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HODINKEEのスタッフや友人に、なぜその時計が好きなのかを語ってもらう企画「Watch of the Week」。今週のコラムニストは、ニューヨークを拠点に活動するレストラン経営者、マイケル・チャーナウ氏だ。彼はThe Meatball Shopの共同設立者であり、ライフスタイル&ウェルネスブランドKreatures of HabitのCEOも務めている。
起業して間もないころは、ロレックスを持っている人は成功した人だと思っていました。2013年、5店舗目のオープンという大きな節目を迎えてロサンゼルスに滞在していたとき、今こそがいい時計を手に入れるタイミングだと思いました。
Credit: BrakeThrough Media
メルローズにあるWanna Buy A Watch?に立ち寄ったとき、このゴールドのGMTマスターと黒のレザーストラップが、ブラック文字盤ととてもよく馴染んでいると感動。この時計は私のためにあるのだと、即座に確信しました。「これだ」、と口に出し、それで"決まり "だったのです。私の生まれ年のものであることを期待したものの、そうではありませんでした。しかし、とにかく私はその時計に飛びつきました。今のような金のブレスレットではなく、ストラップがついていたので、それほど高くはありませんでしたね。多くの人が記念にロレックスを手にしますが、これだけは私のものでした。
The Meatball Shopの持分を一部売却し、5店舗目をオープン。ミートボールを提供した人数をざっと計算してみたところ300万人くらいで、ほとんどの人が1回に4個のミートボールを食べるので、約1200万個のミートボールを販売したことになります。この数字には驚かされましたね。この時計は、私が4年間頑張った記念になりました。
初めてのロレックスがゴールドになるとは思いませんでした。父はセイコーをつけていて、その時計が今どこにあるのかは知らないけれど、父はいつもそのセイコーを腕にしていました。
父が持っていたセイコーの精神を受け継ぎ、私はずっと子供たちに受け継ぐ家宝を手にしたいと願っていました。私の家族には、代々受け継がれるようなものはありません。GMTマスターを購入したときは、まだ子供はいなかったけれど、そんなことを考えていました。
Credit: Michael Chernow
この時計を持って3、4年になるころ、ニューヨークのダイヤモンド地区の47番街を歩いていたときのことです。ある時計店に立ち寄り、販売員のひとりに「GMTマスターによくあるジュビリーブレスレットはあまり好きではないんだ」と話しました。「プレジデントが好きでね」。「このGMTにプレジデントブレスレットをつけるのは難しい?」と尋ねると、その組み合わせはブレスレットを時計本体にカスタムフィットさせなければならないし、時計の価値を下げてしまうかもしれないとのこと。「でも、これは私の息子に受け継がれるものだし、その息子にも受け継がれる。だから、その価値なんてどうでもいいんだ。特別なものなんだから」と私は彼に話した。
販売員は奥に入り、以前デイデイトについていたとてもクールなプレジデントブレスレットを手に戻ってきました(リンクは少し緩んでいた)。もっと新しい、リンクがしっかりしたブレスレットもあったものの、私はあまり新しいものが好きではありません。今までオープンしたレストランはすべてが前もお店だった物件で、そこには文化や風格が感じられるからです。彼はその時計にブレスレットを合わせてくれ、今、私の腕には最高にクールな時計があります。私の知る限り、地球上で最も格好いいロレックスだと思っています。
Credit: BrakeThrough Media
私はこの時計を、主に特別な日のために、それほど頻繁に着用していません。でも、この時計はTシャツとジーンズにつけるだけで気分がよくなるような、そんな不思議な力を持っているんです。そんなことができるものはそう多くはありませんが、美しい時計にはそれが可能です。そして、私がこの時計を身につけると、必ず誰かから話しかけられます。会話のきっかけになるんです。
歴史上の偉人のなかで、強いセンスを持った人たちを思い浮かべると、その多くがロレックスを腕にしています。スティーブ・マックイーンは私のアイコンですが、彼はロレックスをつけていました。このブランドはルネッサンスな人たちを惹きつけているのだと思います。一芸に秀でた人たち。私は時計のスタンダードに恥じないよう、ベストを尽くしています。
そういえば、The Meatball Shopを始めたころ、いつかロレックスを買うんだと言っていたことを覚えています。私は、デザインインスピレーションを得るために、すべてのレストランのPinterestボードを作るのが好きで、私のページには、"All I Want "というボードがあります。自分がかっこいいと思うものばかりを集めていて、ゴールドのロレックスにプレジデントブレスレットをつけた写真がそのなかにありました。それはGMTマスターじゃなかったけれど、ロサンゼルスの店に入って、黒いストラップがついたこのGMTを見たとき、これだ!と思ったのです。そして、時間をかけることで今している時計を作り上げたという感覚があります。物事は、スタート地点で終わる必要はないのです。
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