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我々が知っていること
F.A.T.インターナショナル(モータースポーツとライフスタイルに関わるブランド)のメンバーが、伝統の地オーストリア・ツェル・アム・ゼーで開催されるアイスレースの新たな幕開けとともに帰ってきた。そしてこのイベントの開催に合わせ、またしても特別仕様のポルシェデザイン クロノグラフ1が登場する。F.A.T. 2025 エディションではクロノグラフ1の精悍なブラックアウトデザインに加え、鮮やかなホワイトダイヤル、ブラックインデックス、鮮烈なレッドのアクセントが施されている。さらにF.A.T.仕様の特別なカスタマイズが施されているだけでなく、この際立つポーラーダイヤルは、実はフルルミナス仕様なのだ。そう、これは夜光ダイヤルを搭載したクロノグラフ1である。まさに“アイスレースのようにクール”な1本だ。
アイスレース(旧GPアイスレース)は、ツェル・アム・ゼーで開催される年に一度のイベントであり、1950年代から続く氷上や雪上でのカーアクティビティの伝統を受け継いでいる。近年はフェルディ・ポルシェ(Ferdi Porsche)氏の主導で復活し、レース、カーショー、音楽フェスティバルが融合した一大イベントとなっている。数年前にはコール(・ペニントン)がツェルでの大会に参加し、昨年は僕がベン(・クライマー)とともにアスペンでの開催に同行した。これらの体験談はイベントの雰囲気をより深く知る手助けとなるだろう。また、時計やクルマに関わる仕事のなかでも特に印象深い1日となったフェルディ氏とのTalking Watchesもぜひチェックしてほしい。
リンクの紹介はこのあたりにして、本題の時計に戻ろう。これまでにもポルシェデザインのGPエディションやF.A.T.エディションを取り上げてきたが(ちなみに2023年モデルはこちら)、2025年版ではクロノグラフ1のフォーマットがほぼ固定されているなかで、実に新鮮なアプローチが採られている。スペックから見ていくと、ケースとブレスレットの素材はチタンで、サイズは40.8mm径、厚さ14.15mm。ケースとブレスレットはブラックのチタンカーバイドコーティングおよびビーズブラストによるマット仕上げとなっている。デザインは1972年のオリジナルを踏襲しつつも、最大の見どころはダイヤルにある。
極寒のホワイトダイヤルは全面にスーパールミノバを塗布した仕様となっており、オリジナルデザインの反転版ともいえる。ブラックとホワイトを入れ替えることで、ホワイトベースにブラックのマーカー、レッドのアクセントが映えるデザインとなった。細部を見ていくと、クロノグラフのアワーカウンターにはシルエット化された962のレーシングカーが組み込まれている(“6”部分を巧みに“962”の“6”に活用している)。さらに、日付表示の下にはホワイトオンホワイトでF.A.T.のロゴを配置。加えて週末の曜日表示(土と日)が“F.A.T.”の赤字に変更されており、特別仕様の遊び心が感じられる。
この時計の心臓部には、ポルシェデザインの自動巻きクロノグラフムーブメント、WERK 01.240が搭載されている。このムーブメントはフライバック機能付きの12時間クロノグラフに加え、時刻表示、曜日、日付表示を備えている。COSC認定を受けており、振動数は2万8800振動/時(4Hz)、パワーリザーブは約48時間だ。さらにポルシェデザイン独自のツールが不要なクイックチェンジシステムにより、ブレスレットから付属のF.A.T.仕様のフック&ループ式ファブリックストラップへ簡単に交換できる。
このモデルはイベントを記念し、ポルシェ 962にインスパイアされた限定136本の特別仕様となっている。ポルシェデザイン クロノグラフ1 F.A.T. 2025 エディションの販売価格は1万1500ドル(日本円で約180万円)。詳細なスペックは以下に記載する。
我々の考え
僕はこれが大好きだ。だがそれも当然のことだ。標準モデルのポルシェデザイン クロノグラフ1もアイスレースも、ホワイトダイヤルにブラックアクセントのデザインも、そして何より夜光ダイヤルが大好きなのだから。個人的な好みを超えて、このデザインの秀逸さは単にブラック×ホワイトの配色を反転させただけではなく、それを最大限に生かしている点にある。特に見返しリング(ダイヤル外周のリング)に施されたホワイトのテキストが全体のデザインを引き締め、白いダイヤルがブラックケースのなかで浮いて見えないようにうまくバランスを取っている点が素晴らしい。
何より夜光の輝きを見て欲しい! 夜光ダイヤルには、子どものころに遊んだ光るおもちゃや、インディグロを搭載した初期のタイメックスを思い出させるノスタルジックな魅力がある。純粋に楽しくクリーンなデザインで、時計界のなかでも自動車と結びつきの深いこのモデルに採用されたのはうれしい限りだ。さらに、ルミナスダイヤルの遊び心はアイスレースの楽しさとも絶妙にマッチしている。本当に全面夜光が必要か? そもそも氷や雪の上でクルマを走らせる必要があるのか? その答えはあなた次第だ。だがもし迷っているなら、来年のツェル行きのチケットを手配してみるといい。フェルディ氏がきっと決断を後押ししてくれるだろう。
光り輝くダイヤルや随所に仕込まれたユーモラスな要素が、限定モデルとしての特別感を際立たせている。しかし、それらを除いてもこれはクロノグラフ1だ。ポルシェデザインが50年以上にわたり守り続けてきたこの時計は、クラシックな魅力を持ちながらも、意外なほど実験的なアプローチにも適したプラットフォームであることが改めて証明された。
確かにプレミアムな価格帯ではあるが、実際に数量が限定されている点や、既存のフォーマットを生かしつつ独自のキャラクターを持たせた点が非常に魅力的だ。クロノグラフ1のDNAを受け継ぎながら、限定モデルならではの個性をしっかりと表現している。伝統と革新を融合させるこのアプローチはいかにもポルシェらしい。
基本情報
ブランド: ポルシェデザイン(Porsche Design)
モデル名: クロノグラフ1 F.A.T. 2025 エディション(Chronograph 1 F.A.T. 2025 Edition)
型番: 6041.8.01.003.10.2
直径: 40.8mm
厚さ: 14.15mm
ケース素材: チタン(ビーズブラスト仕上げ、ブラックチタンカーバイドコーティング)
文字盤: フルルミナス仕様のホワイト
インデックス: ブラックペイント
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: カーバイド仕上げのチタン製ブレスレット(微調整可能なクラスプ)、 F.A.T.アイスレース2025仕様のフック&ループ式ファブリックストラップ付属
ムーブメント情報
キャリバー: ポルシェデザイン性WERK 01.240
機能: 時・分表示、スモールセコンド、日付・曜日表示、クロノグラフ
直径: 30mm
厚さ: 7.9mm
パワーリザーブ: 約48時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 25
クロノメーター: あり
価格 & 発売時期
価格: 1万1500ドル(日本円で約180万円)
発売時期: 2025年2月1日
限定: あり、世界限定136本
詳しくはこちらをご覧ください。
Photos by Mark Kauzlarich
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