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本稿は2013年4月に執筆された本国版の翻訳です。
私はロレックス エクスプローラーが大好きだ。ロレックスのスポーツウォッチファミリーのなかでは“弟分”といえる存在で、私にとって最初のロレックスだった。しかしオークションでレアなデイトナやサブ、GMTが高額で取引されるたびに、エクスプローラーはその話題から外れてしまうことが多い。だからこそ、クリスティーズ・ジュネーブの5月のカタログを開き、この時計を見つけたときには、すぐに取り上げるべきだと思った。これはきわめて希少な時計であり、なによりエクスプローラーである。
1958年製のこの時計は、よく見かける1016の前身となるRef.6610だ。ケースコンディションは素晴らしく、ラグも厚くてすべてがオリジナル…ホワイト文字盤を含めすべてがオリジナルである。そう、ホワイトだ。多くの人が知っているように、サブマリーナー、GMT、そしてエクスプローラーはすべて黒いダイヤルを持つ。しかし、そうでない時もある。時折きわめて珍しいホワイトダイヤルのスポーツウォッチが現れ、その際に“偽物だ”と主張する人もいれば、“これは素晴らしい”と称賛する人もいる。エリック・クーが正真正銘のホワイトダイヤル サブマリーナーを紹介してくれたことがある。また、パンナム(PAN-AM)の幹部がホワイトダイヤルの6542 GMTを受け取ったという噂もあるが、これは今も確認されていない(編注;2015年にはホワイトダイヤルの6542 GMTが発見されている。記事はこちらから)。
ロレックスの時計にまつわる疑念こそが、コレクションをやりがいのあるものにしている。ロレックスは決してホワイトダイヤルのエクスプローラーを製造したとは認めないが、多くの人は、どんなに希少であってもそれが事実だと信じている。そしてクリスティーズはこの時計が間違いなくオリジナルであることを証明するために、相当な努力をしたと断言している。そのためこの時計は超希少であり、魅力的な存在となっている。我々が実際にホワイトダイヤルのエクスプローラーを目にしたのはこれが初めてだった。クリスティーズ・ジュネーブでは、この希少な時計を1万スイスフランから1万5000スイスフラン(US記事は1万ドルから1万6000ドルで記載、当時の相場で約105万~165万円)のあいだで取り扱っている(編注;落札価格は17万1750スイスフラン、当時の相場で約1790万円)。詳細はこちらから。
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