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November 24, 2020
November 24, 2020
Introducing 新スプリングドライブ9RA5を搭載したグランドセイコー誕生60周年記念600mプロフェッショナルダイバーズ SLGA001

Introducing 新スプリングドライブ9RA5を搭載したグランドセイコー誕生60周年記念600mプロフェッショナルダイバーズ SLGA001

進化を遂げたスプリングドライブは、究極のツールウォッチへとダイブする。

セイコー・スプリングドライブ・テクノロジーの歩んできた歴史は古く、時に困難を伴うものであった。その歴史は諏訪精工舎の技術者であった赤羽好和氏が開発に着手した1970年代後半に遡り、1999年に初代スプリングドライブがリリースされるまで、200を超える特許と数百に及ぶプロトタイプが“量産”された。

 2005年に初の自動巻き機構が登場して以降、スプリングドライブはクロノグラフ、ダイバーズウォッチから複雑機構のミニッツリピーターに至るまで、その守備範囲を広げてきた。さらにはドレスウォッチとしてクレドール、最近ではグランドセイコーの時計にもスプリングドライブが搭載されている。そして、グランドセイコーの多様性を示すために、他のムーブメント群に肩を並べるほどの進化を果たした。

 グランドセイコーはスプリングドライブ・テクノロジーの次世代機を先日発表した:新キャリバー9RA5である。ハイビート限定モデルで全貌が明らかになった新たな自動巻きCal.9SA5からも分かるとおり、グランドセイコーの2020年のテーマともいうべきパフォーマンス向上に平仄(ひょうそく)を合わせたのだろう。9SA5はグランドセイコー ハイビートの心臓部を、80時間のパワーリザーブを稼ぎながら一層薄型に仕上げたもので、9RA5もパワーリザーブを5日間(120時間)に伸ばしながら、現行の9R65より0.8mmも薄く、さらに高精度に仕上げたのだ。この新ムーブメントの船出に選ばれたのは、600m防水の“高密度チタニウム”ケースを纏うダイバーズウォッチ:600m プロフェッショナル ダイバーズ SLGA001である。

 これはグランドセイコーのスプリングドライブ搭載のプロダイバーの中では最も防水性能の高いモデルとなる。−現行のスプリングドライブモデルSBGA231とSBGA229は200m空気潜水用防水であり、600m飽和潜水用防水ともなると、軟鉄製ダイヤルに1万6000A/m(200ガウス)の耐磁性能を持つメカニカルダイバーズSBGH255が挙がるのみである。

 実はスプリングドライブはダイバーズウォッチとしての適性に優れている。−バッテリー切れの恐れのない正確無比なクォーツを搭載しているからだ(ご存じだろうが、動力源はゼンマイによるエネルギーだ)。SLGA001は想像通り深海に潜む怪物に相応しく、46.9mm×16.0mmの体躯を持つ。

 しかし、ケース/ブレスレット素材にチタニウムを採用したことで、見かけほどの重量感はない。セイコーのプロフェッショナルダイバーズは通常、ヘリウムエスケープメントバルブを搭載しない−代わりに水に溶けやすいヘリウムガスの侵入を防止する特殊なパッキンとガスケットを採用しており、SLGA001もこの手法を踏襲している。これにより、飽和潜水ダイバー向けに良好な装着性を確保した。

 新キャリバーである9RA5は、自動巻きスプリングドライブとして多くの手が加えられている。グランドセイコーが、将来的にこれを薄型時計に搭載する目的で設計されているように見える一方で、SLGA001は厚みのある時計である。Cal.9RA5は、よりフラットな構造を実現するためにいくつかの変更を取り入れている。

マジックレバー式巻き上げ機構。ローターと二重香箱との配置図。

 グランドセイコーによればそのひとつが、マジックレバーをムーブメント中心部から離したことだ。レバーと自動巻ローターとの干渉を避けたことが薄さに貢献した。マジックレバー巻き上げ機構はセイコーを象徴する存在でもある;その原型は1959年に確立され、シンプルな構造にして耐久性に優れる機構なのである。

 歯車の輪列についても見直しが図られ、ムーブメント中央の水平軸をワンピースセンターブリッジで支えるレイアウトに変更された。その結果、堅牢性が向上し、衝撃にも強くなった。

グレー部分に示したのがワンピースセンターブリッジだ。

 パワーリザーブの向上は、同じ高さに並列されたツインバレル(二重香箱)の採用によるものだ(しつこいが、水平に配置することで薄型化に成功した)。2つの香箱(ゼンマイが収められた歯車)の大きさが異なるのは、ムーブメントのスペースの都合から生じたが、それでもエネルギーの蓄積という点では大容量を稼ぐ“ドル箱”といえる。

ツインバレル

 最後に、クォーツの歩度調整について触れよう。スプリングドライブのグライドホイールの回転速度を調整する機能として温度補正が加わった−グランドセイコーによると、スプリングドライブで初採用となる。温度補正機能は、クォーツ水晶と共に密閉された温度センサーを介してクォーツ水晶の発振に悪影響を与える温度変化を正確に感知して歩度を調整する。これにより、通常のスプリングドライブが月差±15秒のところ、±10秒まで精度が改善する。

 新ムーブメントは実に興味深い進化を遂げた。セイコーのムーブメント群の中では、スプリングドライブは薄さよりも信頼性や丈夫さなど、堅牢性に重きを置いていた。9RA5の5.0mmの厚みに照らすと、量産型機械式ムーブメントに肉薄するほどである。一例を挙げると、ETA2825の4.8mmなどがそれに相当する。

 SLGA001は世界700本限定で、115万円(税別)の価格には侃々諤々の議論があるかもしれないが、投入された高度な技術力と製造品質を考えれば、納得のいくものになるだろう。品質といえば、ケース素材の高密度チタニウムはSSに比べて硬度、軽量化共に30%も優れる特殊合金だが、表面硬化処理されていないため再研磨による仕上げも可能なのは特筆すべき利点だ。

 手頃な割に品質に優れ、頑丈なセイコーダイバーズは我々の脳裏に刻み込まれているがために、SLGA001はあなたの父上がしていたSKX007に映るかもしれない。しかし、何を隠そうこれは、グランドセイコーが最先端のツールウォッチとしての地位を揺るぎないものにするために、技術の粋を集めて創り出した作品なのである。

グランドセイコー ブランド誕生60周年限定モデル 600m プロフェッショナルダイバーズ SLGA001 概要:高密度チタニウムケース 46.9mm×16.0mm、600m飽和潜水用防水;ヘリウム流入防止ケース;サファイアクリスタル風防。スプリングドライブ5DAY Cal.9RA5、自動巻き、マジックレバー巻き上げ機構搭載;5日間パワーリザーブ;34.0mm×5.0mm、38石、月差±10秒。世界限定700本;価格115万円(税別)。詳細はGrand-Seiko.com