trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Introducing パテック フィリップ 5236P-010 インライン永久カレンダーにサーモンダイヤル登場

新しい文字盤を備えたパテック フィリップらしいこの時計は、古くからのパテック愛好家にとって、まさにうってつけのモデルである。

 パテック フィリップの現行カタログのなかには、率直に言って、そこに属するとは思えない時計がある。プラチナケースのインライン永久カレンダーRef.5236Pである。5236Pは2021年にブルーの文字盤で発表されており、時計自体は新しいものではないが、カタログのなかで最も興味深く、最もパテック フィリップらしい時計のひとつであることに変わりはない。

5236Pは、パテック フィリップの偉大な永久カレンダーの歴史を現代に応用したものである。

 さて、説明しよう。パテック フィリップは、複雑機構、ケースデザイン、仕上げ、そしてエレガンスにおいて、間違いなく比類なき歴史を持っている。2499や2526のような時計を振り返ってみると、文句のつけようがひとつもない。同じことは、5970、5074、3974、5004、5078、3940、3970のあるシリーズ、そしてパテックの歴史的なカタログに掲載されている多くの時計についても言えると思う。現在において生産されている時計のなかには、上記のリファレンスとはまったくかけ離れたものがあるのだが、5236Pは違う。私にとって、これは純粋なパテックである。パテック フィリップは1925年に初の永久カレンダー腕時計を製造しただけでなく、1972年には1970年代初頭にポケットウォッチ用のインライン永久カレンダー機構を製造したことを理解しなければならない。

 2021年にパテックはCal.31-260 PS QLを発表した。このキャリバーは、年次カレンダー・レギュレーター 5235Gのアーキテクチャの一部を取り入れ、世界初のインライン永久カレンダーウォッチRef.5236P(当時はブルーのグラデーション文字盤)を製作するために再設計された。

Cal.31-260 PS QLは3つの特許を取得。

個人的に外観はパテックのムーブメントらしく感じる。

 31-260 PS QLに見られるのは、伝統的なフルブリッジ構造、プラチナ製マイクロローター(レギュレーターは22Kゴールド製)、503個もの部品(ベースキャリバー205、パーペチュアルカレンダー298)を搭載しながら、5.3mmという薄さである。もちろん、この時計の興味深い部分は、曜日、月、日をすべて同じ平面上に直線的に表示し、同時に変化(またはジャンプ)させるインライン表示だ。ツァイトヴェルクのファンなら誰でも知っているように、ジャンプするディスクを駆動させるには途方もないエネルギーが必要である。ツァイトヴェルクは毎分ジャンプし、本機は1日に1回しかジャンプしないが、パテックは永久カレンダーであり、またランゲよりもかなり薄い。

 このキャリバーは実に素晴らしいもので、ディスクがジャンプする際の摩擦を軽減するシステム、二重ジャンプの危険性を排除し、ディスクを所定の位置に固定するアンチショックシステム、そして主にある月の31日から翌月の1日までのジャンプに焦点を当てた3つ目のシステムなど、その名の下に3つの新しい特許が申請されている。これらのことから言えるのは、5236Pには本物の時計製造技術が秘められているということだ。その上、このキャリバーは単純に美しく、パテックはいまでも私のようなド素人を喜ばせる高い能力を持っていると思わせてくれる。

プラチナケース、サーモンダイヤル、インライン表示式、自動巻き永久カレンダー? はい、ぜひお願いします。

 5236Pは、私のお気に入りの時計のひとつである3448/3450からケースのプロファイルを拝借している。プラチナケースはすべて手作業でポリッシュされており、上の画像でその輝きを見ることができる。有名な3448は、ケースバンドにサテン仕上げが施されているため、鏡面仕上げが施されているかどうかは一目瞭然である。結局のところ、5236Pのデザインは非常に魅力的なものであり、この新しいローズゴールドめっきのオパーリン文字盤(サーモンダイヤル)の登場によって、その魅力は新たな領域へと昇華するはずである。

 リファレンスはRef.5236P-010であり、Ref.5236P-001(同じ時計でブルーダイヤル仕様)と入れ替わるのではなく、カタログ上でRef.5236P-001に加わる。小売価格は14万1405ドル(日本での価格は税込2239万円)で、パテックの他のグランドコンプリケーションと同様、数量は非常に限られている。どの程度限定されるのか? そして、このRef.5236Pのような、最先端のイノベーション(3つの特許)と歴史的で力強い過去へのオマージュ(過去のケースと文字盤デザインのインライン永久カレンダー)を融合させた時計が、アクアノートやノーチラスを通して新たにパテック フィリップのファンになった人たちの愛と尊敬を得始めることを、私は望んでいる。私にとって、Ref.5236Pは真のパテックであり、言い換えれば本当に美しいものなのである。

 詳細はパテック フィリップ公式サイトへ。