trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Hands-On ショパール ミッレ ミリア GTS パワーコントロール “デザートレーサー”を実機レビュー

時計のカスタムを芸術の分野まで押し上げた男性によるもうひとつの作品。

Photos by Tiffany Wade

我々のよき友人であるジョージ・バンフォード(George Bamford)氏は、時計のカスタムという、時計業界の非常に特殊な領域を切り開き、その考えを主流にしてきた人物だ。彼は(言い方が悪いが)業界外から業界内に持ち込んだのだ。2017年、タグ・ホイヤーは彼をブランドの公式カスタマイザーにし、ゼニスも同様にしたが、このようなことは今までなかった。その後数年間で、彼はカスタマイズ一辺倒から自身の名前で時計を作るようになる。我々も、そんなジョージ氏とコラボレートした時計があり、そこにはピーナッツもあった。

 しかし、彼は著名ブランドの既存モデルから、自身のクリエイションを生み出す情熱を失っていない。そしてその理想は、私が最近ともに時間を過ごすことができた、ショパール ミッレ ミリア GTS パワーコントロール “デザートレーサー”にも受け継がれている。この時計は、既存のミッレ ミリア GTS パワーコントロールをベースに、バンフォードのタッチを加えているのが特徴だ。また、彼のほかのカスタマイズと同様、これもショパールの共同社長であるカール‐フリードリッヒ・ショイフレ(Karl-Friedrich Scheufele)氏に直接の依頼をして実現したという、個人的な趣向を色濃く反映したものだ。

ショパール ミッレ ミリア GTS パワーコントロール “デザートレーサー”

 その結果、ブラックとオレンジのカラーパレットによって、砂漠からインスピレーションを得たことを想起させる、ある種控えめな姿勢を備えた時計が誕生した。この時計がさらに興味深いのは、単なるアイデアではなく、完成後にバンフォードがテストした時計だということだ。彼は前回のナショナル・オフロード・レーシング・アソシエーションにて、メイヤーズ・マンクスのバギーにそれを持ち込み、時計は語り継がれることになったのである。

ショパール ミッレ ミリア GTS パワーコントロール “デザートレーサー”のリストショット

 私はその時計を見たことがないが、ジョージ氏が自分のために持っていてくれることを願っている。そう、私が手にしたのは世界限定50本のうちのひとつだ。イメージにピッタリな、ブラックとオレンジのペリカンケースに収められていた。ケースから時計を取り出すとビーズブラスト仕上げのグレード2チタン製であることがわかるほど軽量だった。

 ミッレ ミリアモデルといえば、ヴィンテージのような魅力やクロノグラフでよく見慣れていたが、そのふたつの要素はここにはない。その代わりにこのタイム&デイトモデルは、クルマにインスパイアされたベゼルと堅牢なバンフォードのスタイリングが詰まった、とてもモダンな雰囲気を醸し出している。この時計と一緒に過ごすうちに、私の心を掴んでいった。

ショパール ミッレ ミリア GTS パワーコントロール “デザートレーサー”のダイヤル
ショパール ミッレ ミリア GTS パワーコントロール “デザートレーサー”のケースとラグ
ショパール ミッレ ミリア GTS パワーコントロール “デザートレーサー”の文字盤寄り

 この時計は、質感とステルスな視認性がすべてだ。先ほどビーズブラスト仕上げのケースについて触れたが、マットな質感の文字盤には、重厚な12と6のアプライドインデックスをあしらっており、視覚的なアクセントとして注目を集めている。そのおかげでパワーリザーブインジケーターと日付表示が背景に溶け込むので、これはいいデザインだ。だからといって日付がわかりにくいというわけではない。必要なときに、そこにあるのだ。

 ベゼルの文字からパワーリザーブ、秒針の小さなハッシュマークまで、オレンジ色のアクセントをふんだんに使用している。ケース直径はスペックシート上だと43mmとあるが、手首周り約6.5インチ(約16.5cm)の私がテキスタイルストラップのサイズを調整してつけてみると、フラットなケースがとてもよくフィットすることがわかった。オールブラックのチタン製ケースのカラーリングが、実際よりも小さく見える理由になっているのだろう(事実その可能性は高い)。

ショパール ミッレ ミリア GTS パワーコントロール “デザートレーサー”のリストショット

 内部には自社製の01.08-Cを搭載している。クロノメーター認定済みで、2万8800振動/時(4Hz)の振動数に、約60時間パワーリザーブを備えており、このキャリバーはシースルーバックから鑑賞することが可能だ。これは独立系の家族経営ブランドでありながら、極めて優れたムーブメントを製造するショパールにおいて、最も過小評価されている点のひとつである。

ショパール ミッレ ミリア GTS パワーコントロール “デザートレーサー”に搭載されたChopard 01.08-C
ショパール ミッレ ミリア GTS パワーコントロール “デザートレーサー”に搭載された9時位置のパワーリザーブ
ショパール ミッレ ミリア GTS パワーコントロール “デザートレーサー”のバックル

 このデザインが好きではない人がいるかもしれないが(まあ50本しかないから問題ない)、でもショパールがバンフォードとコラボするのは本当に素晴らしいことだと思う。一家(ショパール)の理想をもうひとつ上のレベルに引き上げてくれるからだ。個人的にはこれを選ぶつもりはないが、ジョージ氏の好みを具現化しており、彼の個性の延長線上にあるものとして評価できる。手首にショパールをつけて、デューンバギー(砂丘や砂漠で走行可能なオープンカー)に乗る彼の姿はただただほほえましい。そして、それこそが常にあるべき姿なのだ。

ショパール ミッレ ミリア GTS パワーコントロール “デザートレーサー”。Ref.168566-3019。ビーズブラスト仕上げの軽量なグレード2チタンケース、43mm径、100m防水。グレイン仕上げブラックカラーダイヤル、ホワイトオレンジデカール、スーパールミノバを塗布したアラビア数字とアワーマーカー。自動巻きCal.Chopard 01.08-C、28.8mm径、4.95mm厚、2万8800振動/時、約60時間パワーリザーブ、クロノメーター認定済み。ブラックテキスタイル(織り効果を持つエンボス加工)ストラップ、SS製フォールディングクラスプ。世界限定50本。価格は146万3000円(税込、完売)

Shop This Story

ショパール ミッレ ミリア GTS パワーコントロール “デザートレーサー”の詳細については、ショパール公式ウェブサイトをご覧ください。HODINKEEはショパールの正規販売店です。