Introducing: オリエントスターから、オーロラをイメージした新作M34 F7 セミスケルトンが登場

クイック解説

エプソンが手がける時計ブランドのひとつ、オリエントスターのM34 F7 セミスケルトンコレクションから、神秘的なオーロラが作り出すダイナミックな色彩を美しいグラデーションダイヤルで表現した新作が発表された。

ブルーグリーングラデーションダイヤルを持つRK-BY0001A（替えストラップ付きバージョンのRK-BY0003Aもある）。

“輝ける星”をイメージし、世界のどこにもない腕時計をつくるという理想に掲げて、技術はもちろんのこと近年はデザインやクオリティもいっそう洗練させるオリエントスター。同ブランドでは、その世界観を宇宙や自然の情景と重ね合わせて表現しているが、そのひとつである“M34”と名付けられたコレクションの最新作となるM34 F7 セミスケルトンでテーマになったのはオーロラだ。夜空に浮かぶ色鮮やかな光のカーテンをホワイトシェル文字盤とグラデーション塗装によって表現した。

　見る角度によって表情が変化するホワイトシェル文字盤、そして連続して色彩が変化するグリーンをベースとして縦方向にブルーのグラデーションは、まさに刻々と変わる神秘的な発光現象であるオーロラを巧みに描き出している。加えてSAR（両面無反射）コーティングが施された両球面サファイアクリスタルを風防に採用することで、オーロラを思わせる文字盤の存在がよりクリアに、より一層際立っている。

ブラウングラデーションダイヤルのRK-BY0002A。

チャコールグレーグラデーションダイヤルのRK-BY0006A。

　最もオーロラらしい表現は上記で紹介しているブルーグリーングラデーションダイヤルだが、今回はこのほかにブラウン、チャコールグレーを加えた3種類が用意された。ブルーグリーングラデーションダイヤルには14万3000円の通常版に加えて、15万4000円（ともに税込）で販売されるステンレススティール製ブレスレットとワニ革の付属ストラップがセットになったプレステージショップ限定モデルがある。ブラウングラデーションダイヤルはオリエントスター公式オンラインストア、with ORIENT STARでのみ販売されるモデルで価格は14万3000円、チャコールグレーグラデーションダイヤルはワニ革の付属ストラップがセットになったセミスケルトン発売20周年を記念した300本の数量限定モデルで、15万4000円（こちらもともに税込）だ。

　シャープで力強いケースデザインは、M34コレクションの由来となっているペルセウス座をイメージしたもので、繊細な筋目仕上げとザラツ研磨による鏡面仕上げのコントラストによってそれが引き立てられている。

　M34 F7 セミスケルトンに搭載される自動巻き（手巻き付き）ムーブメントは、自社製のCal.F7F44。日差＋15秒～－5秒の優れた精度と50時間以上のパワーリザーブを備える。波目加工と面取り加工を施すことで丁寧に美しく仕上げられたムーブメントで、サファイアクリスタルを用いたシースルーバックからその勇姿を見ることが可能だ。

ファースト・インプレッション

この新作に限ってというよりもブランド全体に言えることだが、オリエントスターというブランドのいいところは、“真面目に遊んでいる”ところだと思っている。一見すると相反するもののようにも思えるが、オリエントスターではこれが矛盾なく同居しているのだ。その象徴といえるのがホワイトシェルを使用した、ムーブメントの動く様子を見ることができるセミスケルトンデザインのグラデーション文字盤だ。

　シェル文字盤は、⾙殻から文字盤素材としてくり抜くこと自体がかなり面倒である。素材の性質上、剥離したり欠けたりしやすく、しかもクオリティ的に耐えうるものでなければならないため、ひとつの⾙殻からそうたくさんは取れない。だが、新作で使用されるM34 F7 セミスケルトンの文字盤では、ひとつの⾙殻からくり抜いた素材を0.1〜0.2mm厚にまで薄く削り、その薄いホワイトシェルの裏側からカラーグラデーション塗装を行い、真鍮製のベースの上に重ねて文字盤としている。しかもテンプの動きを見せるためにわざわざ穴まで空けているのだ。一般的にこうした文字盤を使用する場合、インデックス以外の部分はできるだけフラットにするのが定石。そのほうが加工しやすいからだ。

　だが、上の写真を見て欲しい。一目瞭然だが、オリエントスターのロゴやパワーリザーブインジケーターやスモールセコンドの目盛りを立体的にし、植字のアプライドインデックスを採用。針も立体的に見えるように仕上げ分けをしている。ついでに言えば、風防には多層膜コーティングによりガラスの耐傷性を⾼めつつ、表⾯に施した防汚膜により汚れが付きにくく撥⽔性を⾼めた両球⾯（両面無反射）サファイアクリスタルを採用することで、文字盤自体の見やすさも追求している。これらは明らかに視認性を高めるための実用時計が持つディテールなのだ。

　シェル文字盤という、本来であればその素材の美しさのみが際立つべきものでありながら、日常的につけることを考慮して視認性も追求しているのである。また、この時計は40mmという径に対してラグからラグの長さは47.3mmと比較的抑えられている。実際に腕に乗せてみたのだが、見た目にもコンパクトに腕に収まり、つけ心地も悪くなかった。

　これだけ手の込んだシェル文字盤ウォッチが、（チャコールグレーグラデーションダイヤルは限定モデルだが）レギュラーコレクションとしてラインナップされており、しかも10万円台半ばの価格で買えてしまうのだ。まさに“真面目に遊んでいる”という表現がぴったりではないだろうか。

　筆者のおすすめは、ブルーグリーングラデーションダイヤルのRK-BY0001Aだ。このモデルが最もグラデーションカラーの魅力が楽しめると思っている（従来のオリエントスターのシェル文字盤モデルでは外周部に向かって暗く落ちるグラデーションはあったが、縦方向にカラーからカラーへと変化するグラデーションは初の試みなのだ）。

　このブルーグリーングラデーションダイヤルには替えストラップ付きのRK-BY0003Aも用意されているが、本作のブレスレットも替えストラップも今や標準装備となりつつある、工具不要でストラップ交換が可能なクイックチェンジ仕様ではない。替えストラップありとなしの価格差は1万1000円。もちろん純正ストラップは艶感のあるワニ革でシックな雰囲気を醸し出していてこれはこれで魅力的なのだが、本音を言うと、通常版を購入して自分好みのストラップを買い足して、自分好みに楽しむのもアリではないかと思っている。

基本情報

ブランド： オリエントスター（Orientstar）
モデル名： M34 F7 セミスケルトン（M34 F7 Semiskeleton）
型番： RK-BY0001A（ブルーグリーングラデーションダイヤル）、RK-BY0002A（ブラウングラデーションダイヤル/オリエントスター公式オンラインストア with ORIENT STAR販売モデル）、RK-BY0003A（ブルーグリーングラデーションダイヤル/替えストラップ付き、オリエントスタープレステージショップ販売モデル）、RK-BY0006A（チャコールグレーグラデーションダイヤル）

直径： 40mm（ラグからラグまでの長さは47.3mm）
厚さ： 13mm
ケース素材： ステンレススティール（SUS316L）
文字盤色： ブルーグリーングラデーション、ブラウングラデーション、チャコールグレーグラデーション
インデックス： アプライドバー
夜光： なし
防水性能： 10気圧
ストラップ/ブレスレット： SS（SUS316L）製ブレスレット＆プッシュ三つ折式（中留）クラスプ、ワニ革製ストラップ＆プッシュ三つ折式（中留）クラスプ

ムーブメント情報

キャリバー： F7F44
機能： 時・分表示、スモールセコンド、12時位置にパワーリザーブインジケーター
パワーリザーブ： 50時間以上
巻き上げ方式： 自動巻き（手巻き付き）
振動数： 2万1600振動/時
石数： 24
追加情報： 日差＋15秒～－5秒、ハック機能付き

価格 & 発売時期

価格： RK-BY0001AとRK-BY0002Aは14万3000円、RK-BY0003AとRK-BY0006Aは15万4000円（すべて税込）
発売時期： 2023年10月12日発売予定
限定： RK-BY0002Aはオリエントスター公式オンラインストア「with ORIENT STAR」、RK-BY0003Aはオリエントスタープレステージショップにて販売、RK-BY0006Aは国内限定300本

詳細は、オリエントスター公式ウェブサイトをクリック。

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