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本稿は2012年8月に執筆された本国版の翻訳です。
ここしばらく本格的なオークションがなかったが、2012年8月25日の土曜日にアンティコルムが香港でオークションを開催するという。このオークションで最も注目されているのはひと握りのプレミアムなモダントゥールビヨンのようだが、我々が特に関心を持っているのは非常にリーズナブルな想定落札価格が提示された4本のヴィンテージ アラームウォッチである。
HODINKEEチームはいつだって良質なアラームウォッチを求めている。これらの時計はスタイルこそ異なるものの機械式アラームの音は魅力的であり、いい状態のものでも比較的手ごろな価格で手に入れることができる。今回紹介する4本の時計が1000ドルから2500ドル(当時のレートで約8万円から20万円)という想定落札価格内で落札されるなら、いつも以上にお得な取り引きとなるだろう。
ルクルト メモボックス
ルクルトのメモボックスは、間違いなく史上最もアイコニックなアラームウォッチのひとつだ。この個体はフォード・モーターの従業員に贈られたもので、ケースバックには“For Championship Sales Management Performance, November-December 1955, Henry Ford II”と刻まれている。また文字盤の12時位置には小さな“F”のロゴが見られる。それ以外のブランド表記は控えめで、金張りのケース、ラグの形状、全体のスタイリングは1950年代の雰囲気を強く感じさせる。
オメガ シーマスター メモマチック
一方で大きく異なるスタイルを持つのが1970年代のオメガ シーマスター メモマチックである。この時計ではアラームを時・分単位で設定でき、文字盤には同心円上に配置された2枚の回転ディスクがあり、3時位置にはデイト表示も備わっている。ブルーとシルバーの文字盤、ライトブルーの秒針、ブラッシュ加工されたステンレススティール(SS)製のクッションケースは控えめながらも十分に興味を引くおもしろいデザインだ。オリジナルの箱が付いていることも、この時計の魅力をさらに高めている。
チューダー アドバイザー Ref.7926
最後に紹介するのは、スタイル的にメモボックスとメモマチックの中間に位置する2本のチューダー アドバイザー Ref.7926だ。どちらも1950年代製で、ケースナンバーの差は500番以内と比較的近い番号である。まず1本目はバーインデックスを持ち、レザーストラップが付属している。一方の2本目はダーツ型のインデックスとリベットブレスレットが特徴である。この時代のアラームウォッチでブレスレットが付いているものはあまり見かけないため、我々としては2本のうちこちらを選ぶべきだろうと思う。
詳しくはオークションのカタログ全体を確認してほしい(編注:該当のオークションは終了)。入札に挑む皆さんに幸運を祈る。また、もしこれらの時計を落札した場合はぜひ我々に知らせてほしい。
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