Introducing H.モーザー　新しいストリームライナー パーペチュアルカレンダーはロゴもインデックスもない、ただただ素晴らしい時計だ

　昨年、モーザーのスモークサーモン ストリームライナーが製造中止となってから間もなくトロピカルブラウンのグリフェ仕上げダイヤルが、モーザーの新しいパーペチュアルカレンダーモデルになって帰ってきた。しかしそのクールな文字盤がややこしいインデックスやロゴで台無しになるのではないかと心配したなら、それはモーザーの最近の方向性を知らない人だろう。

　これはモーザーのパーペチュアル カレンダー コンセプトで、いかなる種類のインデックスがないため、パーペチュアルカレンダーのなかでは一見読みにくい部類に入るが、すべてを総合してみると慣れればそれほど難しくはない。日付は一目瞭然で大きく、しかも角度をつけたため、ブランドは少し工夫を凝らしたデザインを必要とした。そのためうるう年表示は背面にある（うるう年が必要なときなんて、そうそうないだろうから）。ツインバレルの手巻きCal.HMC 812は約168時間パワーリザーブで、インジケーターを10時位置に表示。月表示はセンターにある赤と白の小さな針が今の月を指している（少なくとも、その月に対応する時間まで。この表現で伝わっているだろうか？）。

　これは典型的なストリームライナーである。スタイリッシュなステンレススティール製ケースのサイズは42.3mm×11mmだ（全体の厚みは共有されなかったが、風防を外した状態からもう1.2mmほど追加したほうがいい程度だ）。この時計は今後12カ月間限定で販売され、価格は893万2000円（税込予価）である。昨年発売された基本的なスモークサーモンよりも価格は高いが、モーザーの生産量を上回る需要があったため、サーモンに飢えている人は早めに注文したほうがいいだろう。

　私はモーザーがデザインをそぎ落とし、形状、文字盤、ムーブメントの構造の核に焦点を当て続けているのを見て楽しんでいる。この非常に単純化されたパーペチュアルカレンダーを改めて知るたびに、どうしてこんなに混乱してしまうのか、自身でもわからない。実際には創意に富んでいて素晴らしい上に、“スモークサーモン”ダイヤルに集中するための完璧な理由でもある。

　前回も言ったかもしれないが、この時計には“スモークサーモン”の雰囲気があまり感じられない。どちらかというとダークローストウッドのような質感なのかもしれないが、いずれにしても業界的には普通の色の選択肢ではないし、単に美味しいことだけを追求した時計でないことは間違いない。

ブランド: H.モーザー（H. Moser & Cie.）
モデル名: ストリームライナー・パーペチュアルカレンダー コンセプト スモークサーモン（Streamliner Perpetual Calendar Concept Smoked Salmon）
型番: 6812-1201

直径: 42.3mm
厚さ: 11mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: スモークサーモングリフェ
インデックス: なし
夜光: あり、グロボライト®インサート付きの時・分針
防水性能: 120m
ストラップ/ブレスレット: SSブレスレット

キャリバー: HMC 812 マニュファクチュールキャリバー
機能: 時・分・センターセコンド、日付表示、パワーリザーブインジケーター、永久カレンダー（うるう年表示）
直径: 34mm
厚さ: 6.3mm
パワーリザーブ: 約168時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 1万8000振動/時
石数: 33
クロノメーター: なし
追加情報: ツインバレル、すべての歯車とピニオンにモーザー歯、モジュール式モーザー脱進機、オリジナルのストローマン®ヒゲゼンマイ、テンプ受け、輪列受け、香箱受け、脱進機プレートにアンスラサイトPVD仕上げ、地板、ストップレバー、ウィークホイール受けにマイクロブラストレーザー仕上げとアンスラサイトロジウムメッキ

価格: 893万2000円（税込予価）
発売時期: 2024年5月頃発売予定
限定: 1年間のみ製造

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