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Hands-On パネライ ルミノール ベース ロゴ 3デイズ

最もベーシックなパネライに自社製ムーブメントが搭載された。

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 2018年のSIHHに登場したいくつか新作では、斬新な売れ筋となる市販製品やお買い得感のある製品が紹介されたが、これは言うまでもなく、最近この業界に欠けていた不可欠な要素だ。おそらくパネライほど、時計愛好家にこうした和解の手を明確に差し伸べたところは他にはなかった。今日我々がハンズオンする時計、アップデートされたルミノール ベース ロゴは、イタリアにルーツを持つスイスの時計メーカーからリリースされた2つのうちの1つである。(もう1つは、38mmのルミノール ドゥエで、パネライ史上最小の時計である)
 またルミノール ベース ロゴは、パネライを退任したCEOであるアンジェロ・ボナーティ(Angelo Bonati)の白鳥の歌でもある。彼は、イタリアの軍事サプライヤーのパワフルなデザインを活用し、1990年代後半から2000年代初頭の主要な時計製造会社の1つを築き上げた。私は、ボナーティがパネライでの生涯を、彼の会社での初期の頃を象徴する時計で終わらせるのはまさにふさわしいことだと感じた。 

 HODINKEEの読者が明らかに小さな時計を好む傾向があるとしても、この44mm ルミノール ケースは読者のほとんどにとって馴染みがあるものだと思う。44 mm ルミノールのデザインは、大きめの手首に着けても、実にクラシックな時計デザインの1つである。そして、パネライのデザインは実際にはっきりと賛否が分かれる傾向があり(本当に好きか、全く嫌いかのどちらか)、これこそが、この会社がモダンブランドたりえた基となったものである。ケースは大きく、丸いベゼルを囲む厚手のクッションが付いている。ケースの右側には、トレードマークのリューズガードがあり、開閉してリューズをポジション間で移動できる。これは、特大のケースや発光性のサンドイッチダイヤルと共に、パネライといえばこれだと連想させるものとなっている。

パネライのトレードマークであるリューズガードは、ルミノールシリーズの象徴的なデザイン要素である。

 パネライは、同社のヌーシャテル マニュファクチュールで製造された新しい自社製キャリバーP.6000の導入により、エントリーレベルの44mmスポーツウォッチであるルミノール ベース ロゴに、マニファクチュールムーブメントを搭載し、かつてこのコレクションで広く使用されていたETA ユニタスをベースとしたキャリバーの使用に終止符を打った。1度の巻き上げで3日間動くCal.P.6000は、ムーブメントのほぼ完全な垂直統合製造に向けたパネライの戦略における最後のピースである。(今後のこの新たなルールの例外には、ミネルバ製のムーブメントなどパネライ以外のグループ内で自社生産されたムーブメントが含まれるが、これは歴史的な理由から引き続き使用されるものである) 

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 パネライの以前のベース ロゴ シリーズはOP 1キャリバーを採用していたが、これは実際にはETA 6497-1手巻きキャリバーを、Cal.6497の標準的な1万8000振動/時よりも速いレートである2万1600振動/時に改造したものであった。新しいP.6000は、手動巻きムーブメントで、3日間のパワーリザーブ機能を持つ。つまりこの新しい時計は、自動巻きでないとはいえ、日常的に着けることができるかなり実用的なものであるということである。Cal. P.6000にはハック機能も搭載されており、時間を秒単位で合わせることが可能だ。これは、あなたを含む多くのユーザーが、携帯電話の時間と比較してレートをテストするために試してみたいのではないだろうか。この時計には秒表示はないが、ムーブメントは秒表示の付いたモデルを予想して開発されたようである。

手巻きP.6000ムーブメントは、パネライの自社製。かつてパネライで広く使用されていたETA ユニタス製ムーブメントに取って代わるものだ。裏蓋は閉じられているので、ムーブメントを見ることはできない。

 これは新しい自社製ムーブメントであるが、ルミノール ベース ロゴ 3 デイズの裏蓋はクローズドなのに注目したい。下の写真で分かるように、12角形の裏蓋には、「OFFICINE PANERAI FIRENZE 1860」の刻印と、パネライのロゴ、さらにこの時計の100m防水性能の表示が刻まれている。

ルミノール ベース ロゴの裏蓋。

日中に見たブラックダイヤルの様子。

日中に見たホワイトダイヤルの様子。

 ルミノール ベース ロゴには、2つのダイヤルスタイルがある。夜光のついた針と数字、インデックスを備えたブラックダイヤルバージョン;そして夜光のついた針、非発光性のアラビア数字、ダイヤルの周囲に発光性マーカーを備えたホワイトバージョンである。
 ご覧のとおり、ケースと搭載するムーブメントが全く同じであるにもかかわらず、この2つの時計は見た目が全く異なる。パネライシリーズのベースモデルであるこの時計はサンドイッチダイヤルではなく、発光性のインデックスがダイヤルに描かれている。私の同僚は、パネライの他の象徴的な特徴であるサンドイッチダイヤルを追加することで、ルミノール ベース ロゴをアップグレードできると本当にいいと言っていた。私も彼と同じ意見だと言わざるを得ない。もし私がパネライを購入するとしたら、まず第一に、人の目を引き付けるようなものであり、デザインオブジェクトとなるすべてのデザイン要素を兼ね備えたものが欲しい。

ブラックダイヤルバージョンの夜光ショット。

ホワイトダイヤルバージョンの夜光ショット。

 上流階級に特化したショーであるSIHHで見た主なトレンドの一つは、多くのブランドたちが、入手しやすい価格帯に戻ることである。したがって、本機のアップグレードされた3日間のパワーリザーブを持つ自社製ムーブメントを使用しても、ルミノール ベース ロゴの価格は、各ダイヤルとも同じ55万円(税抜)であるというのは嬉しい。おそらく、SIHHでデビューしたすべての新しい時計の中で最高のお買い得品だと私は思う。

 SIHHからニューヨークに戻ったとき、バーゼルワールドに出展している別の時計メーカーのCEOから、ジュネーブで見た中で一番印象に残ったのは何かと聞かれた。私が、パネライが自社製ムーブメントを搭載した60万円未満のエントリーレベルの時計を出していることを伝えると、彼は本当に驚いたようで、多分ちょっとショックを受けたようでもあった。バーゼルが数週間後に迫っていたが、私はこうした高品質な時計が入手しやすい価格設定で提供されること願った。これはすなわち、2018年は本物の価値が高級時計作りに戻った年になる可能性があるということである。

詳細についてはパネライ公式サイトへ。