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FRUITS OF LABOR 時を重ね、磨きをかけた情熱と哲学は、クリスタルのごとく

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カール-フリードリッヒ・ショイフレ氏が掲げた真のマニュファクチュールをつくるという夢、そしてクラフトマンシップの本質を再定義するという挑戦が形を成したL.U.C。ショパールの情熱と哲学の結晶であるコレクションが熟成を経て一層魅力を増す。
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本特集はHODINKEE Magazine Japan Edition Vol.10に掲載されています。

ショパールは、けっして時を急がない。一度定めた目標に対して、揺らぐことなくステップを重ね、より高い完成度を目指す。その歩みは、進化というよりも“深化”と呼ぶにふさわしいだろう。最新作のL.U.C クアトロ‐マーク IVを手にしてあらためてそう感じた。鮮やかなスカイブルーカラーダイヤルの下に秘めたL.U.C98.09-Lこそ、その証しである。

 2025年、L.U.C クアトロは初代の誕生から25周年を迎えた。L.U.Cは、1997年に発表したショパール マニュファクチュール初の自社ムーブメントを搭載したコレクション(1.96ムーブメントの発表は1996年)であり、その名は創業者ルイ-ユリス・ショパールの名にちなむ。

 当時、多くの時計ブランドがムーブメントを外部供給に依存するなか、将来にわたってブランドの独立性を担保するには自社ムーブメントが不可欠という判断からその開発は進められた。社内プロジェクトとして“Independence(独立)”と名付けられていたことからも、その強い意志が伝わってくる。

L.U.C クアトロ-マーク IV 161954-9001 722万7000円(税込)

 3年の歳月をかけて完成したL.U.C 96.01-L(現在名)は、マイクロローターでツインバレル仕様。スワンネック型緩急針や分割プレートを備え、ジュネーブ・シールも取得した。まさに満を持したマニュファクチュール宣言だった。その第2弾として、パワーリザーブ向上を目的に開発されたのがL.U.C 98.01-Lだ。オリジナルの構造や設計を生かしつつ、クアトロの名が示す4つのバレルを搭載し、駆動時間を従来の約65時間から9日間へと飛躍的に伸ばした。さらに高精度と力強い駆動は、数多くの複雑機構にも用いられ、技術の核としてL.U.Cの要諦になっている。

 第4世代となる新作では、これまで文字盤の12時位置にあったパワーリザーブ表示をムーブメントのブリッジに移した。あえてその実力を内に秘める。それはショパールというメゾンの美学だろう。それこそが25年という時を経て到達した、L.U.C クアトロの真価なのである。

2000年の発表当時、4つの香箱の搭載は世界初で、ゼンマイは全長1885mmに及ぶ。プラチナケースは、ラグ間にミツバチのシンボルを手彫りすることでそれを示す。文字盤は粒子状のテクスチャーにスカイブルーのPVD加工を施した。

日付の変わる瞬間を分針で塞がぬよう、ジャンピングアワーは6時位置に設け、シンプルな文字盤にストローマルケトリーの美しさが際立つ。技法はアトリエの職人が個人修得し、メゾンもこれを高く評価。L.U.Cではこれが初採用となる。


ショパール マニュファクチュールの結晶

 ショパールの歴史は、1860年にスイス・ジュラ地方のソンヴィリエで時計職人ルイ-ユリス・ショパールが工房を開いたことから始まる。高級懐中時計と高精度ムーブメントの製造で名を知らしめたが、1963年にドイツのジュエラーだったショイフレ家が買収。以来、一族で経営する独立系ブランドとして現在に至る。いまではマニュファクチュールとハイジュエラーというふたつの側面を持つが、1990年代まではクォーツや汎用ムーブメントを搭載したジュエリーウォッチなどを中心に展開していた。そこで将来を見据え、本格ウォッチメイキングの道を選択したのがショイフレ家4代目で、現在の共同社長を務めるカール-フリードリッヒ・ショイフレ氏だ。当時の決意をショイフレ氏は、2003年にEuropa Star誌が実施したあるインタビューのなかでこう語っていた。

 「マニュファクチュールであるか、そうでないのか。その中間はないのです。私たちは、ゼロから完全なムーブメントを作りたかった。それをやるか、やらないかのどちらかでした」

フランス・ブルゴーニュ産のライ麦のわらを1本ずつ爪で裂いた六角形の小片によるハニカムパターンにウッドワックスをコーティング。ブラックにはホワイト、グリーンにはローズ、ブラウンにはイエローゴールドのケースを合わせる。いずれもエシカルゴールド。L.U.C クアトロ スピリット 25 ストロー マルケトリー エディション 世界限定各8本。各1031万8000円(税込)

 その情熱と強い意志を持って取り組んだのがL.U.Cコレクションである。しかしムーブメント開発に始まり、継続的に製造する生産体制を構築するのは、けっして容易でないことは自身が一番わかっていただろう。以前インタビューした際、本人は目標の達成には時間をかけて取り組むことと語った。

 「時間は妥協できない必要なものです。たとえばワインであればヴィンテージにするためにはで樽の長期の熟成期間があり、時計であれば5個の試作品を作った末、6個目でやっと納得するものができるかもしれない。そこで時間を短縮することは必ずしもいい結果には結びつきません」

 初代L.U.Cの開発も例外ではなかった、と言葉を続けた。

 「十分に時間をかけないと正しい品質は生まれませんし、試行錯誤も必要で、じっくり考えて判断をする。そこで詰めきれずに作ってしまったらまた開発に6カ月かけることになりかねません。初代L.U.Cはサイズだけで4種類作り、ダイヤルも10種類試作しました。それから30年近くたちましたが、それだけ試行錯誤したからこそ現代でも新鮮なデザインに映ります。完璧主義者であればどちらを選ぶかは明白ですし、容易周到に万全を期した上で物事を進めることはとても大事なのです」

L.U.C クアトロ-マーク IV(写真左)とL.U.C クアトロ スピリット 25(写真右)のムーブメントは、表示機能こそ違えどベースは同じ。Cal.L.U.C 98.06-Lは、ジャンピングアワーがトルクを要するため、パワーリザーブは3針の216時間(9日間)から192時間(8日間)に抑えられている。4つの香箱の力強い存在感とスワンネック型緩急針を備えたクラシカルな美しさが同居する。

 新しいL.U.C クアトロのほか、ショパール マニュファクチュール25周年を記念して2021年に発表されたL.U.C クアトロ スピリット 25の新作では、ストローマルケトリーの伝統装飾で文字盤を飾った。これは、17世紀に確立された技法で、麦わら寄せ木細工でハニカム(蜂の巣)パターンを表現する。このハニカムは、1996年の発表以来、ショイフレ氏がL.U.Cコレクションのシンボルにしてきたモチーフだ。蜂の巣は、勤勉で誠実であり、謙虚な働き蜂が協調・結束するための場であり、マニュファクチュールにおいてさまざまな専門職人たちが互いに協力し、よりよいものを極める精神や価値観とも通じ合う。

 長期的展望に立つ時計づくりの哲学が結実したL.U.Cは、伝統を次世代につなげるメティエ・ダールと結びつき、今後も変わらぬ真摯(しんし)な姿勢をハニカムに込め、それを高らかにアピールする。25年という時間をかけた熟成を経て洗練の度合いを高め、一層魅力的に進化したL.U.C。これからも時間を重ねていくことで味が深まるワインのごとく、さらに魅力的に進化していくに違いない。

※掲載価格は2025年7月3日(木)の公開時点のものです。7月14日(月)の価格改定をもって新価格へ変更されます。

Words:Mitsuru Shibata Photos:Koji Yano(STIJL) Styled:Eiji Ishikawa(TRS)