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Interview ブルガリ ファブリツィオ・ボナマッサ氏に2021年新作についてインタビュー

ブルガリ ウォッチ デザイン センター シニア・ディレクターのファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニ氏に、同社のアイコンであるオクト フィニッシモと2021年最新作について伺った。

ブルガリは、今年の1月に開催されたLVMH ウォッチウィーク 2021で、いくつかの新作モデルを発表。今回僕たちは、ブルガリ ウォッチ デザイン センターのシニア・ディレクターであるファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニ氏にインタビューする機会を得て、今年の新作の中でも特にオクト フィニッシモについて伺いました。

 オクトは、丸と四角をバランスよく共生させた独特な八角形のデザインを踏襲しつつ独自の魅力を備えて、2012年に誕生しました。2014年には、フィニッシモの名を冠した新たなラインナップが登場。そして、今日までにブルガリは、オクト フィニッシモをプラットフォームにて史上最薄に挑戦し、世界記録を次々と打ち立て続けてきました(記事「ブルガリ オクト フィニッシモ 世界記録を打ち立てた6モデルを一挙レビュー」参照)。オクト フィニッシモは、同社のウォッチメイキングにおける顔となっただけでなく、現在のモダンスポーツウォッチを代表するモデルの一つとなりました。

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和田 将治

 良いスポーツウォッチをデザインする上で、重要なことは何でしょうか?

ファブリツィオ・ボナマッサ氏

 オクト コレクションは、初代のスポーツウォッチのオクト、よりクラシックなオクト ローマ、そしてエレガントなフィニッシモという3つが同時に開発されました。オクトの中でもそれぞれ異なる方向性を打ち出すことができ、スポーツウォッチを強調できたことは一つのポイントです。また、デザイン上で重要なことは、全てを一緒にデザインすること。ケースとブレスレットを別々にデザインするのではなく、始めから全体に対して行うことで、完成されたデザインが生まれるのです。

ブルガリ オクト フィニッシモ オートマティック サンドブラスト ゴールド

ピンクゴールドケース全体にサンドブラスト仕上げが施されたブルガリ オクト フィニッシモ オートマティック サンドブラスト

和田 将治

 オクト フィニッシモがこれほどまでに成功した理由は何だったと思いますか?

ファブリツィオ・ボナマッサ氏

 とても良いムーブメントと共に発表したことによって新鮮さを出すことができたのは間違いありません。また、既に一般的とされる素材に遊びを加えられたというのは、大きな要因の一つです。スティール、カーボン、チタン、ゴールド、プラチナといった素材を多面的なデザインに落とし込む。そして、イタリアンテイストのスタイリングを実行するのです。

 例えば、ピンクゴールドのケースは、通常であればその貴金属の素材を主張するために鏡面仕上げを強調しますが、オクト フィニッシモではそれをしていません。異質に感じる質感が異素材となり、素晴らしいムーブメントと組み合わさったことが理由だと思います。

 ブルガリは今年、オクト フィニッシモ Sコレクションを拡張し、新たに3モデルを追加。スティールケースに同色の文字盤を備えた「ブルガリ オクト フィニッシモ Sのシルバーダイヤルモデル」、クロノグラフ GMTモデルで初めてスティールケースを採用した「ブルガリ オクト フィニッシモ S クロノグラフ GMT」、そしてチタン製のオクト フィニッシモ クロノグラフ GMTにラバーストラップを組み合わせたモデルです。

和田 将治

 今年の新作のオクト フィニッシモについて教えて下さい。また、個人的なお気に入りはありますか?

ファブリツィオ・ボナマッサ氏

 オクト フィニッシモ Sの新作は、新しい文字盤を備えたバリエーションモデルです。スポーティでシックなイタリアンデザインに仕上げ、縦に筋目の入ったシルバーダイヤルは、非常にエレガントで、とても気に入っています。3針モデルで用いていたブルーをオクト フィニッシモ S クロノグラフ GMTにも採用。オクト フィニッシモ SモデルのSはスティールを意味するものですが、スポーティと受け取っていただいても構いません。

 チタンとラバーのモデルについては、ケースとストラップの接続部分を変更し新たなデザインを与えました。チタンモデルはよりデザイン重視のモデルという位置付けです。

 どれも全て手塩にかけた作品で気に入っていますが、強いて言うならオクト フィニッシモ S クロノグラフ GMTですね。チタンケースは常に好きですが、スティール化は私達の新たなチャレンジだったので特に思い入れがあります。

和田 将治

 オクト フィニッシモは、安藤忠雄氏とのコラボレーションも国内外で非常に話題になりました。今後もコラボレーションのプラットフォームとしてオクト フィニッシモは活用されるのでしょうか?

ファブリツィオ・ボナマッサ氏

 安藤氏とのコラボレーションによって誕生したのは、私達にとって非常に重要なモデルです。プロジェクトが始まった当時既にスティールモデルがありましたが、デザイン的にアイコニックで、同氏の建築的な要素とのつながりもあったためチタンを選択しました。既に完璧であるものをさらに進化させることは大変なことでしたが、完成品はとても自然で安藤忠雄氏らしいものになりました。

 コラボレーションモデルは、今後も取り組みを続けていきます。スティールモデルでも検討をしていますが、同時に限定モデルに関しては、とても慎重に企画を進めていく必要があります。生産ラインをそのために稼働させなければならないため、多くは行いません。何よりも、ブルガリとしてフィットするパートナーを決めることは大変に重要と考えています。