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Introducing 1969クオーツ アストロン50周年記念限定モデル

時計の歴史上最も重要な年に生まれた、革新的な腕時計へのオマージュ。

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クイック解説

時計愛好家の界隈ではかなり早い段階で学ぶ物語であり、分かりやすい悪役、あるいは見方次第でヒーローがいる物語である。1969年に、クオーツ時計のサイズを縮小し、腕時計に使用できる程度に消費電力を低減しようとする試みがあったが、その年のクリスマスの日、セイコーは初の実用的なクオーツ腕時計を先んじて発売し、その競争を制した。これがセイコー クオーツ アストロン35SQであった。アストロンはまったくもって第一世代としての試みだった。バッテリー寿命は比較的短く(約1年、それでも当時の技術水準としてはかなり印象的であった)、非常に高価だった。セイコーは200本しか生産せず、日本のみでの発売だった。

 しかし、これは未来のトレンドの先駆けであった。アストロン35 SQは1日あたり±0.2秒の精度でデビューし、未来の腕時計の精度に対する期待値を一気に塗り替えた。機械式とクオーツ式は現在、アストロンのデビュー直後の数年間では考えられなかったような方法で共存している。
 その時代、スイスの時計業界で、機械式の時計生産を完全に放棄するほうが理に叶うのかどうか、といった議論が真剣に交わされていたのだ。しかしアストロンは残り、今後も永遠に残り続ける。元祖クオーツ時計であり、今日なお進化を続ける新種の時計の先駆けであった。

 クオーツ時計の性能における最も劇的な改善点の一つは、GPS衛星ネットワークと通信ができる時計の開発によりもたらされた。これが機能するためには非常に高精度の時間信号が必要となる(GPSシステムの魅力的な側面の一つは、軌道上の時計は地上の時計とは異なる速度で回るという相対性理論の影響を考慮に入れなければならないことである。今年初めNASAの深宇宙原子時計プロトタイプに関する記事では、GPSシステムが相対論的事象を考慮に入れるのを止めたら、直ちに「キロメートル規模のエラー」を起こし始めると報じた。
 GPS腕時計の実用的な問題は、従来の従来型クオーツ時計と同様に消費電力であり、初期のGPSウォッチは非常に大きく、かさばるものであった。しかしセイコーは、新しい1969クオーツ アストロン50周年記念限定モデルのために、GPS時計の利便性のすべてを提供する新しいムーブメントを開発。非常に高い精度だけでなく、自動的にタイムゾーンを検出し、それに応じて時間表示を修正する機能を、通常よりもはるかに薄いパッケージで実現した。

 1969年のクオーツ アストロン50周年記念限定モデルは、オリジナルモデルの正確なコピー&ペーストではないが、いくつかの主要な点で非常に近い。新モデルのケースはオリジナルと同様18KYGで、オリジナルの非常に特徴的な模様も再現され、また手業による彫り加工もなされている。薄いベゼルとゴールドに黒塗りのダイヤルマーカー、垂直方向の模様の入った文字盤はすべてオリジナルにあったものだが、文字盤の凹型の形状、カレンダー窓、そして伝説の「GPSソーラー」はいずれも新しい。

 フランジはまた、その必要性にもより、オリジナルのアストロンよりも顕著に深い。セイコーのGPSソーラーアストロン腕時計において、フランジは一般的に機能インジケータとしても機能する。さまざまな時間設定と同期機能は、GPSアストロンとして通常通り、ケース側面のボタンで操作されるが、1969 クオーツ アストロン50周年記念限定モデルでは以前のモデルからかなりサイズが縮小されており、正面から時計を見たときにはそれがほぼ見えない。以前のGPSアストロン時計と50周年記念限定モデルの最も顕著な違いは、全体的な設計と仕上げを除き、ケースのサイズである。初期のGPSアストロンは厚さ16.5mmだったが、この最新モデルは、セイコーによると、発売時において世界で最も薄いソーラーGPSクオーツムーブメントを採用している。これによりこの時計に、40.9mm x 厚さ12.8mmという比較的薄型のケースがもたらされたのだ。

ファースト・インプレッション

 このようなものが少しでも好きな人には、1969クオーツアストロン50周年記念限定モデルは確かに非常に魅力的な時計であろう。これは、1969年当時のオリジナルと同様、クオーツの計時技術に対する最新のアプローチであり、現在の自律型クオーツ時計の精度記録はシチズンが保持しているが、それでもアストロンGPS時計は非常に魅力的な一連の特長を提供している。
 そこには、実用的な観点から見て必要とするよりもはるかに高い精度に加え、絶対安心な太陽光充電、そしてGPSネットワークにより検出された位置に基づき時間表示を自動的に更新する機能が含まれる。一般的な議論として、このような高い精度は、スマートフォンあるいはスマホで制御するスマートウォッチを持つ誰もが享受できるというものがあるが、もちろん、そのようなシステムのバッテリーが2日と持たないことは、GPSアストロンならどのような外部電源からもはるかに自由でいられることを意味する。

 これらの技術的な特徴は時計の信頼性にとって不可欠なものだが、当然ながら、この時計は特に本格的なセイコーコレクターや愛好家に向けて製作されたものといえる。わずか50本しか製造されず、アメリカでの価格は3万6000ドルということで、この値段はその限定性に見合っている。歴史的にいえば、このことも偶然ながらオリジナルモデルにほぼ忠実であるといえよう。
 最初に発売されたとき、オリジナルのアストロンの値段は1969年において45万円で、これはあるオンライン通貨計算機によると、現在の約160万円相当、つまりおよそ1万5000ドルに匹敵する。私が聞いた例えの一つは、オリジナルの値段は「トヨタ・カローラの新車より高い」というものだ。現在の最も高価なカローラにすべてのオプションを付けて最大化すると約3万ドルの車となるので、この例えは妥当といえよう。価格は別としても、新しい1969クオーツ アストロン50周年記念限定モデルは、オリジナルがもたらした多くのことをもたらしている: 技術力および思想的リーダーシップの表明として機能すると共に、限定性も非常に高い。

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基本情報

ブランド:セイコー
モデル名:1969クオーツ アストロン50周年記念限定モデル
型番:SBDX002

直径:40.9mm
厚さ:12.8mm
ケース素材:18KYG
文字盤色:ゴールド
インデックス:アプライド
夜光:あり
防水性能:100m
ストラップ/ブレスレット:クロコダイルストラップ、18Kゴールド三つ折れ中留クラスプ


ムーブメント情報

キャリバー:3X22
機構:GPSによる日時制御、パーペチュアルカレンダー機能(西暦2100年まで)
パワーリザーブ:およそ108億年 (太陽の推定寿命)
追加情報:高速タイムゾーン修正機能、パワーセーブ機能


価格・発売時期

価格:380万円(税抜)
販売時期:発売中
限定:50本