Introducing グランドセイコー　SBGN023 クオーツGMT セイコー創業140周年記念限定モデル 2021年新作

　GSのクオーツGMTコレクションに、SBGN019、SBGN021、SBGN023という3つの新しいモデルが登場した。全て9F86ムーブメント搭載している。その中でも、限定モデルのSBGN023は注目だ。このモデルは、ブラックセラミックベゼル、特徴的なザラツ研磨（時計用語で“この仕上げの素晴らしさを拡大ルーペで見よ”という意味だ）、人目を引くダイヤル、そしてツートン（これはいい）のインナーベゼルを備えている。

　ケースデザインは、これまでのGMTモデルに比べると、より角ばった、スポーティなツールウォッチらしいものとなっている。その見た目は洗練されているとは言いがたいが、その構造には洗練されたものが多く見受けられる。実機を見てみないと何とも言えないが、直径40mm、200m防水であることだけはお伝えしておこう。

　この時計には、前述の9F86ムーブメントが搭載されている。9Fシリーズが誕生したのは1993年、そして9F86は2018年にグランドセイコー スポーツコレクション クオーツGMT（この時計と同じコレクション）がデビューした際に発売された。このムーブメントは、まさに世界最高水準のクォーツ時計製造の実現を象徴するものだった。瞬間日送りデイト機能、時針単独時差修正機能、そして...年差±10秒の精度を実現している。新しいものではないが、今なおクールだ。

　スポーツコレクション クォーツGMTの最初のモデルは、紛れもなくロレックスのエクスプローラーIIの雰囲気をもっていた。これは私の考えで、スティール製のベゼルに起因するものだったが、今回発表された新モデルでは、それを一新した。SS製のベゼルに代わり、セラミック製のベゼルが採用されたのだ。セラミックはダイヤルの針と同じくらい現代の時計デザインにおいては一般的だが、この新しい外観は非常にグランドセイコーらしさ感じさせる。また、セラミックは傷がつきにくいという点でも極めて実用的だ。

　全体的に、これら3つの時計（特に記念限定モデル）は、前作よりも成熟していると思う。3つのダイヤルにはそれぞれ放射状のパターンが施されており、ダイヤルデザインの面白さを追求するブランドの姿勢が感じられる。また、どのカラーバリエーションもうるさく感じられない。ブラックとレッドのダイヤルバリエーションは、見慣れたGMTカラーの美学（“コーク”GMTを思い浮かべて欲しい）を連想させ、ブルーのバリエーションは、ブルーのダイヤルとブルーのGMT針/ベゼルの組み合わせでバランスをとっている。記念限定モデルは、ゴールドとブラックの組み合わせで、最も重厚感を感じさせる。歴史を祝うのなら、ゴールドが良いだろう。

 “いや、ゴールドではないだろう”と思うかもしれない。それはその通りなのだが、正確ではない。新コレクションの3つのモデルはどれも同じだが、記念限定モデルにはいくつか装飾が施されており、限定のより高価な価格帯にふさわしいものとなっている。時計を裏返すと、18Kイエローゴールドのグランドセイコーエンブレムとシリアルナンバーが刻印されたケースバックが姿を現す。また、2021年にちなんで、2021本の限定生産である点に注目して欲しい。

　3つのモデルには、旧モデルと同じ3リンクのブラッシュドSSブレスレットが装着されている。そして、3つのモデルは共に6月10日発売予定だ。

グランドセイコー　スポーツコレクション クオーツGMT。SBGN019（レッド）、SBGN021（ブルー）、SBGN023（ゴールド）：ケース40mm×13.1mm。サファイアクリスタル風防。セラミックベゼル。ねじ込み式リューズ。200m/20気圧の防水性。ムーブメントはGS製クォーツCal.9F86、精度は年差±10秒。SS製ブレスレット。価格：50万6000円（SBGN019, SBGN021）、60万5000円（SBGN023）。詳細はグランドセイコー Sport Collection クオーツGMT セイコー創業140周年記念限定モデル 特設ページまで。