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November 25, 2020
November 25, 2020
Hands-On セイコー プロスペックス ストリートシリーズ SBEQ007 ソーラーダイバー

Hands-On セイコー プロスペックス ストリートシリーズ SBEQ007 ソーラーダイバー

自分だけのアクションヒーローになれ。

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告白しておこう。 私はプレデターを見たことがない。コマンドーも。  男らしくない、共産主義者と呼んでもらって結構だが 、1980年代にはアクション映画をあまり観ていなかっただけの話で、それが公開された当時は血気盛んなアメリカ人ティーンエイジャーだったが、見たいと思ったことがなかったのだ。当時は、ジャングルや砂漠、北極や海中の冒険についての読書が楽しかったし、友達と一緒に森に行って「自分たちの冒険」を実践したりしていた。そんな時、私はいつも大きな時計が欲しかった。雑誌やテレビに出てくるかっこいい探検家たちは、みんな大きな時計を身に着けていた。それは大冒険のシンボルであり、冒険心と未開への対応能力の象徴だった。ただの菱形の時計をしていれば良いわけではなかった。それらは、大体が大きなダイバーズウォッチで、セイコー、シチズン、そして変わったロレックスなどだった。ボタンやサブダイヤルと鋸歯状のベゼルがあって、とにかく輝いて見えた。高校時代には、お金を貯めてペプシベゼルのセイコーのダイバーズウォッチを買うことができた。親友はアナログデジタルのシチズン アクアランドを持っていた。これらの時計を着けるとアクションヒーローになれたような気がしたものだ。

この記事を書くにあたって、どの時計も無事だったことを記しておく。

 新しいセイコー プロスペックス SBEQ007 ソーラーダイバーウォッチの紹介記事というと、ヘリコプターに乗ったオーストリア訛りのコマンド部隊でも想像するかもしれない。しかし、映画に詳しくない私があえて言うなら、ここでは "ヘリコプターに行け! "という「プレデター」の名セリフは関係ない。とにかく、このゴツゴツしたセイコーの時計を語るのに、ロケットも大蛇も必要ない。今年の初め、オリーブとカーキのカラーリングで "アーバンサファリ"と呼ばれたプロスペックスのアナログデジタルダイバー「ストリートシリーズ」のペアが発表されたときですら、私は迷わずこのカーキをまとったSBEQ007の方を購入したほどだ。私の中の10代の記憶がきっとそうさせたのだろう。

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 1980 年代の大作アクション映画を観ていない 他の7名の方のために説明すると、セイコーが 1982 年に発表した H558 ダイバーズは、先の映画でアーノルド・シュワルツェネッガーがはめていたことで有名になり、それに続くセイコーのアナログ・デジタルダイバーズウオッチのコレクションにも影響を与えた。しかし、この時計そのものの価値が映画人気に隠れてしまっているようだ。H558は、世界初のアナログ・デジタル・アラーム・クロノグラフである。このモデルがきっかけとなって、シチズンの「プロマスター アクアランド」や「アルティクロン」、数年後に発売された「ブライトリング エアロスペース」などのアイコンが次々と生み出され、まさに1980年代という豊饒な時代の幕開けとなった。

セイコーの「ツナ缶」ダイバーズウォッチの多くがそうであるように、47.8mmのSBEQ007は、ほぼ完璧なラウンド形プロポーションのおかげで、実際には見かけよりコンパクトな装着感だ(参考までに手首のサイズは7.5インチ)。

 アナログの読みやすさとデジタル表示の充実した機能性を、150m防水(当時)の外胴ダイバーズウォッチケースに収めたこの時計は、最新の機能を備えていた。当時、あらゆる冒険にこれ以上のものはなかったと言え、これに比べると機械式時計は時代遅れで壊れやすいものだった。G-SHOCKは1年あとの発売だったし、スント・ベクターもフィンランド人のエンジニア達の目にはまだ留まっていなかった。H558のアラームは朝早くに山頂を目指すあなたの目覚しになり、そのクロノグラフはスキー場の頂上から滑り降りるタイムを計り、回転ベゼルは午後のダイビングの時間を計測する。セイコーH558は、実際にエベレストの頂上で使用され、80年代の終わりまでに南極・北極の遠征にも使われた時計なのだ。

 このような輝かしい歴史があるにも関わらず、高級機械式や最先端のコネクテッドウォッチが好まれる時代に、セイコーがアナログデジタル時計の新作を発表することは、驚くべきことであり、確かに時代錯誤的でもある。2019年のバーゼルワールドでは、同社は忠実に涼しげなSBEQ005を発表し、その後、ブラックケースのバージョンとペプシベゼルの "PADI "バージョンが続いた。そして、この春、2つの "サファリ "色のエディション、オリーブ褐色のSBEQ009と、このレビューで取り上げたカーキ色のSBEQ007が登場した。

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 これらの新作のために、セイコーは古いH558のアナログ・デジタルモジュールを引っ張り出してきただけではない。内部の巧妙な小さなモーターは、 ソーラーチャージ対応のCal.H851になり、スリープ機能が付いたうえアナログとデジタルの時刻設定の同期や、バックライトも向上している 。アクティビティの追跡機能や、Bluetooth接続、衛星計時などの機能はまだ搭載されていない。しかし、それらの機能がついていたとしても、おそらく私にとって購入の決め手にはならない。 それは単にこの時計の売りではないのだ。 従来の機能に加え、SBEQ007は 水深200mにまで防水性を伸ばし、カーキ色の、より柔軟なシリコンストラップになった。
 ストラップは、セイコーが先駆けて開発したクラシックなフラットベント形状を維持しており、ネオプレン素材のダイビングスーツの袖の収縮を可能にし、また筋骨逞しい手首や、必要によっては大腿動脈の止血帯に十分な長さである。

ひょっとしたらダイバーズ史上初のカーキ色ストラップかも?

 ほとんどの時計のレビューは、装着性、精度、機能、仕上げなどに重点を置いている。しかし、この時計については、身に着けているときどういう気分にさせてくれるかを書きたいと思う。まず、箱から出してすぐに、リューズを回してボタンを押すだけでアナログ針とデジタルの時間を同期させることができる。私は義理の両親のいるスリランカに、第二のタイムゾーンを設定し(30分オフセットで、ご参考まで)、トップボタンの長押しで電池残量をチェックして出かける。そして、それだけではないにせよ、それこそがこの時計の最大の良さである。恐らくそれはセレンゲティ(タンザニアの広大な平原)の配色、または頑丈なケースに所以するかもしれないが、SBEQ007は規模を問わずさまざまなアウトドアアドベンチャーに着けて行きたくなる時計だ。

何よりもまず、これがセイコーのダイバーズウォッチだということをお忘れなく。

 最高のギアとは、それに対して注意や特別な配慮を必要とせず、今自分のやっていることに集中させてくれるもののことだ。時計を気にしていると、躊躇したり動きが誤ったり、自然な行動がとれなくなってしまう。 圧力計、深度、つかむ場所、足の配置などを確認するのを忘れてしまい、気付かないうちに減圧症になったり、鎖骨を折ったり、あるいは単にアクティビティをあまり楽しめなくなったりする。 

  この時計はそのような心配が無用である。本機が優れているのは、身に着けている間、何でもできるということだ。ご承知のように、多くのものは退屈で面白みがない。 この新しいサファリトーンのセイコーは、ダイナミックでカラフル、そして楽しい。ソーラー充電でき、気軽にはめて外へ行けるうえに、6万5000円(税抜)という価格もうれしい。

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 購入して1週間以内に、私はSBEQ007を装着してカヤック、サイクリング、キャンプ、スキューバダイビングに出かけたし、庭仕事もした。言うまでもなく、機械式時計だったら悲鳴を上げていただろう。夜、テントの中で、難破した帆船の船底で、手元は当然のようにセイコーだった。ダイビングのチャーターツアーに遅れないよう、キャンプ場の目覚ましにもこのアラームを使った。庭の低木を移植したり、クロウメモドキを切ったりして、泥まみれになってもこの時計は平気だった。あえて酷使したいわけではないが、着けていて楽しいこの時計を甘やかさなくて済むのは嬉しいことだ。私はG-SHOCK派ではないし、私にとってガーミンは主に屋外アクティビティ用だったので、このセイコーは立派な代替品であり、また、長い間放っておけるのも良いと思っている。何日か日に当たって充電されてさえいれば、次の荒っぽい用事に使うときも正確に動いてくれる。

真っ暗闇で保管していても、フル充電されていれば6ヵ月間のパワーリザーブがある。

 しかし、SBEQ007は単に楽しい時計ではない。セイコーは「ストリートシリーズ」の一環として、オリジナルや復刻版の黒塗りされたコマンドーのような雰囲気とは別に、この時計に都会的なスタイルをもたそうとしていたようだ。ダイバーズウォッチの典型的なコードや航海色を超越した均整の取れた色使いの融合が見られる。タン色のナイロンやキャンバスのストラップは以前からあったが、ラバー製のストラップにカーキ色が使われているのを見たことはなかった。バックル、キーパー、ラップアラウンドケースの外胴のダークグレー、つまりほぼガンメタルのような色ともよくマッチしている。ブラシ仕上げの長方形の針は、2019年モデルの「ダイブスタイル」の針とは一線を画している。また、秒針とプッシャーに施されたわずかなオレンジ色が、全体の色合いを無味乾燥になりすぎないようにしている。

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 プッシャーに関して言えば、この時計のものは大きくて触れて探しやすく、はめたままでも操作しやすい。 ケースに対してしっかりとねじ込んでプッシャーをロックアウトする代わりに、カラーは外側に回すとロックされ、時計回りに回すと解除される。 オレンジ色のカラーは、プッシャーがロックされておらず、耐水性が低いことを示している。私はデジタル機能に素早くアクセスするために、ほとんどの場合解除したままにしている。しかし、ダイビング中は、安全な防水性を確保するためにロックする。私は通常、日々の利便性のためデジタルディスプレイに日付が表示されたままにしておくが、それ以外の場合はクロノグラフを利用することも結構ある。セイコーではセカンドタイムゾーン機能を「現地時間 ( Local Time) 」と呼んでいて、数字の横には「L」が付いているが、もし旅行に行くのであれば、自宅の時間はこの機能を使い、  アナログの針を現地時間に使用して、すばやく直感的に読みとれるようにするだろうと思う。

プッシャーをロックするためにケースにしっかりとねじ込むのではなく、カラーは外側に回すことでロックし、時計回りに回すと解除される。

 デジタル表示にはバックライトがあるが、これは1980年代のオリジナルH558ダイバーやその時代の他のデジタル時計よりもはるかに優れている。しかし、その小さな液晶画面は、現代のコネクテッドやデジタルの大きな明るい文字盤と比べると、いささか頼りなく見える。また、ジェームズが少し前に指摘したように、一番上のボタンを押すとバックライトが点灯するが、これはクロノグラフのスタートとストップのボタンも兼ねているので、経過時間がストップする。つまり、暗くなってからクロノグラフを使うのはあきらめたほうが良いということだ。だが、これはささいなことだ。ほかに良いものが無かったから技術の限界を我慢していた時代を思い出させてくれるような、古風でノスタルジックなものといえる。

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 突出したプッシャー、分厚いケース、長いカーキ色のストラップを備えたこの時計は、ジーンズやショートパンツ、そしてTシャツとの相性が抜群だ。なので、この夏、感染拡大防止のステイホーム期間中に発売されたというタイミングは、この時計をあれこれ試すのに最高で、この数週間、ほとんどずうっとこのSBEQ007をはめて過ごしていた。スペック表と写真からは、この47.8mm径の時計は、 オーストリアのボディビルダー専用の目玉商品になるのではと考えた 。しかし、これらセイコーの「ツナ缶」時計のほとんどは、ほぼ完全なラウンド型プロポーションのおかげで、実際は軽くコンパクトに装着できる。それでいて華奢に感じない、しっかりとその存在を主張する時計だ。

戦闘部隊のような庭仕事にも。

 写真家の間ではよく言われていることだが、「最高のカメラは自分が持っているものである」という言葉がある。同じ哲学が時計にも当てはまると思う。最高の時計とは、あなたが今腕に着けている時計であり、暗闇や寒さ、湿った環境下でも、秒針の精悍な動きに勇気づけられ、自分の殻を破り冒険へと駆り立ててくれる時計なのだ。
 着けていることを忘れられ、そのおかげで子供と一緒にキャンプに行ったり、難破船に潜ったり、待っているヘリコプターに駆けつけたりと、日常の冒険に集中させてくれる時計だ。プロスペックス SBEQ007は、そんな時計のひとつである。さあ、あなた自身がアクションヒーローになる番だ。

手(または時計)を汚すことを恐れてはいけない。

セイコー プロスペックス ストリートシリーズ ソーラーダイバー SBEQ007:6万5000円(税抜) さらなる詳細はセイコー公式サイトへ。

Photos:ギシャニ・ラトヤナケ