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Introducing ゼニス クロノマスター オープン エル・プリメロ3600 大刷新を果たした定番機

2000年代半ばからのゼニス製クロノグラフのフラッグシップ機が、新たにコンマ1秒の計測能力を引っ提げて再登場。

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我々が知っていること

ゼニスは過去数年間、メインコレクションの合理化にかなりの時間を費やし、各モデルが異なる顧客層にそれぞれの価値を提供することに腐心してきた。その結果、デファイは最先端の高振動ムーブメントを搭載した超モダンデザインを追求する一方で、フラッグシップ機のクロノマスターはゼニスのクロノグラフカテゴリーに特化したラインとなった。

 過去16ヵ月間にわたり、1969年にデビューした初代エル・プリメロ Cal.400のアップデート版であるエル・プリメロ Cal.3600を中心に、クロノマスターシリーズの全面的なリニューアルが行われ、3万6000振動(5Hz)というエル・プリメロの優れた振動数を最大限に活かし、10分の1秒までの計測が可能となった。クロノマスター スポーツはデビュー以来、商業的に大成功を収め、スティール製モデルは現在世界中で予約待ちの状況だ。クロノマスター・リバイバルは、旧型のエル・プリメロ400を依然として採用しているにもかかわらず、現在でも愛好家のあいだで人気を博している(おそらく本物志向の顧客に刺さるからだろう)。

A soldier image of the Zenith Chronomaster Open with a silver dial

2022年新発売のゼニス クロノマスター オープン。

 そして今、新型クロノマスターシリーズの最終章が、Watches &Wonders 2022で放たれる。本日ジュネーブで発表されたゼニス クロノマスター オープンは、脱進機を“オープンハート”として露出させた2000年代半ばのフラッグシップモデルで、ケースとダイヤルのデザインを一新し、Cal.3600を搭載して大幅にリニューアルされたモデルだ。従来の直径42mmケースは生産終了となり新シリーズのクロノマスター オープンに一本化。手始めに3種類(ステンレススティール製ケースはシルバーまたはブラックダイヤルの2種類、ローズゴールド製ケースはシルバーダイヤルの1種類のみ)のラインナップで展開される。

A soldier image of the Zenith Chronomaster Open with a black dial
A soldier image of the Zenith Chronomaster Open in rose goldwith a silver dial

 ゼニス クロノマスター オープンは、直径39.5mm×厚み13.1mm、ラグからラグまでの縦幅は45.2mmの新型ケースを採用しており、オリジナルモデルよりもさらに小型化された。リューズ、プッシャー、ミドルケース、ラグの組み合わせなど、全体的にクロノマスター スポーツに近いデザインだが、セラミックベゼルがないため視覚や触った感じの重厚感は抑えられている。

 ダイヤルは16点の部品から構成され、以前のバージョンと比較して大幅に刷新されている。ダイヤルにはヘサライト(アクリル)製の開口部が設けられ、テンプ、シリコン製ガンギ車、4番車(秒針が取り付けられた歯車)を含む脱進機全体が眺められるようになっている。Cal.3600は、主に脱進機のスケルトン加工により、テンプの運動を露出させ、エル・プリメロが刻む毎秒の10振動をリアルタイムで常時見せるためにわずかに改良されたため、エル・プリメロ Cal.3604と命名された。また、Cal.3600のカレンダー無しバージョンが提供されるのは、今回が初となる。

An exploded view of the Zenith Chronomaster Open construction

 先代クロノマスター オープンのエル・プリメロムーブメントに施されたペラルージュ仕上げとは対照的に、Cal.3604の前面のブリッジと受けには、レーザー彫刻による同心円状の立体的なアズラージュ仕上げが施され、グレーとブルーのサブダイヤル(もちろん、オリジナルのエル・プリメロA386の3色サブダイヤルをお手本にしている)の仕上げと相まって、経過時間と分表示をより鮮明に演出する。また、ゼニスはダイヤル開口部にフレームを用いるのを避け、ダイヤルを乱さないように面取りを施している。

A black dial used in the Zenith Chronomaster Open series

 クロノマスター オープンシリーズは、2001年から2009年までゼニスを率いたティエリー・ナタフCEOの手により2003年に発表されて以来、ゼニスで継続的に生産されているシリーズである。残念ながらナタフ氏の決断は時の試練に耐えるものではなかったものの、クロノマスター オープンは過去20年間、ゼニスがターゲットとする市場の多くで、商業的に大きな、そして驚くほど地道な成果を挙げてきた。2004年のジュネーブ時計グランプリ(GPHG)では、“グランド クロノマスター オープン エル・プリメロ”がメンズウォッチ賞を受賞し、パテック フィリップの“ゴンドーロ・カレンダリオ Ref.5135G”と同時受賞するという快挙を成し遂げた。

 クロノマスター オープンは、多くの点で親しみやすいモデルだが、昨年のクロノマスター スポーツとクロノマスター オリジナルの成功によって確立されたこのコレクション全体の美観を踏襲しつつも、より洗練された。ダイヤルはよりシンプルになり、ケースは手首のサイズや性別に関係なく着用できるようになり、ムーブメントはゼニスの実力をより反映したものとなっている。

 全体として、新型クロノマスター オープンは、ゼニスが2000年代最大のサクセスストーリーに、2020年代の新鮮なデザイン言語をうまく取り入れたと言えるだろう。

我々が思うこと

今年のWatches & Wondersでは、クロノマスター オープンのアップデートは必ずしも予想していなかったが、ゼニスがクロノマスター コレクションの変身を完了し、Cal.3600をライン全体に拡張することは確かに理にかなっている。クロノマスター オープンは、ゼニスが前世代(現在はロレックスのトップであるジャン-フレデリック・デュフール氏がCEOを務めていた時代)のままでは、あまりにも変わり映えしない存在となってしまったことだろう。

A design sketch for the case of the Zenith Chronomaster Open.

 クロノマスター オープンはゼニスにおいて長いあいだ商業的成功を収めてきたが、私を含むより保守的な時計コレクターには決して好まれないモデルであった。テンプを露出させる“オープンハート”の流行は、ゼニス(とナタフ)がスイス時計産業におけるパイオニアとして貢献したものであり、それ自体注目に値するものだ。しかし、クロノマスター オープンが最初に市場に出て以来、数え切れないほどの模倣品が作られたため、陳腐化していることも事実である。

 クロノマスター オープンの成功から20年近くが経過し、テンプを露出させるという手法は、もはや時計にとって特別に目新しくも魅力的でもなくなってしまったのだ。しかし、私はゼニスがこのモデルで多くの人々を魅了することを期待している。ゼニスがエル・プリメロの心臓部を覗ける窓を開けるというアイデアに引かれた理由のひとつは、このムーブメントがハイビートであることをオーナーや顧客に視覚的に理解してもらうことだった。クロノマスター オープンの開口部は、エル・プリメロを所有するオーナーに、その時計の特別な魅力をより身近に感じてもらうためのツールに過ぎないのだ。

A pre-owned Zenith Chronomaster Open

先代のゼニス クロノマスター オープン。

A pre-owned Zenith Chronomaster Open

2022年モデルの新型クロノマスター オープンでは、露出したテンプ受けのペルラージュ装飾が、クロノグラフのインダイヤルに合わせた立体的なアズラージュ仕上げに刷新されている。

A pre-owned Zenith Chronomaster Open Rolling Stones Limited Edition.

これまでのクロノマスター オープンは、ローリングストーンズ(そう、あの伝説のロックバンドだ)とのパートナーシップで発表された上写真の時計など、ゼニスのコラボレーションのベースモデルとして頻繁に登場した実績を持つ。アンコールがあるかどうかは、待つしかなさそうだ。

 ゼニスの製品開発責任者兼ヘリテージディレクターであるロマン・マリエッタ氏は、過去15年間ゼニスに在籍し、クロノマスター オープンが様々な意見を集める傾向にあることを誰よりもよく理解している。

 “この時計は非常に注目される時計ですが、好き嫌いが分かれるでしょうね”と彼は言う。“ダイヤルに開口部があるだけで、ちょっと安っぽく見えるとか、トゥールビヨンのように見えるとかいう人もいますね。この時計の美的感覚と恋に落ちれば、その人はそのまま当社の新たな顧客となります:美的感覚は人それぞれまったく違うので、好き嫌いが分かれるのは当然でしょう。しかし、これはクロノグラフを司るモデルであり、ガンギ車が他のどのモデルよりも速く動くのを見ることができるハイビートムーブメントのマスターであるという、私たちのブランドメッセージと極めて合致しているのです”

 たとえ私がこの特定のスタイルの時計を好きになることができなくても、絶え間ないテンプの運動が誰かを引きつけ、永久にそこに留まらせるかもしれないことは理解できる。これは、ジャックが最近、あらゆる価格帯の時計にディスプレイケースバック(裏蓋にクリスタルを嵌め込み、ムーブメントを眺められる仕様)を採用するよう主張したのと同様のコンセプトだ。私たちの時計を機能させる素晴らしい機械仕掛けを隠す必要があるだろうか? 時計はとてもクールな存在なのだ。

 クロノマスター オープンでは、ゼニスの星型シリコン製ガンギ車を全面に打ち出している点が特に評価できる。この小さな歯車は以前にも何度か紹介したが、私はこれが大好きで、エル・プリメロを扱うときはいつもこの歯車を探してしまうほどだ。

 私の好みとは若干異なるものの、クロノマスター オープンがスマートかつ本格的にリフレッシュされ、20年近く途切れることなく続き、より多くの人々を引き寄せることができるようになったことを、素直に喜ばしく思う。

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基本情報

ブランド:ゼニス(Zenith)
モデル:クロノマスター オープン
リファレンス:03.3300.3604/21.M3300(ブラックダイヤル/スティールケース)、03.3300.3604/69.M3300(シルバーダイヤル/スティールケース)、18.3300.3604/69.C922(シルバーダイヤル/ローズゴールドケース)

直径:39.5mm
厚さ: 13.1mm
ケース素質:ステンレススティール、ローズゴールド
ダイヤルカラー:マットブラック、2種類のカラーサブダイヤルと半透明ポリマーサブダイヤル、マットシルバー、2種類のカラーサブダイヤルと半透明ポリマーサブダイヤル
インデックス::アプライド&ファセット
夜光塗料:C1スーパールミノバ
防水性能:100m
ストラップ/ブレスレット:SS製ブレスレット、ダブルフォールディングクラスプ、ブルーカーフ製ストラップ、ゴールドのトリプル・フォールディング・クラスプ


ムーブメント情報

キャリバー:エル・プリメロ3604
機能:10分の1秒計測クロノグラフ(中央のクロノグラフ針は10秒で1回転)、中央に時・分表示、9時位置にスモールセコンド、6時位置に60分積算計、3時位置に60秒計

パワーリザーブ:60時間
巻上げ方式:自動巻き
振動数:3万6000振動/時( 5 Hz)
石数:TK石
その他仕様の詳細:オープンハート、シリコン製ガンギ車とレバー、サテン仕上げの星型ローター、コラムホイール、ハック(秒針停止)機能


価格&発売時期

価格:10,000ドル(ステンレススティール製)、21,300ドル(ローズゴールド製)
発売日:全世界のゼニスブティックおよび正規販売店にて6〜7月に発売予定
限定の有無:N/A

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