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In Partnership

THE ESSENCE OF HERITAGE: ブランパン フィフティ ファゾムス バチスカーフ コンプリートカレンダー

ブランドを象徴するスポーティなDNAとクラシックなムーンフェイズの融合

 パリとニースを結ぶ国道7号線。この沿線にあった8つのオーベルジュを原点として、1954年に創設された「ルレ・エ・シャトー」。一流とされるホテルとレストランで構成されるこの会員組織は、設立当初から厳格な審査を設け、それにクリアした者のみが加盟を認められる。ブランパンは毎年行われているルレ・エ・シャトー・トロフィーに「ヘリテージ・トロフィー」を設けて協賛するだけでなく、いくつかの加盟ホテルやレストランとも提携関係にある。ではブランパンが掲げるヘリテージの神髄とは何か? それを知る手がかりとなるモデルがフィフティ ファゾムス バチスカーフ コンプリートカレンダーだろう。これまでスティールケースのみで展開されてきたが、2022年には18KRGケースと、ここで取り上げるTiケースが追加された。ブランパンが用いるのは、医療用として用いられるグレード23のチタンだ。

本特集はHODINKEE Magazine Japan Edition Vol.5に掲載されています。

本特集はHODINKEE Magazine Japan Edition Vol.5に掲載されています。

 さてこのモデル、原理主義的な時計愛好家の目から見ればキメラのような存在にさえ映るだろう。ダイバーズウォッチの原点ともいえるフィフティ ファゾムスの系譜から考えれば、そこに組み合わされたコンプリートカレンダーはやはり異質だ。しかし、注意深くそのバックボーンを観察すれば、ブランパンの仕掛けた意図が見えてくる。ブランパンはこの時計を趣味人としての粋を理解する者たちに向けて解き放ったのだ。そもそも1956年に発表されたバチスカーフには、初の本格ダイバーズウォッチとなったフィフティ ファゾムスのバリエーションというよりも、マルチパーパスウォッチとしての性格が盛り込まれていた。一方、腕時計用ムーブメントの小型化がひと段落したこの時代は、エボーシュの複雑化が推奨された時代でもあった。そうしたなかで登場した最高峰が、コンプリートカレンダーであったのだ。現代のバチスカーフは2013年にリバイバルを果たしたが、本家よりも薄型のケースを採用し、より日常に溶け込みやすいプロポーションを備えていた。ツールウォッチ的な頑強さを残しつつ、デイリーユースのラグジュアリーを志した際に、クラシカルな風情さえも加味できるコンプリートカレンダーとの融合は必然だった。ムーンフェイズの表情が、“独特な表情の月”になっているのはコンプリートカレンダーが最高峰であった時代へのオマージュなのだ。

 この時計を腕に訪れた谷川温泉の「別邸 仙寿庵」は、日本では数少ないルレ・エ・シャトーのひとつ。日本の伝統建築と現代的なデザイン性が共存するこの場所で、ブランパンがこの時計に託したヘリテージの意図を、体感してみるのも一興だろう。

 フィフティ ファゾムス バチスカーフ コンプリートカレンダーのグレード23チタンモデルは、ケースとトーンオントーンにあしらわれたサンバースト仕上げのアンスラサイトダイヤルが特徴だ。ホワイトゴールドのアワーマーカー、ロジウムメッキが施された針とムーンフェイズがダイヤル上に配され、サテン仕上げによってマットな質感のセラミックベゼルがコントラストを生む。内部には同社のクラシックなヴィルレ コンプリートカレンダー ムーンフェイズにも搭載されている、72時間パワーリザーブの自社製Cal.6654.P.4を搭載。カレンダーには操作禁止時間帯がないため、24時間いつでも変更が可能だ。

〇撮影協力
■別邸 仙寿庵
住所:群馬県利根郡みなかみ町谷川614
アクセス:関越自動車道、水上ICより約10分。
公式サイト: https://www.senjyuan.jp/

Words:Hiroyuki Suzuki Photos:Akira Maeda(maettico) Styled:Eiji Ishikawa(TRS)  Hair&Make:Ken Yoshimura

〇衣装協力
ジャケット52万8000円、ニット19万2500円、パンツ11万円、シューズ10万8900円。ブルゾン19万4700円、パンツ11万円、シューズ10万8900円/すべてゼニア(ゼニア カスタマーサービス☎03-5114-5300)本誌掲載のクレジット表記にエネメルジルド ゼニアと表記がありますが正しくはゼニアです。