Introducing ジャガー・ルクルト　レベルソ・トリビュート・デュオ・ファリアーノ 2020年新作

　カーサ・ファリアーノとジャガー・ルクルトの初のコラボレーションモデルは、レベルソ 1931 U.S.リミテッドエディションだった。私は発売当時買わずにいて、以来後悔しているが、ここ20年で最も素晴らしいレベルソの1つだった。カーサ・ファリアーノとジャガー・ルクルトは、2017年にグレー/シルバーのダイヤルのデュオフェイスでコラボレーションしているが、今回は片面が鮮やかなバーガンディレッドのラッカーダイヤル、もう片面がクル・ド・パリ模様のシルバーダイヤルという、よりカラフルなデザインを選択している。

　レッドゴールドのケースは、47mm×28.3mm×10.3mmのサイズで、手巻きのジャガー・ルクルト製Cal.854A/2を搭載している。ストラップはコードバンレザーとキャンバス地で、合計190本が生産され、価格は250万円（税抜）だ。シリーズナンバーの190本という数字は、2021年がレベルソのデビュー90周年であることを表している。

　レベルソは、ポロの試合のような過酷な状況下で腕時計の文字盤を保護するためにデザインされたもので、ケースを回転させてそれを本体に隠すことができるという、ある意味理想的で独創的なシングルダイヤルの時計だった。もし望むなら、裏蓋を使って第2時間帯を表示することもできるが、それはデザイン本来の意図を覆すものだと主張することもできるだろう。しかし私は、ジャガー・ルクルトが元のデザインから派生してこれだけの物を作ったということは、エナメルの細密画を絶妙に表現したハイアート作品から、細かい彫刻、非常にエキゾチックなハイコンプリケーションにまで及ぶ、想像以上に幅広い作品を生む原動力になったと思う。

　時計の重要かつ欠かせない要素の1つがエレガンスであるという考え方は時代遅れかもしれない ― ステンレススティール製のスポーツウォッチ全般に尽きることのない需要があり、中には理解できないほど長いウェイティングリストができるものもあるという世の中では、特に難しい問題だ（時計以外の道具が同じように扱われていることを想像すると心がざわつく：「申し訳ありませんが、本当に欲しいチェーンソーを購入するには、今後2年間に少なくとも2本のチェーンソーを購入しなければなりません......」とか）。しかし、エレガンスと美しさの融合には何かがあり、それが持続する力になっているのだ。

　ジャガー・ルクルトとレベルソの話を初めて聞いたのは8歳位のころに読んだSF小説だった ― 宇宙船に乗った探偵（女性）が優しそうなプレイボーイ風の旅人からレベルソをプレゼントされる。 私は今日までどうしても小説の名前を思い出せない ―ずっと昔のことだし ― しかし、レベルソが2499年（またはそれがいつであっても）の優雅さの象徴となるのに十分なほどシックだったという考えは、私にとってスピードマスターと同じくらい記憶に残るものとなった。

ブランド： ジャガー・ルクルト（Jaeger-LeCoultre）
モデル名： レベルソ・トリビュート・デュオ・ファリアーノ（Reverso Tribute Duoface Fagliano Limited）
型番： Q398256J  

直径： 47mm×28.3mm
厚さ： 10.3mm
ケース素材：  18Kピンクゴールド（PG）
文字盤色： 表側はバーガンディレッドのラッカー仕上げ、裏側はクル・ド・パリ模装飾を施したシルバー
インデックス： アプライドのゴールドバー
防水性能： 3気圧
ストラップ/ブレスレット： カーサ・ファリアーノによるハンドメイドのコードバンレザーとキャンバス地ストラップ、18KPG製ピンバックル 

キャリバー： 854A/2
機能： 表側は時・分表示、スモールセコンド。裏側はデイ/ナイトディスプレイ付きデュアルタイム表示
パワーリザーブ： 42時間
巻き上げ方式： 手巻き 
振動数： 2万1600振動/時
石数： 19

価格： 250万円（税抜）
発売日： 発売中
限定： あり。世界限定190本。ブティック限定。

詳細は、ジャガー・ルクルト公式サイトをクリック。