ダイバーズウォッチを探している人に話を聞くと、いつもロレックスのサブマリーナやチューダーのダイバー、オメガのシーマスターなどのバリエーションを探している印象があります。僕はこの種の時計にまったく抵抗はありませんし、実際、オリジナルのブラックベイ フィフィティ-エイトを所有していたほどですが、“いつもの顔ぶれ”以外にも素晴らしい選択肢がたくさんあります。幸運なことに、僕はそのような素晴らしい選択肢のひとつ、ロンジン ウルトラ-クロン ダイバーズウォッチと1週間過ごす機会がありました。
僕にとってダイバーズウォッチは、何でもできて、どこにでも行けて、どんなアウトドア活動にも耐えられるものです。僕はダイバーではありませんが、スノーボードには腕に覚えがあるので、ウルトラ-クロンを雪山で試してみようと思いました。早い話が、僕がダイバーズウォッチと見込んだとおり何の問題もありませんでした。少し回りくどくなりますが、ウルトラ-クロンをもっと多くの人に知ってもらいたいと思い、この記事を書くことにしました。
ウルトラ-クロンは、完全な復刻版ではありませんが、1960年代後半にリリースされた初代ウルトラ-クロンに大きくインスパイアされたモデルです。ロンジンには、インスピレーションを得るために選び抜かれた分厚いカタログがあり、ウルトラ-クロンは、現代に新鮮さをもたらす素材としては非常に適格な選択だと思います。クッション型のケースは、ダイバーズウォッチの分野ではあまり見かけない遊び心のあるデザインです。現行モデルは43mmというモダンなケースサイズで、デイト表示をなくし、ダイヤルを少しすっきりさせました。また、オリジナルの特徴であったハイビートムーブメントの採用も踏襲しています。
Cal.L836.6を搭載し、5ヘルツ(毎秒10振動、3万6000振動/時)のハイビート、52時間のパワーリザーブ、シリコン製ヒゲゼンマイ、耐磁性のある脱進機を備えています。さらに興味深いのは、ロンジンが“ウルトラクロノメーター”と呼ぶ新しいクロノメーター認定を取得している点です。
ロンジンは、パテック フィリップやヴァシュロン・コンスタンタンなどの高級ムーブメントに採用されているジュネーブ・シールを提供するジュネーブのTIMELAB社と提携し、ウルトラクロノメーター認定に向けたウルトラ-クロンの精度テストに協力を仰ぎました。COSC認証とは異なり、ムーブメントはケースに完全に収められた状態で15日間連続(COSC認証では10日間)でテストされ、さまざまな温度環境に晒されテストが実施されます。この1週間、ムーブメントは日差+1~+2秒の僅かな誤差で推移しましたが、これは僕の予想をはるかに超えるものでした。
L836.6は、ETAとのコラボレーションにより、ロンジンのために特別に設計されました。厳密には自社製とは定義されませんが、ロンジンとETAはスウォッチグループの傘下にあるため“グループ内”製ムーブメントと呼ぶのが適切でしょうか。ダイバーズウォッチを前提としたとき、ムーブメントが自社製であるか、グループ内であるか、あるいは外部供給されたかは重要ではありません。重要なのは、それが宣伝文句どおりに機能すること、問題を起こさないこと、そして正確であること、つまりれっきとした時計であることなのです。
さて、ロレックスやチューダー、あるいはロンジンの姉妹ブランドであるオメガのカタログに、ハイビートムーブメントを搭載したダイバーズウォッチがあるでしょうか? そう、ありません。それにロレックスもオメガも、ロンジンが提供する55万6600円(税込)という価格よりもかなり高価な時計です。ロレックス サブマリーナーは108万4600円から、オメガのシーマスターダイバー300Mはブレスレット付きで79万2000円(ともに税込)からです。ウルトラ-クロンは、ムーブメントだけで、大きな価値を提供するのです。
ウルトラ-クロンは、素晴らしいムーブメントを搭載しているだけでなく、ハンサムな時計でもあります。確かに、43mmは大きすぎると思う人もいるかもしれませんが、僕の18.4cmの手首周りではそうでもありませんでした。また、直径だけでは、手首へのフィット感を正確に計算することはできません。ラグからラグまでの縦幅48mmは、少なくとも実測では、現行のロレックス サブマリーナーより約0.3mm長いだけであることを考慮する必要があります。真正面から見ると、その差はまず見分けがつきません。
見た目は主観的なものなので、ぜひご自分で実際に手にとって確かめてみてください。また、僕が南仏アルプスでC+レベルのスノーボードスキルを披露している冒頭の動画もご覧ください。この時計の素晴らしいシーンもありますよ!
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