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HODINKEE Shopで現在販売されているヴィンテージウォッチの全商品をご覧になりたい方は、こちらをクリック。
今週のヴィンテージウォッチ
シンプルであることは、誰にとっても決して損にはならない。ヴィンテージウォッチや時計の世界では一般的に、特に注目を集めるために複雑になる傾向がある。永久カレンダークロノグラフほど人の目を引こうとするものを見たことがあるだろうか? また、スプリットセコンドを搭載したものについては言うまでもない。「見てくれ!」という主役エネルギーで満ちている。うんざりするほどだ。
もしこれらのものがあなたの心に響くなら、我々はあなたのためのHODINKEE Vintage weekという企画を用意している。クロノグラフなし、GMT機能なし、ハッキングセコンドもほぼない時計が新たに4本加わった。ロレックスのデイトジャストやショーン(Sean)のロンジン ウルトラ-クロンなど、デイト機構を搭載した時計が複雑な部類に入る。機構は少ないが、その分、時間を伝えるというシンプルなタスクにクリーンなアプローチをしているのだ。リッチ(Rich)はハミルトンのフィールドウォッチを、サオリ・オオムラ(Saori Omura)はステンレススティールのロンジンを選んでいる。上のスライドショーでは、現在Shopで販売中のヴィンテージウォッチをご紹介。 または、この3本についての全容をこの記事で読んで欲しい。
1969年 ハミルトン GG-W-113 フィールドウォッチ
1967年6月6日、アメリカ政府はGG-W-113という名称で「腕時計」の連邦規格を発表した。「30秒の精度、15以上の石数、夜光文字板・針、スイープ秒針、秒針停止機構、ストラップを有する1種類の汎用腕時計」という、奇妙に具体的かつ曖昧な仕様が同時に示されたのである。汎用腕時計の一種でありながら、やがてGG-W-113型は現在のフィールドウォッチの標準となった。政府の申し出を受けたアメリカの企業は、ベンラス、マラソン、そしてもちろんハミルトンを含む数社であった。
私は概して小径の時計を支持しているが、GG-W-113プラットフォームは私の主張を裏付けるものだ。1967年、アメリカでは連邦政府によって文字盤の直径が1.12インチ(約28.5mm)であることが求められ、その結果、このハミルトンのように34.5mm前後の「小さな」ケース直径が予測されるサイズとなっていった。私はこのサイズのポールルーターを持っていて、少なくとも週3回は時計ボックスから取り出している。私にとっては、シンプルな時計としてちょうどよいサイズであり、米国政府もこれに同意してくれている。いいことだ。
このハミルトンのモデルは、ブランドロゴが一切ない「ステライル」ダイヤルが特徴で、ミリタリーウォッチの起源に重きを置いているところが気に入っている。特にケースバックを見ると、GG-W-113が発表された数年後、1960年代のものだとわかる。ブランド名を知りたいなら、ハミルトンのフィールドウォッチには、「カーキ」(ハミルトンのモデル名)のほか、L.L.ビーンやオービスとの共同ブランド文字盤(まさにコラボレーション)など、いくつかのブランドネームが存在している。HODINKEE Shopでは、この本物のヴィンテージモデルをこちらでご覧いただける。
1970年代 ロンジン ウルトラ-クロン オートマティック 14Kイエローゴールド
私が最初に新しい時計よりヴィンテージウォッチに魅せられた理由のひとつは、昔も今も、多くの価値を見いだせることだ。ここ数年、多くの腕時計の価格が上昇しているが、何世紀にもわたる腕時計の歴史は、"知られざる "モデルを数多く提供してくれている。奇妙なことに、これらの腕時計は、当初はもっと価値のあるものであった。例えば、20世紀の大半、多くの人にとってゴールドのリストウォッチがリストウェアの最高峰とされていた。しかし、70年代以降になると時代のテイストは変わり、ゴールドの腕時計はスティール製の腕時計の値段に少し足すだけで(まれにより安い値段で)購入できるようになった。Shopでは、そのような時計を2本ご紹介している。
1本目は、ロンジンの超ファンキーなウルトラ-クロンだ。この名高いメーカーにハイビートをもたらした60年代後半のソリッドゴールドのモデルだ。この時計には、14Kトノーケースに収められた貴金属製であるという事実以上のバリューがある。高級時計にさらなる高みを求める人々のために、高いビートレートと高精度を提供するヴィンテージのウルトラ-クロンムーブメントを搭載しているのだ。ウルトラ-クロンをチェックしたい方はこちらから。
2本目は、同様にソリッドゴールドのサーチナで、驚くほどよい状態でマッチしたバックルもついている。この時計は少し控えめなスタイルだが、サテン仕上げの文字盤とケースバックのエングレービングでそれを補っている。もしこの時計を購入することになったら、裏蓋の刻印(スウェーデン語で「FÖR NIT OCH REDLIGHET I RIKETS TJÄNST」、つまり「王国への奉仕における熱意と誠実さに対して」)を調査し、何本納められたのか、どんなことをすればこの賞を受賞できたのか、などを調べていくのはとても楽しいプロジェクトになると思う。
1960年代 ロンジン タイムオンリーモデル Ref. 2453
私は最近、シンプルであることにますます魅力を感じるようになった。ヴィンテージからモダンまで、細心の注意と専門知識で作られた美しいコンプリケーションピースは、世の中にたくさんある。しかし今、それらのどれもが私に語りかけてくることはない。もっとシンプルで落ち着きのある時計を探しているのだ。そして、このロンジンのタイムオンリーだけが、私が時計に求めている感覚にぴったりだ。魅力的で、変わったディテールも十分にあり、私の興味を引きつけてやまない。
ロンジンについて書くとき、そしてその豊かな歴史について考えるとき、私はいつも1832年の創業以来、ロンジンが生み出してきた時計のデザインの多さに驚かされる。その秘訣は、常に世のなかの需要に柔軟に対応するビジネスセンスと、世代を超えて愛され続けるデザインを両立させてきたことにある。彼らのデザインが長く愛されていることは、ベン・クライマーのヴィンテージモデルをベースにしたヘリテージ 1945をはじめ、現代的な再解釈を施した復刻モデルが大きな成功を収めていることを見ればわかる。
現在でもそのヴィンテージ品の多くはリーズナブルな価格で購入することができる。そのため、ロンジンのヴィンテージは私たちのキュレーションの中心的存在であり、長年にわたってファンを魅了し続けている。今回ご紹介するのは約34mmで、現在の基準からすると小さすぎると思う人もいるかもしれない。しかし、ひとたび腕につければ、その印象は一変する。ディテールにもこだわり、ほかとは一線を画している。まず、最も目を引くのは、オフホワイトのワッフルテクスチャーで立体感を演出しているところ。そして、この時計で私が気に入っているのは、アプライドインデックスとピラミッド型の楽しいマーカーだ。理にかなっているようでいて、どこか違和感がある。この時計には、私には理解しがたい、何か温かみのある魅力がある。工場直送の冷たい感じではなく、「ハンドメイド」のオーラがまだ残っているのだ。スペックやコンプリケーションのように、すべてが計測可能ではない。そこには数値化できない魅力があるのだ。
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