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Hands-On ロレックス コスモグラフ デイトナ レインボー エバーローズゴールド

愛に限界はない。

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さて、バーゼルワールド2018から2年が経過したわけだが、わたしはあるモデルに今でも夢中。そう、ご想像の通り、それは「レインボー デイトナ」。この時計になぜそれほど惹かれているのかお伝えしたいけれど、こだわりを言葉にするのはとても難しい。正直に認めよう。言葉では十分に伝えきれない場合もある。認めたくないけれど、新しいエバーローズのレインボー デイトナを初めて見たときは手が震え始め、手のひらに汗が出てきた。そして目の奥に熱い涙がこみ上げ、ヒリヒリした。ひと目ぼれだった。そのような反応をしたのはわたしだけ、というのは控え目な表現だろう。同僚からはかなり白い目で見られたが、気にしない。この時計はとても素敵だ。今回はその理由を述べたい。

レインボー デイトナ万歳!

 レインボー デイトナは、2012年にホワイトゴールドとイエローゴールドで初めて発売された。ごくわずかの数量が製造されたが、すぐにカルト的なステータスを獲得し、価値はほぼ3倍に上昇している。2018年、ロレックスはエバーローズゴールドのバージョンを発売し、わたしたち皆を驚かせた。この素材を使ったことでさらに見事な出来栄えとなった。本機は以前の2つのバージョンと大変似ているが、ケースとブレスレットには新しい金属が使用されている。またインデックスも異なっており、それほど違いはないように見えるかもしれないが、大きなインパクトを放っている。

 本機の正式名称は「レインボー デイトナ」ではない。(2018年までの)6年間、親しみを込めてそう呼ばれてきただけだ。正式には「ロレックス コスモグラフ デイトナ Ref. 116595RBOW」と呼ばれ、サファイアとダイヤモンドが散りばめられたケースを備えた貴金属製クロノグラフだ。レインボー デイトナは、ロレックス独自のピンクゴールド合金(理想的なバラ色)である「エバーローズ」でできている。黒漆の文字盤とピンクゴールドクリスタルのサブダイヤルを備え、ベゼルにはバゲットカットの36個のサファイアが、ラグとケースには50個のダイヤモンドがセットされており、インデックスには彩色されたサファイアが配される。
 時計本体は自動巻きのCal. 4130で駆動し、100mの防水性能。だから、そう、この時計で泳ぎに行くこともできる。わたしは普段そのようなことはおすすめしないが、本機ならば大いにおすすめだ。ビーチで、水中で輝いているところが想像できない!? わたしはできる。

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 エバーローズゴールドが、ベゼルの色を本当に引き出している。このピンク色には、全てを引き立て、レインボー色のベゼルをさらに生き生きとさせる効果があると思う。現実的に、それが本機に真に必要な要素だったのだ。最大の変更点(公正にいえば変更点は2つしかないが)であり、わたしが完全に引き込まれたのが、新たなインデックスだ。というか、皆さんはインデックスをご覧になっただろうか? 今回は、ベゼルのグラデーションと完璧にマッチした彩色サファイアになっている。以前のモデルはダイヤモンドをあしらったインデックス(同じく黒ラッカー文字盤)が特徴だった。今回の変更点のおかげで、さらにまとまった見た目となっているが、依然、強く自己主張をしている。そんなときに何と表現するか、ご存知だろう。「神は細部に宿る」だ。

個人的に最高だと思う点が、ベゼルのグラデーションに合ったインデックス。

 本機が最高なのは、とてもロレックスらしいということだ。標準的なデイトナかつ、伝統的なクロノグラフ(ツールウォッチ)。そして特別な業者から調達された、完璧にマッチしたハンドカットのサファイアを手作業で飾り付けているのだ。ご存じない方のために言っておくと、ロレックスは社内に20人ほどのジェムセッターを抱え、IF(インターナリー・フローレス)品質(混じり物や傷などがない、完璧なもの)の宝石しか使わない。ロレックスはそれ以下の基準で妥協することはないため、基本的にすべての石や加工が完璧なのだ。

当然ながら、手作業で取り付けられたハンドカットのIF品質宝石。

 しかし本機をとても特別にしているのは、それらの新しい要素ではなく、むしろ時計自体の全体的な印象にある。多くの人が、この時計をケバケバしく、過剰で、悪趣味だと片付けてきた。しかしわたしにとっては、それらのいずれも当てはまらない。確かに強烈な印象だし、もし(2018年よりも)5年前にこの時計を身に着けるかどうか聞かれたら、確実に「ノー」と答えていただろう。しかし数年の間に何かが変わり、虜になっている自分を発見した。その理由は分からない。普段わたしは、とても伝統的でクラシックなものを好む傾向にあるが、本機の堂々とした無用性(それに、もちろんあの輝き)に本当に魅せられてしまった。でも純粋に美的な理由からこの時計を愛するのと同じくらい、出来栄えに魅せられているところもわたしの中にある。

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...イエス!

 実際に身に着けてみると、そこかしこに想像しうる限りの魅力をたたえている。デイトナのように身に着けられるし(当たり前だが)、リベラーチェのように映えている。そして、わたしはこれ以上ないほど愛している。夏にジーンズとTシャツを合わせ、とても素敵なビーチでロゼワインを傾けている自分を想像できるの。誰しも自分だけのレインボー デイトナの空想に浸る権利があるのだから、どうぞお好きなように。

カジュアルってこういうことだ。

 既に述べたように、本機は万人向けではない。確かに、ほとんどの人には無用でしょう! しかし、わたしはまさにその「混じり気のない高級感」が気に入っている。着け心地や実用性、機能性ではない。楽しむための時計と言っていいだろうが、そもそも時計とはそのようなものではないだろうか? 「お前はロレックスに取り憑かれている」と言われる前に、これだけは言っておきたい。もしロレックスが王様なら、わたしはささやかな臣下に過ぎない。

 もし手に入れるチャンスがあるなら、レインボー デイトナは文字盤とブレスレットにダイヤモンドなしで(そう、そのようなバージョンも存在する)9万6900ドル(約1050万円)で購入できる。