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Introducing アクリヴィア クロノメーター コンテンポラン IIを発表 レジェップ・レジェピによる受賞歴のある代表作に待望の続編が(編集部撮り下ろし)

わずかな改良は、若きアクリヴィアのウォッチメーカーにとって大きなインパクトである。

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我々が知っていること

10年前、レジェップ・レジェピ(Rexhep Rexhepi)という若い時計職人が、自分のやり方で物事を進めようと決心した。当時まだ26歳だった彼は、F.P.ジュルヌの時計職人という居心地のよい職場を離れ、ギリシャ語で精度(precision)を意味する「アクリヴィア」(Akrivia)と名付けた自分の会社兼工房を設立。それから10年、状況は一変した。レジェピは36歳になり、13人のチームを率いて、世界で最も注目される時計職人のひとりとなったのだ。国際的に高い評価を得ているハンドクラフトへのこだわり、仕上げに対する驚くべき眼識、それでいて、ジュネーブ旧市街のアトリエですべての人を歓迎するフレンドリーな人柄である。

レジェップ・レジェピ、ジュネーブ旧市街のアトリエにて。Image: Janosch Abel、HODINKEE Magazine, Vol. 10

 レジェピは、一夜にしてセンセーションを巻き起こしたわけではない。今日の地位を築くには、何年もの努力と修練が必要だった。しかし、彼のキャリアがいつ、どこで軌道に乗ったのか、その瞬間を特定することが可能なら、それは簡単なことだ。2018年に発表したクロノメーター コンテンポランが、同氏のウォッチメイキングに新しさ、そしてよりクラシックな美学を示した。ついにはその年のジュネーブ時計グランプリ(GPHG)でメンズウォッチを受賞し、すべてが変わったのだ。レジェピは過去4年間、この画期的な時計の続編を作るという難題に取り組んできたが、今日、それが実現した。レジェップ・レジェピによるアクリヴィア クロノメーター コンテンポラン II(RRCCII)は、受賞歴のあるオリジナルをあらゆる面で進化させ、改良を加えたモデルだ。

プラチナケース、ブラックのグラン・フー エナメルダイヤルを備えたアクリヴィア クロノメーター コンテンポラン II。

 この新作は、レジェピが過去4年間に学んだことのほぼすべてを、彼をスターに押し上げた時計に応用したものだ。プラチナまたは5Nローズゴールド製のケースで、それぞれ50本販売される。クロノメーター コンテンポラン IIは、ケースを一新するとともに、6時位置で時を刻むデッドビート運針のスモールセコンドを有したまったく新しいムーブメントを搭載している。彼の手巻きキャリバーを改良したRRCCIIは、初代クロノメトリー コンテンポランのゼロリセットセコンド機構を継承し、視覚的にシンメトリーを強調する全体の構造も踏襲される。

プラチナ製のクロノメーター コンテンポランI(左)と、ローズゴールド製のクロノメーター コンテンポラン IIの新作サンプル(右)。ケース構造の違いや、スモールセコンドリングに止め輪がないことが見て取れる。

 先日、『HODINKEE Magazine』(2022年6月1日発売、US版)の特集で彼にインタビューした際、レジェピは「エステティックは同じだが、まったく違うことをしたかったんだ」と話してくれた。「最初のクロノメーター コンテンポランには時・分・秒があり、2作目もやはり時・分・秒だけの表示ですが、最初のものより2倍複雑になっているんです」。

アクリヴィアの時計製造アトリエ。Image: Janosch Abel、HODINKEE Magazine, Vol. 10

ジャン-ピエール・ハグマンが働くケース製作工房は、時計工房の真向かいにあり、つい最近オープンしたばかり。

 ケースは、2019年にレジェピから現役復帰を説得された伝説的なジャン-ピエール・ハグマン(81歳。かつて、オーデマ ピゲやパテック フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンなど、さまざまなプレステージブランドのケース製作で活躍)が監修する同社の新しいケース製作工房で製作されている。彼は現在、アクリヴィアの工房で、アンティーク機械を用いた手作業によるケース製作に注力する小規模チームを率いて、伝統的な方法を伝承している。クロノメーター コンテンポランのファーストエディションと比較して、RRCCIIのケースは、38mm×8.75mm(サファイアクリスタル含まず)とやや薄くなり、ラグも細長くなった。リューズもアップサイジングされたことで巻き上げ時につかみやすくなるなど、さまざまな改良が施されている。

 よく観察していないと、RRCCIIと先代モデルを混同してしまいそうだ。文字盤は、ホワイト(ゴールドケース)またはブラック(プラチナケース)の繊細なグラン・フー エナメルで作られており、ミッドセンチュリーの将校用腕時計のクラシックな外観と雰囲気を踏襲したレイアウトだ。ローマ数字と「セクター・アジャセント」とでも呼ぶべき文字盤上のラインが交互に配置されているのが特徴的だ。

Rexhep Rexhepi Chronomètre Contemporain II

Image, Akrivia

 ダイヤルの色とケースの素材以外で、ふたつのRRCCIIウォッチには、さらにふたつのわずかな差異がある。ブラックのグラン・フー エナメルダイヤルのスモールセコンドはわずかにくぼんでいるが、ホワイトのサブダイヤルはなめらかな質感になっている。このテクスチャーは、アクリヴィアが「グラッテ」(gratté)と呼ぶ技法で、半透明のグレーエナメルの層でコーティングする前に、ベースのエナメル表面に手作業でエングレービングを施したものだ(RRCCIのスモールセコンドにあった金の止め輪は本作ではなくなった)。スティール製の針も、ふたつのオプションの違いにおいて特筆すべき部分だ。ローズゴールドの針は独特の紫色を帯びているが、プラチナの針は加工なしのポリッシュ仕上げである。

我々が思うこと

スイスのハイエンドな独立系時計に造詣が深い人にとって、今日のクロノメーター コンテンポラン IIの発表は、今年のハイライトのひとつになりそうだ。より広い時計界は、2018年からレジェピの次の動きを辛抱強く待っていたが、クロノメーター コンテンポラン IIは、続編の時計としての役割を効果的に果たし、成功していると私は思っている。

 オリジナルのクロノメーター コンテンポランを面白く魅力的な時計にしたものを、ケース、文字盤、ムーブメントのあらゆる面で改良しているのだ。

Rexhep Rexhepi Chronomètre Contemporain II

 RRCCO2の新キャリバーの技術的な詳細については、今後のハンズオンでご紹介したいと思うが、デッドビートセコンド機構を追加することは簡単なことではなかったということは、今日お伝えすべきことだ。レジェピは、秒針の1秒刻みに必要となる動力がムーブメントの精度や動作効率に影響を与えないよう、ジャンピングセコンド用にもうひとつ輪列と主ゼンマイを追加してメカニズムを分けて主従関係を構築。事実上まったく新しいムーブメントをイチから作り上げている。

 さらに、ムーブメントのフリースプラングテンプも10個のチラネジと4個のミーンタイムスクリューに変更され、より正確な調整を可能とした。アクリヴィアはプレスリリースで、RRCCIのムーブメントと比較して新しいデザインのバランスホイールは、60%以上の慣性モーメントで作動し、ふたつの主ゼンマイが最大40%以上のトルクを発揮し、より長い時間安定した計時を可能にすると述べている。

Rexhep Rexhepi Chronomètre Contemporain II

Image, Akrivia

 ムーブメントの装飾については、手仕上げのムーブメントのよし悪しは実際に見てみないと判断できないので、その機会があるまではあまり触れないが、アクリヴィアチームが強調している次の点を中心に、いくつか指摘したいと思う。この時計のふたつの輪列に使われている歯車は、「スポークと内側のエッジに手作業で研磨された面取りが施されており、両輪の内側に140°の角度がついています」(中略)という。(中略)すごいぜ。

 極小の歯車に施された手間のかかる装飾のほかにも、レジェピならではの仕上げは随所に見てとれる。ブリッジに施されたボンベスタイルのアングラージュは、内角が鋭角的であるだけに、その美しさと広がりに耽溺してしまいそうなほど。また、ムーブメントに使用されているブラックポリッシュのスティールパーツが明らかに増え、ブリッジに広がるシルキーなコート・ド・ジュネーブの波とのコントラストが魅力的である。このムーブメントをルーペで観察するのが楽しみでならない。

Rexhep Rexhepi Chronomètre Contemporain II

Image, Akrivia

 このように、クロノメーター コンテンポラン Ⅱのケースやムーブメント、そしてダイヤルに施された目に見える改良は、レジェピがいかに完璧な時計作りに専念しているかを示すものだ。自信のない時計職人であれば、RRCCIに続いて大きな成功を収めなければならないと考えるかもしれないが、レジェピは受賞作を完成されたものとするのではなく、もっとよくできるはずだと考えていたわけだ。

 そして、その完璧さへのあくなき探究心が、私を、そして多くの人を、レジェピの未来に向かわせるのだ。

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基本情報

ブランド: アクリヴィア // レジェップ・レジェピ(Akrivia // Rexhep Rexhepi)
モデル名: クロノメーター コンテンポラン II(Chronomètre Contemporain II)
型番: RRCCII

直径: 38mm
厚さ: 8.75mm (風防をのぞく)
ケース素材: プラチナ、または5N ローズゴールド
文字盤色: ローズゴールド製ケースは、グラン・フー エナメル(アイボリー)とマーカー(ブラック)  / プラチナ製ケースは、グラン・フー エナメル(ブラック)とマーカー(アイボリー)、手彫りのグラヴェ グラッテ模様の上に半透明グレーエナメルが施されたセコンドサブダイヤル
インデックス: 文字盤のマークはすべてエナメル焼成で、液状エナメルに印字してから焼成工程で固める
夜光: なし
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: カーフスキン、ツートンカラー、ジュネーブでのハンドステッチ、お揃いのプラチナまたは5Nローズゴールドのピンバックルが付属。


ムーブメント情報

キャリバー: RRCC02
機能: 時、分、デットビートスモールセコンド、ゼロリセットセコンド
直径: 31.2mm
厚さ: 7.5mm
パワーリザーブ: 82時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 3 Hz(2万1600振動/時)
石数: 33
クロノメーター認定: ブザンソン天文台での試験・証明書発行(オプション)
追加情報: 214個の部品からなるスイス製レバー脱進機、8個のチラネジと4個のミーンタイムスクリューを備えたフリースプラング式の質量調整テンプ、ブレゲ式ヒゲゼンマイ、ジャン-ピエール・ハグマン監修のもとアクリヴィアで復元されたアンティーク装置を含む伝統的手法と、手作業で作られた15の部品からなるケース、それぞれに「JHP」ホールマークが付く。

Image, Akrivia


価格 & 発売時期

価格: 応相談
入手方法: アクリヴィアを通して(アワーグラスが販売代理店を担う)
限定: 100本(ケース素材ごとに50本ずつ)生産予定

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