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Introducing グランドセイコー エレガンスコレクション SBGW262(編集部撮り下ろし)

黒漆の文字盤の上で佇むゴールドとプラチナ。

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グランドセイコーが、スリムな手巻き機械式ドレスウォッチのラインを発表したのは昨年のこと。初期の例には、SBGK002、SBGK004、SBGK006、そしてスティーブンが1週間を共に過ごしたモデル、SBGK005が含まれている。

 伝統的なラウンドドレスケースとトノーの境界線を越えたような、レトロな雰囲気の美しく細身なケースシェイプに加えて、新しいエレガンス "スリム"にはいくつかの共通点があった。その中でも最も顕著なのは、スモールセコンドとパワーリザーブを備えた新しい手巻きムーブメント9S63の採用と、一部のケースでは蒔絵をアクセントにした美しい漆文字盤が採用されていたこと。今日、我々はグランドセイコー エレガンスコレクションのストーリーの中で最も新しく進化した、手巻きモデルであるSBGW262をご紹介する。こちらも39mm × 11.6mmという、スリムで控えめなケースに収められている。しかし、昨年の上記の時計とは異なり、この最新作の心臓部にはCal.9S64を搭載。中心軸から時、分、秒を表示している。

 グランドセイコーの時計の大部分がそうであるように、SBGW262の文字盤は引き込まれるような何かがある。同ブランドは、文字盤のデザインと仕上げの最高の実践者のひとつとして、多くの時計愛好家に注目するようになった。同社は、伝統的な時計工場の技術を用いてこの評判を得ているが、例えば、この時計の針の完璧な手仕上げによる磨きにも注目していただきたい。また、日本の独自技術も駆使されている。それは、私を含めた多くのグランドセイコー愛好家が、彼らの時計の特徴の一部として見てきた特別なディテールである。
 SBGW262では、深みのある黒漆の文字盤に蒔絵のアクセントを加えている。アワーマーカーにはプラチナ粉末、カーディナルポジションの数字には24金粉末を使用。昨年発表されたローズゴールドのSBGK002とSBGK004にも同様の文字盤があったが、SBGW262では数字に2つの蒔絵を追加で使用しているため、製造コストが高くなっている。

 漆の木に由来する天然物質である「漆」で表面を仕上げることは、宝飾品の小箱や家具、味噌汁のお椀など、日本の伝統的な製品の多くに見られる職人技である。しかし、全ての漆の品質が同じというわけではない。国産漆は、日本の漆の中でもごく一部を占めるもので、SBGW262では最高級の漆を使用。本機の文字盤には、グランドセイコーの雫石時計工房の近隣に位置する、岩手山からほど近い浄法寺町とその周辺の木から採取した漆が使われている。漆と鉄を混ぜ合わせた漆によって、文字盤は漆黒のような色に仕上げられている(上下写真を参照)。そして、インデックスや数字にも職人技が息づいており、蒔絵の技法を用いて、金属を粉にして文字盤に組み上げているのだ。

 グランドセイコーの新作ドレスケースを初めて見たとき、そのデザインの美しさに惹かれ、1970年代に流行したトノー型に分類されるのではないかと思った。しかし、よく見てみると、私の最初の印象はあくまでも印象であり、このデザインを十分に捉えきれていないことに気がついた。鏡面仕上げの盛り上がったベゼルと下向きに傾斜したラグを見ると、伝統的なラウンドドレスウォッチの要素とトノーの要素が融合したような複雑なデザインのケースであることが分かる。

 よくある批評の1つは、グランドセイコーの機械式時計がドレッシーなものとされている場合でも、直径に対してやや厚いことだ。私はたまたまグランドセイコーエレガンスコレクションの別の時計、39.5mm x 13.7mmのSBGM221を所有しており、この批判が確かに一部正論であることに同意する。個人的には、時計が大きすぎるとは思わなかった。 それどころか、私のSBGM221は、カジュアルなデイリーウォッチとして、またはドレスウォッチとしても着用できる存在感をもっていると思う―私は結婚式でこの時計を着用したのだが、一方でジーンズ、セーターと組み合わせて、秋と冬に日常使いできる数少ない時計の1つでもある。

 今日ご紹介している時計は、もっと純粋なドレスウォッチだ。SBGW262―それにしても、スリムな新ケース形状を採用した手巻き時計の全てが、厚さに対する批評にしっかりと回答している。私のような中型の手首にも心地よくフィットし、ローターがないことで手首への安定感がさらに増している。日本の伝統工芸を活用し、グランドセイコーの何が違うのかを示すような、紛れもなくドレッシーなグランドセイコーがあったとしたら、それはこのイエローゴールドのSBGW262かもしれないと思う。

 このリファレンスの中心には、サファイアのケースバックから見える、お馴染みのムーブメントがある。SBGW231のような古典的なグランドセイコーの手巻きモデルには、信頼のおける9S64が搭載される。この9S64は、72時間(3日間)のパワーリザーブをもつ。手巻き時計という事実を考えると重要なポイントで、十分な3日間のパワーリザーブというのは、SBGW262が、オフィスで着用され、週末外していたとしても、月曜日の朝に持ち出す際に時刻合わせをしなおす必要がなく、そのまま日常でも素晴らしいドレスウォッチになることを意味する。グランドセイコーは、Cal.9S64を、静的精度で日差+5/3秒以内であるとしている。純粋に逸話として、私が所有し、定期的に着用しているグランドセイコー メカニカルGMTではさらに優れたパフォーマンスを体験していることをお伝えしておきたい。

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 日付表示がないということは、たとえSBGW262がごく稀な特別な日に使われる場合であっても、数秒で時刻設定が完了するということを示している。グランドセイコーは通常、考え抜かれたデザインで、日付表示窓を文字盤の中に調和するようにフレーミングするのだが、この日付表示のない漆文字盤に蒔絵のアクセントをつけたのは、使い勝手という意味では非常にメリットがあると思う。

 今年はグランドセイコー創立60周年(もちろんセイコー自体はもっと古い)という節目の年だ。SBGW262はこの記念すべき年の限定モデルでこそないが、1960年の創業以来、グランドセイコーがいかに歩みを進めてきたかを感じさせると共に、日本の伝統工芸と高級時計の融合の結果として非常に魅力的なモデルだと思う。


基本情報

ブランド: グランドセイコー(Grand Seiko)
モデル名: エレガンス コレクション(Elegance Collection)
型番: SBGW262

直径: 39mm
厚さ: 11.6mm
ケース素材: 18Kイエローゴールド
文字盤色: ブラック(黒漆)
インデックス: アラビア数字
夜光: なし
防水性能: 日常生活防水
ストラップ/ブレスレット: 18Kイエローゴールド製ピンバックル付きブラックレザーストラップ


ムーブメント情報

キャリバー: 9S64
機能: 時、分、秒
パワーリザーブ: 最大巻上時約72時間(約3日間)
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 24石
クロノメーター認定: なし


価格&発売時期

価格: 320万円(税抜)
販売時期: 発売中
限定: なし

詳細は、グランドセイコー公式サイトへ。