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Just Because パテック フィリップのグランド・コンプリケーションの価格が気になったことはある? パテックはついにすべての価格を公表した

パテックのウェブサイトに“価格はお問い合わせください”と表示されなくなったことで、グランドマスター・チャイムを手に入れるために何年(または何十年)貯金が必要か、ついに明らかになった。

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好奇心旺盛な時計愛好家を惑わせる言葉がある…“価格要問い合わせ”だ。この言葉は現在至るところで見られ、A.ランゲ&ゾーネ、オーデマ ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンなどのブランドは多くの大規模なリリースに対して、価格の代わりにこのフレーズをウェブページに掲載している。一部のブランド、例えばオーデマ ピゲはこの偽装をあっさりと解き明かしてくれる(価格を尋ねれば教えてくれる)一方で、ほかのブランドはその情報を隠していることが多い。しばしば価格にアクセスできる顧客に頼らなければならないが、それでも結果が得られる保証はない。

 パテック フィリップは、どうやらこの曖昧な対応に終止符を打ったようである。数週間前、ブランドがこれまで“価格はお問い合わせください”としていた、グランドコンプリケーションウォッチ(チャイムピースを含む)の価格を公表し始めたのだ。私のように<ここに驚くほど複雑なパテックのリファレンスが入る>の価格がいくらか気になったことがあるなら、実用的な理由はなくてもただ見て驚くだけのために、これ以上疑問を持つ必要はない。

Patek Philippe ref. 6300/403G Grandmaster Chime Haute Joaillerie

パテック フィリップ Ref.6300/403G。グランドマスター・チャイム・ハイジュエリー

 すべてのモデルを紹介するつもりはない。詳細はパテックのウェブサイトで確認できる。今回はいくつかのハイライトに触れたいと思う。それでは、現在のラインナップで最も高価なモデル、パテック フィリップ Ref.6300/403G グランドマスター・チャイム・ハイジュエリーから始めよう。この時計は20の複雑機構、118個のバゲットカットエメラルド(7.87カラット)、291個のバゲットカットダイヤモンド(20.54カラット)を備えている。その価格は驚異の7億2766万円(税込)である。

Aquanaut Luce Rainbow

アクアノート・ルーチェ“レインボー”ミニット・リピーター・ハイジュエリー

 6300の別バージョン(税込で6億8792万円のサファイアバージョン、6億6927万円のダイヤモンドモデル、4億7350万円の“ベーシック”なグランドマスター・チャイム)を除いて、次に高価なモデルは手彫りのグラン・フー ブラウンエナメル文字盤を持つRef.6002 スカイムーン・トゥールビヨン(税込で2億7519万円)ではない。実際はアクアノート・ルーチェ“レインボー”ミニット・リピーター・ハイジュエリー Ref.5260/1455Rで、その価格は圧巻の4億7105万円(税込)である。

Patek 5531G

パテック フィリップ 5531G。

 その結果、1億5633万円(税込)するスモークサファイア文字盤のRef.5316/50P(ミニッツリピーター、トゥールビヨン、レトログレードデイト表示とムーンフェイズを備えた永久カレンダーを搭載)が非常にお得に感じるようになった。同様にクロワゾネのグラン・フー エナメルを施したRef.5531Gのワールドタイム・ミニット・リピーターは、1億914万円(税込)とさらに“手頃”な価格である。最高価格の多くが宝石のセットによって影響を受けているようだ。例えば永久カレンダーとカテドラルゴングのミニッツリピーターを搭載したRef.5374Gは、1億1865万円(税込)である。同じムーブメントを持ちながら、プラチナケースに228個のバゲットカットダイヤモンド(11.62カラット)と13個のバゲットカットサファイア(0.72カラット)をセットした場合、その価格は1億8935万円(税込)、つまり約7000万円も高くなる。このリストはまだまだ続き、パテック フィリップのウェブサイトでお気に入りのリファレンスをチェックすることができる。

5374G

Ref.5374G

5374P

それとRef.5374Pの違いは? 約7000万円だ。

 非常に具体的な価格設定(千円単位)について興味があるなら、それは為替レートが一部関係している。週末、あるヨーロッパの正規代理店と話をしたところ、パテック フィリップは以前、これらの時計の価格をスイスフランで設定していたという。為替レートによっては、ある日の顧客が木曜日に数万ドル多く支払う一方、火曜日には少なく支払う(あるいはパテックが不利な為替レートで損失を被る)こともあった。このため、オーデマ ピゲのようなブランドは依然として最も高価な製品の価格をスイスフランでのみ設定している。現在、価格は表示されている通貨に固定されているようだ。そう、これらの時計(およびその価格)は、普通の人間にはほとんど手の届かないものである。それこそが、価格の透明性をより一層興味深いものにしていると思うのだ。