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私のお気に入りのグランドセイコーはSBGM221だ。約2年前に購入し、日本のブランドへの好奇心、賞賛、およびさらなる興味を膨らませた思い出がある。私にとってSBGM221は、ある種理想的なグランドセイコーとしての特徴をもっているのだ。
それはどういうことかというと、自分にとって、GSがスポーティなデザインと合わさると、実にたまらなくなるのだ。GMT針、 ケース、ダイヤル配置とその仕上げなどの要素は、私が所有するコレクションの中でもクラシックかつドレッシー。 SBGM221のブルーのGMT針と、ニュートラルなクリーム色のダイヤルのペアリングは、GSの世界で最もシンプルな、でも最も喜ばしい組み合わせの一つとして私の心を打つ。それを手にしたときから、私はブルーのストラップに交換し、日常の大半を占めるローテーションウォッチとなったのだ。
本機では、お気に入りのグランドセイコーGMTにひねりを加えて、クリームダイヤルの代わりにグリーンダイヤルをリリースすることを知ったとき、私は興味をそそられた。英国ベースのリテーラーであるWatches of Switzerlandとのコラボで、ケースはグランドセイコーのチーフデザイナー、小杉修弘氏がデザインした定番である。
グランドセイコーの文字盤は、より高価な他のブランドよりも、期待される以上の創造性と細部へのこだわりを発揮することが多く、マニアの間で非常に高い評価を得ていることは周知の事実だ。文字盤を重視しているのはスマートだと思う。何といってもインターフェイスなのである。グランドセイコーを所有している誰もが、おそらく、時間に気づかずに、変化する光の中で針を見つめて、夢中になった経験があるだろう。
この点において、新しいSBGM241「峠」スペシャルエディションも例外ではない。グランドセイコーの雫石高級時計工房から見える岩手山の稜線の輪郭にインスパイアされた文字盤に、Watches of Switzerlandの英国の本拠地に敬意を表したレーシンググリーンを加えている。
「峠」というモチーフは、岩手山の模様とイギリスだけでなく、モータースポーツの代名詞ともいえる組み合わせだ。北の山の稜線を駆け抜ける風光明媚なシーンでのドライブをイメージさせる。この色、デザイン、ストーリーのコンビネーションは、最近グランドセイコーの「四季コレクション」など、詩的な意味合いを持つところで共通しているだろう。
本機は、標準的な振動数である4 Hz(2万8800振動/時)のCal. 9S66を搭載しており、つまりメカニカルハイビートやスプリングドライブではないという意味だが、24時間針はかなり短く、文字盤内側の時針に沿って配置されている。このプロポーションは、グランドセイコーが提供するGMTの中で最も視覚的に魅力的な構成だと私は思う。視認性の観点からは、確かにダイヤルの端にインデックスを配置する利点がある。ローカルの時間がより読みやすくなるからだ。とはいえ、24時間表示のトラックには岩手山の模様がなく、逆に際立っている。ブリティッシュ・レーシング・グリーンの背景にイエローの数字がよく映えている。
グランドセイコーの時計について時々挙がる批判のひとつはは、直径に比べてかなりの厚さがあるということだ。スペック的にSBGM241もそうだと思う。39.5mmの直径は、現代的なドレッシーな一面をもち、日常使いの時計としては完璧だが、13.7mmの厚さは、直径の3分の1ものサイズがあるということだ。
とはいえ、時計の使いやすさを単なる数字で判断することは、私はあまり支持しない。所有するSBGM221は本機と全く同じ直径と厚さで、過去2年間で幾度となく着用しているからだ。厳格なドレスウォッチとは思えないほどの堅牢さが、その汎用性と日常的な着け心地の良さを物語っていると思う。内部のCal. 9S66は、GMT機能をもつ非常に微細な自動巻きムーブメントであり、パワーリザーブは72時間だ。巻き上げることなく、最大3日間手首から外しても放っておくができる。また、グランドセイコーの精度は、静止時で1日あたり+5/3秒と記載されているが、私はさらに安定したパフォーマンスを経験してきた。
グランドセイコーはWatches of Switzerlandとの今回のコラボと共に、ARを使った試着会をInstagramとFacebookで開いた。アクセスはとても簡単で、モバイル端末から @grandseikousa、@grandseikouk、@watchesofswitzerland_official、または @mayorsjewelers のインスタページからアクセスし、フィルタータブに移動する(スマイリーフェイスのアイコンが付いている)。これで「峠」限定版のフィルターを選択し、"試してみる "をタップする。当フィルターは、お使いの端末が床に垂直になっているときに使用するのが最適だ。そこからの使い方は直感的でシンプルだ。ピンチやズームで、グランドセイコーの文字盤のディテールに迫ることができるほか、時計を回転させて背面からムーブメントを見ることもできる。スマホを動かすことで、様々な角度から時計を見ることができ、遊び心があってすごく楽しいものだ。もちろん、SNSに組み込まれているので、ARで撮ったリストショットをIGストーリーに投稿したり、友達や時計仲間と簡単に共有することもできる。
グランドセイコーSBGM241は、2020年7月にオンラインで、もしくはイギリスのWatches of Switzerlandの店舗とアメリカのMayors jewelersの一部の店舗で販売される予定。
グランドセイコー × ウォッチオブスイスグループ 「峠」 スペシャルエディションSBGM241。ケースサイズ39.5mm x 13.7mm、ザラツ研磨のSSケース、ねじ込み式シースルーケースバック。Cal. 9S66自動巻きムーブメント、時、分、秒、GMT、日付表示、2万8800振動/時、35石、パワーリザーブ72時間。グリーンのステッチ入りブラウンアリゲーターストラップ。価格:5200ドル(約55万7000円)。
詳細についてはグランドセイコー公式サイトへ。
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