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ノーチラスにおける最高落札額が新たに更新された。話題の主役となるのは、今回もステンレススティール(SS)製のモデルである。フィリップスにより実施されたオークションでは激しい競り合いの末、特別な彫刻が施されたRef.5711/1500Aがティファニーブルーのノーチラス初号機の記録を上回る670万スイスフラン(約765万ドル、日本円で約11億6300万円)で落札された。あまりの高値に驚いたかもしれないが、安心して欲しい。この時計には同じく特製のカフリンクスもセットになっている。
この時計はパテック フィリップから寄贈された特別な手彫りの一点物で、収益はチルドレン・アクションというチャリティ団体に寄付された。この団体は1994年にスイスの実業家ベルナール・サブリエ(Bernard Sabrier)氏によって設立され、世界中の貧困に苦しむ子供たちを支援する活動を行っている。この隔年開催のイベントでは、これまでにも希少な時計が出品されてきた。例えば2022年にはパテック フィリップのRef.5270T-010(チタンケースを採用した永久カレンダー クロノグラフで、現代のパテックのなかで最も高額な金属製モデルとなった)が出品され、鮮やかなグリーンダイヤルのその時計は970万スイスフラン(当時のレートで約13億3800万円)で落札された。少なくともSS製のスポーツウォッチがパテックの最高峰コンプリケーションを凌ぐことはないという道理がここには存在している。しかし話が逸れた。これを見て欲しい――ただただ圧巻だ。
そしてやはり注目すべきはノーチラスだ。いや、かつてのノーチラスと言うべきか。ティファニー文字盤とティファニーの署名が入った、Ref.5711Aのことを覚えているだろう。名作との“別れ”を象徴するモデル(実際には最後のモデルとはならなかったが)であり、ザック・ルー(Zach Lu)氏がフィリップスで620万ドル(当時のレートで7億1300万円)で落札したものだ。
その時計については少々逸話がある。最初の“落札者”が支払いを行わず、結局ルー氏が大枚を叩いて手に入れることになったのだ。いずれにせよ2021年から2022年にかけて、この時計は歴史にその名を刻んできたわけだ。もしかするとルー氏が今回のRef.5711/1500Aも落札したのかもしれないが(現場で彼が確認されたかは不明である)、ティファニーブルーのノーチラスはもはや最高額の記録保持者ではなくなった。今回のモデルがパテック フィリップによるノーチラスに向けた最後の“白鳥の歌”(編注:ある人物やものが最後に成した偉業、もしくは最後を飾る作品)になるかは誰にもわからないが、前回の記録を100万ドル以上も上回る価格での落札は決して見過ごすべきではない。そしてこの“マオリ風”のデザインを取り入れた史上最も価値のある時計のひとつが、チャリティのためにこれだけの資金を集めたことは特筆すべき成果である。
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