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Introducing ルイ・ヴィトン タンブール オペラ・オートマタは新しい歌をうたう

カルペ・ディエムで築き上げられた革新性をもとに、ルイ・ヴィトンは中国へ向かった。

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我々が知っていること

ルイ・ヴィトンにとって、昨年は忙しい1年だっただろう。新しいスピン・タイム エアー クァンタムや、数量限定のタンブール クロノグラフLVらしいスマートウォッチの展開、そして新しい時計賞の発表などがあったのだ。ルイ・ヴィトンというブランドは、オートオルロジュリーであるという地位に甘んじることなく、今年もラ・ファブリク・デュ・タン・ルイ・ヴィトンとして、飛躍的な進化を遂げたタンブール オペラ・オートマタを発表した。

 2021年に発売された、タンブール カルペ・ディエムのメカニカルな技術革新と、ハイエンドなクラフトマンシップを受け継いだオペラ・オートマタ。これは黄泉の国から中国の“京劇”の世界へインスピレーションを得て誕生した。2021年のGPHGでオーダシティ賞を受賞したカルペ・ディエムは、パワーリザーブを表す砂時計と、その下に位置された分表示など、大変高度で複雑な作品である。

 今年発表された新作はややゾッとするようなデザインだが、これは川劇(せんげき)でよく見られる、顔が一瞬で変化する中国伝統芸能のひとつ、変面からインスパイアされている。色とりどりの仮面が次々と瞬時に入れ替わり、まるで魔法のように見える仕掛けで、その技法はごく最近まで秘匿とされていた。今年はドクロの代わりに、表情を変える変面のマスク(5つのオートメーションのうちのひとつ)をセット。お面に巻き付いたドラゴンが頭を動かして、お面の額の真ん中に隠されているジャンピングアワーを出現させる演出に加え、そのドラゴンの尾はレトログラード式の分針として機能する仕組みだ。パワーリザーブは砂時計ではなく、悪霊を追い払うとされるカラバッシュ(ひょうたん)型となっている。なお時刻は、ドラゴンを模したリューズを押すと自動的に作動することによって確認することができる。カルペ・ディエムと同様にお面の片方の目はルイ・ヴィトンの花のエンブレムにちなんでおり、4枚の花びらの花は中国文化で不吉とされている、数字の4の代わりになっている。

a watch being assembled

Images by Piotr Stoklosa

a watch movement

Image by Piotr Stoklosa

a watch movement

Image by Piotr Stoklosa

 これらの機能はすべて、カルペ・ディエムにも搭載されている手巻きCal.LV525(部品点数426点)によって実現している。46.88mmのタンブールケースは18Kピンクゴールド製、文字盤にはPGとルビー、エングレービングによるエナメル加工を施している。そしてルイ・ヴィトンはエナメル職人であるアニタ・ポルシェ(Anita Porchet)氏と、彫金師のディック・スティーンマン(Dick Steenman)氏というふたりの偉大な職人を呼び、これを実現した。プレスリリースによると、エングレービングに76時間、エナメルに60時間かかったという。文字盤のいちばん小さいパーツを彫って、塗り、焼いて、磨いたりと、大事な作業の一部を見ただけで、私は彼らの言葉を信じられる(さらに私たちの気持ちをよくするために、実は四捨五入しているのではとも考える)。100時間のパワーリザーブは素晴らしく、また手巻き時計のため機能的でもあり、超特殊なパワーリザーブインジケーターではないにしても美しい。限定モデルではないが、カルペ・ディエムの受注上限は30本までだったため、このモデルも同じようなものだと期待している。もし希望価格の52万ユーロ(日本円での参考価格は6919万円)が手元にあるのなら、いますぐ行動に移したほうがいいだろう。

我々の考え

このような時計は実際に見てみないとわからないということは、十分わかっているつもりだ。写真や動画で見ると、そのムーブメントやオートメーションに驚かされるが、この時計を本当に理解するには、実際の動き方などを見る必要がある。カルペ・ディエム同様、この時計は幅広い層にアピールするものではなく、また伝統を重んじるオートオルロジュリーのオートマトンファンに感動を与えるものでもない。しかし、花や孔雀に飽きた人にとって、ひねりを効かせたこの時計はまだ楽しみを与えてくれるに違いない。

louis vuitton tambour opera automatica

 私は京劇や変面の専門家ではないが、その芸術と時計づくりのあいだには、何か共通点があるように思う。技術は隠され、そして世代を超えて受け継がれ、いまはようやく情報がオープンになり、そして求める人が手に入れられるようになったという、そこにはたしかに共通の魔法がある。しかしときには、ただ座ってじっくりとそれを観賞するのもいいのだが、時計の知識がない状態でこの時計を見ても美しいと感じることはないのだろうか? 私はそうは思わない。

 ルイ・ヴィトンは、本格的な時計メーカーとして認めてもらうべく、これまで過酷な戦いに挑んできたが、この時計にはすべての要素が詰め込まれている。そしてその域まで登りつめた技術や革新性について称賛したいが(これらは時計の外にも内にもたくさんある)、私は敬意を払いつつも、その積極性を犠牲にしていないことに最も感銘を受けた。これはまさしく“オーダシティ”なアイデアをもとに、衝撃を与えるショッキングさと、より多くの人に喜んでもらうための控えめさのあいだを縫って、洗練させていったように感じる。


基本情報

ブランド:  ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)
モデル名: タンブール オペラ・オートマタ(Tambour Opera Automata)
型番: Q1EN2Y

直径: 46.88mm
厚さ: 14.42mm
ケース素材: 18Kピンクゴールド
文字盤: ブラッククロワゾネ・エナメル(有線七宝)
ストラップ/ブレスレット: ブラックアリゲーターストラップ、18KPGバックル


ムーブメント情報

キャリバー: LV 525
機能: ジャンピングアワー、レトログラードミニッツ
パワーリザーブ: 約100時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 50

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この時計の詳細については、ルイ・ヴィトンをご覧ください。

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