したグランドセイコーだが、1966年には、クロノメーター規格よりもさらに厳しい独自の検定制度「グランドセイコー(GS)規格」を制定し、その後も更新され、現代に引き継がれている。


1993年 ― 究極のクォーツ誕生

SBGT001

 クォーツの台頭に伴い、1970年代以降、機械式腕時計は次第に市場から姿を消していく。それはグランドセイコーも例外ではなかった。しかし、休眠状態にあったグランドセイコーは、年差±10秒という高精度ムーブメントを搭載したクォーツモデル「95GS」で1988年に復活し、それからわずか5年後の1993年には「SBGT001」を発売する。

 このモデルが搭載していたのは“クォーツを超えたクォーツ”と絶賛されたCal.9F83。しかも、歯車の遊びを抑えて秒針の動きの精度を高める「バックラッシュ・オート・アジャスト機構」をはじめ、グランドセイコー特有の太く長い針を正確に動かす「ツインパルス制御モーター」、「瞬間日送りカレンダー」、長期に及ぶ信頼性を確保するために輪列を保護する「スーパーシールドキャビン」など、現在の9Fクォーツに欠かせない機能を搭載。グランドセイコーの名にふさわしい、長く愛用できるクォーツ腕時計を完成させたのだ。


1998年 ― 長く愛される腕時計を目指して

SBGR001

 一方で、1990年代は機械式腕時計復活の気運が高まっていた時代。クォーツモデルによってグランドセイコーは復活したが、機械式モデルの登場が望まれるのも当然のなりゆきだった。しかし、高級機械式腕時計の製造は実に20年以上のブランクがあったため、セイコーではムーブメントを新規に設計。このムーブメントは1996年にC.O.S.C.(スイス公式クロノメーター検定機関)の精度検定に合格したが、かつてのグランドセイコーが築き上げた「クロノメーターを超える精度」と実用性を確保すべく、ハードルをさらに高く設定する。

9Sメカニカル

 こうして1998年、ついにCal.9S55を搭載した「SBGR001」が発売された。平均日差は+5秒〜−3秒でパワーリザーブも約50時間と高い性能を実現。その一方で、ブレスレットとの一体感を強調したフォルムやケースに美しい仕上げを施すなど、外装のクリエイティビティにもグランドセイコーらしさが踏襲された復活作となった。


2004年 ― 機械式とクォーツの融合

SBGA003

 グランドセイコーの機械式モデルが復活した1998年、セイコーはバーゼルフェア(当時)で新たな駆動機構「スプリングドライブ」を発表した。これは機械式腕時計と同様にゼンマイで動力を確保し、クォーツ腕時計に用いられている水晶振動子で精度をコントロールするセイコー独自の機構。1977年に構想が生まれ、製品化に至ったのはそれから20年以上が経った1999年のことだが、グランドセイコーに搭載されるにはさらに数年を要することになる。というのもグランドセイコーのクオリティを実現するうえで、効率の良い自動巻き機構と長時間パワーリザーブは不可欠と考えたからだ。

9Fスプリングドライブ

 この問題を解消したのが、当時新規開発した超低消費電力のICと1959年にセイコーが開発したマジックレバー方式。これを採用することでパワーロスと巻き上げ効率は改善。また、パワーリザーブも約72時間へと大幅に伸長し、2004年、満を持してスプリングドライブムーブメントCal.9R65を搭載した初のグランドセイコーが発売されるに至ったのだ。


2020年 ― 60周年を迎えて

 「60」は時計でいえば針がちょうど1周し、次の「60」に向けて新たな時を刻み始めるタイミング。グランドセイコーにとって、この「60」という数字が特別な意味を持っていたであろうことは、2020年に発売されたラインナップを見れば容易に想像できる。その中でも特に重要なモデルのひとつが「SLGH002」であり、搭載された新キャリバー9SA5だ。事実、グランドセイコーでは“60周年に向けて”新ムーブメントの開発を進めるのみならず、これに合わせてグランドセイコーのモデルおよびデザインを進化させていく必要があると考えていたという。

 8月に世界限定100本で発売された「SLGH002」は、グランドセイコーらしい上品さと精悍さを併せ持った腕時計だが、そのディテールを細かく見ていくと、これまでにはなかった意匠を取り入れていることに気づく。一例として、時分針はこれまでの形状と異なっているが、針の大きさを変え、さらに時針に中心線を施すことで、グランドセイコーが大切にしている“見やすさ”を確保している。それもそのはず、「SLGH002」をデザインするうえでのテーマは「継承と進化」。これまで受け継いできたセイコースタイルを崩さずに現代の時代背景や価値観を取り入れた、まさに次世代のグランドセイコーと呼ぶにふさわしい仕上がりだ。そして何より、初代グランドセイコーを進化させたようなルックスに、約80時間のパワーリザーブを実現する3万6000振動/時のハイビートムーブメントを組み合わせた最大の特徴が、それを明確に表している。

SBGR321(左)とSBGP015(右)

  60周年を祝したモデルは「SLGH002」だけではない。アニバーサリーにふさわしい“グランドセイコーブルー”を取り入れたモデルも展開しており、中でも「SBGR321」や「SBGP015」には、60年の歴史で培ってきた技術が盛り込まれている。 

 60周年記念限定モデルを象徴する美しいネイビーのダイヤルを採用した「SBGR321」は、グランドセイコーらしい端正なルックスにまとめ上げる一方、記念モデルにふさわしいスペシャルなディテールも用意。シースルーバックからは陽極酸化処理による鮮やかなブルーのチタン製ローターが顔をのぞかせ、裏蓋のサファイアガラスには対照的なレッドの挿し色が施されている。これはグランドセイコーの機械式モデルが製造される「グランドセイコースタジオ 雫石」からほど近い、岩手山の朝焼けをイメージしたカラーリング。1日の終わりに腕時計を外してそっと置くその瞬間に、ユーザーだけが楽しむことのできる、遊び心のあるクリエーションだ。 

 同じくダイヤルにグランドセイコーブルーをまとった「SBGP015」だが、その雰囲気は「SBGR321」とは明らかに違う。ダイヤルのみならずセラミックス製のベゼルにも深みと美しさのある紺色を採用し、エッジの効いた多面ケースを組み合わせることで躍動感のあるルックスに。しかも防水性は20気圧を確保し、耐磁性能も1万6000A/mを実現するなど、スポーツコレクションにふさわしく、アクティブなシチュエーションでも着用できる1本に仕上がっている。搭載するのはクォーツキャリバーの9F85。時計を止めずに時針単独で時差修正が行える機能を備え、実用面でも死角のない腕時計となった。 

 時計の針が一周りし、新しいサイクルの開始を示すのと同じようにグランドセイコーの歴史の針は60周年を迎え一周したのだ。次の60年に向けてグランドセイコーは、新たな一歩を踏み出した。


グランドセイコーブティックオンライン コンシェルジュサービス

 多彩なコレクションはもちろんのこと、希少な限定モデルも手に取れる「グランドセイコーブティック」。これまでは実際に店頭に足を運ぶ必要があったが、現在の情勢を踏まえ、オンラインで実店舗と同様のサービスを享受できる「グランドセイコーブティックオンライン」が始まった。ブランドの歴史やフィロソフィーを、ビジュアルを通じて体感できるのみならず、専門スタッフが商品選びをサポートするオンラインコンシェルジュサービスも備えるなど、ユーザーファーストを実践してきたグランドセイコーらしい万全のホスピタリティに。もちろん、これまでは店頭でしか手に取ることのできなかった限定モデルもオンライン上で購入でき、愛好家はもちろん、これからグランドセイコーを手にしたいと考える人も利用しやすい、洗練されたサービスになっている。 

Photographs:Yoshinori Eto、Words:Yuzo Takeishi