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Introducing クロノ ブンキョウ トウキョウ カランドリエ Type 1 2022年新作

ミリタリーウォッチのようなコインエッジベゼルと肉厚なダイヤルを持つ、ブランド初のフルカレンダーウォッチ。

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クイック解説

 「もし無人島で暮らすことになったら何を持っていくか?」

 クロノ ブンキョウ トウキョウのカランドリエ Type 1は、独立時計師の浅岡 肇氏が友人と交わした何気ない会話から生まれたというユニークな新作だ。浅岡氏はこの問いに対して「時計」と答え、その時計に必要な機能を考えて行き着いたのがフルカレンダーウォッチだったという。曰く、「フルカレンダー機能があれば、無人島に来てからどのくらい時間が経ったのか、どのくらいの月日が流れたのかが、すぐにわかるでしょう?」と語る。

 開発のきっかけは冗談のようだが、作りは浅岡 肇氏がすべてを監修しているだけにいたって真面目。細部までこだわりが徹底している。中心から外端にかけてカーブを描くように設計されたボンベダイヤル、時針にはリーフ針、分針に個性的な形状のモダン針を組み合わせ、分・秒針の先端は手作業により曲げられている。カウンターウェイト付きの秒針は細く繊細で、力強い時・分針とは対照的だ。ケースは鍛造成形されたおなじみの316Lステンレススティール製で質も高く、ケースサイドに施された鏡面仕上げには歪みはない。

 ブランド初となるフルカレンダーウォッチに使用されるのは、これまでに販売してきたコレクションと同様、日本製のミヨタムーブメント。月・曜日・日付のフルカレンダー表示機能を備えるMIYOTA Cal.9122を採用する。現代のスイス製汎用ムーブメントではあまり見られないセンターセコンドとフルカレンダーの組み合わせで、ブランド共通の構成要素である“左右対称の美”を叶えられることから採用が決まった。

 従来コレクションと同様、販売は公式ホームページ上のみ(購入の際は、事前に公式ホームページにて要アカウント登録)で行なわれる。ちなみに先月発売された新作の34mmは販売開始3分で完売した。しかも販売本数を絞っていたため、購入できなかった人が続出したという。そんな前回の反省も踏まえて、カランドリエ Type 1では日本在住の方が先行して購入できる時間帯が設けられた。価格は24万3000円(海外より発送)で、販売は本日8月11日(木)から。日本在住の方は18時から購入可能で、海外を含めた一般販売は23時からスタートする(ともに日本時間)。

ファースト・インプレッション

 ミリタリーウォッチみたいだなと感じたのが、カランドリエ Type 1の第一印象だった。特徴的なコインエッジベゼルは第2次世界大戦時に使用されたフリーガークロノグラフや、ハミルトンやブローバなどがかつて手がけたアメリカ陸軍航空隊向けのタイプA-11、あるいは空軍向けのタイプA-17といったミリタリーウォッチを彷彿とさせる。また、アラビア数字インデックスやダイヤル外周に設けられたレイルウェイミニッツトラック、スクリューバックケースなども、視認性や堅牢性を優先するミリタリーウォッチを思わせる。しかし、そこは独立時計師・浅岡 肇氏が手がけるクロノ ブンキョウ トウキョウだ。コストカットを前提とするミリタリーウォッチとは一線を画し、これまで発売されたコレクションと同様、細部の作り込みに抜かりはない。

 デザインについては「この時計は常に身につけられ、時とともに味わいを増していくことを意図したもの。蓄積された“傷”は、身につける人の個性であり、人生の旅や冒険の記録でもある。オーナーは傷を気にするよりも有意義な時間を過ごすべき。だから、このデザインはそのような傷を受け入れ、個性を与え、時を経るごとに美しくなっていくように考えた」と浅岡氏は言う。

浅岡氏によるカランドリエ Type 1のCADデザインデータ。

コインエッジのピッチ、形状を全体のバランスを考えながらデザインしたという浅岡氏。このディテールのデザインを自ら行なったのはこれが初だという。

リューズがあるケース側から見たCADデザインデータ。透過処理されたケース内部のどこにムーブメントが収まり、ベゼルが配されるのかがよくわかる。

 また時計をデザインするにあたって、通常ならサプライヤーに任せることが多いパーツ製作も浅岡氏によって主導されたものが多い。その最たる例がベゼルだ。本作で採用されているコインエッジベゼルは、サプライヤーから提案されたものではなく、浅岡氏自らがCADを用いてピッチを刻み設計したものだという。理由はムーブメントの特性に合わせた最適なデザインバランスのベゼルピッチを追求するためだそうだ。

 使用するMIYOTA Cal.9122は、通常の3針時計のムーブメントの上にカレンダーモジュールを乗せる構造で、横から時計を見るとリューズよりも上側(ダイヤル側)にモジュールが位置する。そのため、そのままボックス形状の風防と一般的なスムースベゼルを合わせると間延びした印象となってしまう。それを解消するためにコインエッジ装飾を取り入れたのだと浅岡氏は話すが、そのためにわざわざコインエッジベゼルまで自らデザインしたというのである。また、一見するとケース形状は従来のコレクションに採用されているものとあまり変わらないようにも見えるが、ケースもコインエッジベゼルの採用に合わせて新規に設計された。加えてボックスサファイアクリスタル風防もカランドリエ Type 1のためにデザインされたもので、通常のものより0.15mm高い形状になっているという。

 そして最大の見どころはダイヤルである。メインダイヤルは肉厚で艶のあるポリッシュ仕上げ、インダイヤルは一段深い位置にしており、幾重にも円が重なったサーキュラーグレイン仕上げが施されている。ダイヤルは立体感を与えるために2枚の板を貼り合わせた構造で、同じカーキカラーでありながらメリハリのある表情を作り出している。さらにインデックスの数字も盛り上がるように印刷されており、こうしたディテールへのこだわりはミリタリーウォッチとは一線を画した、カランドリエ Type 1らしい特徴と言える。

 先日、HODINKEE Japanは文京区水道にある浅岡氏のアトリエからInstagramのライブ配信を実施したが、その際に浅岡氏自らダイヤルに関する試行錯誤の足跡をいくつも紹介してくれた。このダイヤルにたどり着くまでに、ずいぶんと試行錯誤が重ねられたのだ。写真をお届けできないのが残念だが、採用されることがなかったさまざまなダイヤルのサンプルを見ると、ブレゲ数字や一般的なアラビア数字インデックスを持つものもあった。しかし、どれも浅岡氏の満足のいくものではなかったようで、最終的に製品版で採用したアラビア数字のフォントは浅岡氏がアレンジを加えてオリジナルとなった。

 また、ダイヤル自体も製品版では前述のようにメインとインダイヤルで仕上げの異なる2枚の板を貼り合わせた仕様となったが、アトリエで見ることができたダイヤルサンプルには1枚構成のものや、マット仕上げのもの、さらにはカーキではないほかのカラーリングを施したものもあった。なかには、ほとんどわからないレベルでカーキのトーンが異なるサンプルもあり、並々ならぬこだわりの末に完成したダイヤルであることが数々のサンプルの存在からもうかがい知ることができた。

 特にブレゲ数字を採用したダイヤルは製品化してもいいのではないか思う出来だったが、浅岡氏に言わせると「悪くはないが、クラシックにまとまりすぎている。今回はダイヤルに個性を持たせたかったのでボツにした」のだとか。今回は採用に至らなかったが、もしかしたら今後採用されてもよさそうなダイヤルサンプルはほかにもいくつかあり、本作は今後のバリエーション展開も楽しみな期待のコレクションとなっている。

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基本情報

ブランド: クロノ ブンキョウ トウキョウ(Kurono Bunkyō Tokyo)
モデル名: カランドリエ Type 1

直径: 38mm
厚さ: 11.5mm(風防含む)
ケース素材: ステンレススティール(316L、鍛造)
文字盤色: カーキ、ブラックレター
インデックス: オリジナルのアラビア数字
防水性能: 5気圧
ストラップ/ブレスレット: カーフレザーストラップ、SS製尾錠


ムーブメント情報

キャリバー: MIYOTA 9122
機能: 時・分表示、センターセコンド、フルカレンダー(3時位置に月、9時位置に曜日、6時位置に日付表示)
直径: 30.45mm
厚さ: 5.52mm
パワーリザーブ: 約40時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 26


価格 & 発売時期

価格: 24万3000円(海外より発送)
発売時期: 8月11日(木)。日本在住の方は18時から購入可能、海外一般販売は23時から(ともに日本時間)。
公式ホームページ上でのみ販売。購入の際は、事前に公式ホームページにて要アカウント登録(登録無料)。
限定: 数量限定(本数未公表)

購入・詳細は、クロノ ブンキョウ トウキョウ公式サイトをクリック。