Introducing ブレゲ　クイーン・オブ・ネイプルズ 8918 グラン・フー・エナメルダイヤル

　ブレゲのクイーン・オブ・ネイプルズコレクションは、ある依頼人と時計職人とのつながりから生まれたものだ。時計師はもちろんアブラアン - ルイ・ブレゲ、顧客は1808年から1815年までナポリの王妃だったカロリーヌ・ミュラ（Caroline Murat）である。カロリーヌ・ミュラ王妃は、ブレゲの時計の熱心なコレクターで、生涯に30個以上の時計を所有し、その中にはリピーター機構と温度計を備えたユニークな楕円形の腕時計も含まれていた。

　2002年に発表されたクイーン・オブ・ネイプルズコレクションは、この時計を基にしたもので、それ以来、様々な形状やデザインのモデルが誕生してきたが、その全てがオリジナルの珍しいオーバル型のフォルムをベースにしている。最近、ブレゲは18Kホワイトゴールド製ケースに自社製キャリバーを搭載した最新のクイーン・オブ・ネイプルズ 8918を発表した。Cal. 537/3と、最も注目すべきは、 クイーン・オブ・ネイプルズ コレクションに初めて採用されたで非常にエレガントなグラン・フーエナメル文字盤である。

　ベゼルだけでなく、文字盤内のフランジにも117個のダイヤモンドがセッティングされ、リューズにも0.26ctのブリオレットカットダイヤモンドがセッティングされている。

　クイーン・オブ・ネイプルズは、レディスウォッチとは何か、女性らしさの表現とは何かという伝統的な概念にしっかりと根ざしている。今日ではそうしたものには反発が付き物だが、時計製造にはまだまだそのような考え方ができる余地があるのではないかと私は思う。とはいえ、時計にジェンダーを纏わせることで、誰もが身に着けることができないというのは、今まで以上に好ましく思われないのも事実だ。とはいえ、「クイーン・オブ・ネイプルズ」は、このジャンルの中でも非常に成功した例であり、特に最初から伝統的でエレガントなレディス・ドレスウォッチとしてのアイデンティティを備えている（典型的なメンズウォッチを「小さくしてピンクにする」という例ではないことは明らかだ）。

　エナメルは写真で評価するのは非常に難しい。エナメル文字盤というものは、プレスリリースの画像では期待できそうに見えても、実際には非常に残念な印象を受けることが何度もあったが、この8918ではそのような印象はない。細身で滑らか、そして美しくコントロールされた曲線が上方向に沿って続く、数字の細長い下向きのストロークには特に魅了されるだろう。この時計は、最も成功したクイーン・オブ・ネイプルズの時計達と同様に、気楽なエレガンスと自信に満ちたスタイルを放ち、まさに“王室”そのものだ。またお祝い事のイベントに出かけるようになったら、この時計は見て楽しい時計であり、着けてさらに嬉しくなる時計だろう。

ブランド：ブレゲ（Breguet）
モデル名： クイーン・オブ・ネイプルズ 8918（Reine de Naples 8918）
型番： 8918BB/28/964 D00D 
直径：36.5mm × 28.45mm
厚さ：10.5mm
ケース素材：ホワイトゴールド
文字盤色：グラン・フーエナメル
防水性能：30m
ストラップ/ブレスレット：ブルーアリゲーターストラップ、フォールディングバックルに28のダイヤモンドをセッティング。約0.17ct

キャリバー：ブレゲ自社製Cal. 553/7
機構：時、分表示
直径：8 3/4 リーニュ
パワーリザーブ：45時間
巻き上げ方式：自動巻き（手巻き付き）
振動数： 3.5 Hz（2万5200振動/時）
石数：26
その他：シリコン製ヒゲゼンマイと レバー脱進機 ；6姿勢で調整済

価格：405万円（税抜）
販売時期：ブティック再開次第
限定：なし（ただし生産数は限定的）

詳細についてはブレゲ公式サイトへ。