Introducing: ロンジン　フラッグシップヘリテージブラック文字盤（編集部撮り下ろし）

クイック解説

ロンジンは、ヘリテージコレクションから新たにフラッグシップヘリテージのブラックダイヤルを発表した。オリジナルのロンジンフラッグシップヘリテージは、1950年代から60年代にかけて、その名を冠したドレスウォッチフラッグシップのいくつかのモデルからインスパイアされたもので、シルバー文字盤とゴールドのアクセントが特徴だ。この新しいブラックダイヤルのバリエーションは、まさにその時計をさらに進化させたものである。

　艶やかなブラックの文字盤にピンクゴールドの針、インデックス、ロゴを配し、ステッチが施されたレザーストラップを装着している。ケース径38.5mmで、6時位置にブラックのデイトウィンドウを備えたこの時計は、ヴィンテージ感とミッドセンチュリー感、そして現代的な装着性と機能性を兼ね備えている。

ファースト・インプレッション

　ロンジン初のフラッグシップモデルは1957年に発表されているが、本機のデザインは特定の時計を正確に再現したものではなく、長年の製造期間を経て、いくつかのフラッグシップモデルを組み合わせたものだ。ロンジンがヘリテージコレクションの中で、この時計をインスピレーションとして使用したのはこれが初めてではない。2017年には60周年記念モデルを発表しているし、もちろん、前述のシルバーダイヤルモデルも存在する。

　この新しい時計は、ブラックダイヤルにピンクゴールド色のインデックス、針、ロンジンのロゴがアクセント。光沢のあるブラックダイヤルは、日付窓の背景も同じトーンのカラーに合わせられている。また、本機は、伝統的なサブダイヤルを省略し、中央付近の "Flagship "の印字よって分断された、オープンセクタースタイルのデザインを採用している。これはおそらく、時計史においてミッドセンチュリーを連想させる最も刺激的なデザインだろう。針、インデックス、文字盤、ケースは全て非常に伝統的だが、この時計に多くの個性と味わいを与えているのはセクターサブダイヤルである。

　もちろん、本機には、往年のフラッグシップウォッチのオリジナルデザインからいくつかの変更が加えられている。その変更の中で最も注目すべきは、6時位置のスモールセコンドの下に日付表示を搭載したことだろう。次の変更点はサイズで、ヴィンテージモデルの35mmに対し、38.5mmとなっている。機能面と読みやすさのために、アルファ針の上には、夜光塗料がスリット状に目立たない形で配置されている。

　フラッグシップという名前にふさわしく、ケースバックには深いブルーとゴールドのエナメルで描かれたキャラベル船の刻印が施されている。これはヴィンテージモデルでもヘリテージフラッグシップでもよく見られるデザインだ（キャラベル船とは16～17世紀の古い商船のことで、フラッグシップとは提督を乗せた艦隊の船のことを指す）。シースルーバックが現代の発明品であるのに対し、ケースがしっかりとした閉じた裏蓋は、確かにヴィンテージウォッチのデザインであるとうなずける。またこの時計は、ETA 2895-2から派生したL615ムーブメントを搭載している。

　手首の上では、基本的にサイズ通りの着け心地だが、ブラックダイヤルのため見た目は実寸よりもやや小さく感じる。三角形のアワーマーカーは、12、3、9のマーカーよりも大きくなっている。ダイヤルの内側にある、白く塗りつぶされた円形のミニッツマーカーによって、短めのアルファ針が全てのインデックスを間近で示すことを可能にしている。日付窓が含まれているのにも関わらず、全体的に素晴らしいバランスとシンメトリーさを維持している。

　ヘリテージフラッグシップは、20万円以下で購入できるため、この時計に内在する価値をそれだけで十分に物語っているだろう。普段よりもっとドレッシーなものをお探しの方にも、日常的に使える汎用性の高い時計をお探しの方にも、この時計はぴったりだ。本機は、無反射コーティングを何層にも重ねたサファイアクリスタルを採用しており、ストラップには白いステッチが施されたブラックアリゲーターが付属している。

基本情報

ブランド: ロンジン（Longines）
モデル名: フラッグシップヘリテージ（Flagship Heritage）
型番: L4.795.4.58.0

直径: 38.5mm
厚さ: 10mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: ブラック
インデックス: ピンクゴールド色のインデックス
夜光: あり
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ブラックアリゲーターストラップ