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Found エンツォ・フェラーリがかつて所有していた壁掛け時計

これは、“イル・コメンダトーレ(エンツォ・フェラーリ)”の机の後ろに掛けられていた時計にまつわる話である。

本稿は2017年12月に執筆された本国版の翻訳です。

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これはなかなかお目にかかれない代物だ。スクーデリア・フェラーリとフェラーリ・オートモビルズの創設者である、エンツォ・フェラーリ(Enzo Ferrari)がかつて所有していたクロックである。下の写真にあるように、この時計はイル・コメンダトーレ(指揮官の意味。イタリア共和国功労勲章の勲三等と同じ名前で、同賞を受賞したエンツォ・フェラーリもそのように呼ばれるようになった)の机の後ろに掛けられていて、名だたるドライバーたちとのミーティングのあいだもずっと時を刻んでいた。

 この商品を販売しているカナダにあるCollector Studioのモリー・バーマック(Morry Barmak)氏によると、この時計が初めて市場に出たのはモデナのチャリティーオークションに出品されたときだという。エンツォ・フェラーリは、この時計をモデナに新しく建設された工場の事務所に移す前は自宅の事務所に置いていた。Collector Studioのサイトによると、このクロックにはオークションに出品される以前に手にしていた男性からの手紙が添えられているという。

 ちなみにこのクロックは、特に興味深い時計学的な観点や外観、希少性からではなく、主にその出自から価値が派生したアイテムのひとつである。わざわざゼンマイを巻き上げる必要がなく、メンテナンスのために誰かを事務所に入れる必要がないという点から、エンツォ・フェラーリはバルマック氏が1930年代もしくは40年代のものと推定するこの電池式ドイツ製時計を好んで愛用していたと伝えられている。

 上の写真でおわかりのように、内部の電動ムーブメントにはドイツのディール社製と記されている。つまり、内部のムーブメントはディール社が時計ビジネスに参入した1945年以降に製造されたものである可能性が高い。

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 メカニズム自体も興味深い。機械式と電気式のハイブリッドで、バッテリーが巻き上げ装置を動かしている。テンプはモーターケースの下に隠れて見えない。このムーブメントは製造時から時計に組み込まれていた可能性もあるが、後になって追加された可能性もある。いずれにせよ、ダイヤルを飾るLarinの名前に関する情報はネット上にあまり見当たらないようだ。

 しかし、ディールの電池式ムーブメントがどのように機能するのかを説明するかなり興味深いYouTube動画を発見した。7分あたりまで飛ばすと、巻き上げ機能がどのように動作するかがわかる。バルマック氏によれば、エンツォのLarinクロックに搭載されているものはまだ機能しているという(執筆当時)。

詳しくはCollector Studioの販売リストをチェックして欲しい。