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January 19, 2021
January 19, 2021
A Week On The Wrist ロレックス スカイドゥエラー ステンレスティールを実機レビュー

A Week On The Wrist ロレックス スカイドゥエラー ステンレスティールを実機レビュー

ハイエンドなトラベラーズウォッチの最も親しみやすいバージョンだ。


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※本記事は2018年1月に執筆された本国版の翻訳です。

 スカイドゥエラーは常に少し矛盾した特徴をもっていた。ロレックスが作る時計の中で最も複雑な時計であり(機械的な複雑さという点ではヨットマスターIIに匹敵する)、2012年に発表されたときには貴金属製モデルのみだった。同時に、それは明らかに非常に実用的であることを意図されていた(耐久性があり、操作性がよく、世界中を移動しなければならない状況下でも使える、といった具合だ)。しかし、2017年、ロレックスはスカイドゥエラーの2つのロレゾールバージョン(ロレゾールとは同社の用語で、スティールとホワイトゴールドやイエローゴールドを合わせたもの)を発表し、複雑でありながら最も実用的なこの時計を、より手に取りやすい時計へと素早く転換した。エバーローズゴールドケースで、ストラップ仕様のスカイドゥエラーが3万9550ドル、ホワイトゴールドのケースとブレスレットの場合は4万8850ドルだ。これは、貴金属のスカイドゥエラーを何よりも発信力のあるものにした(例えば、Jay-Zはイエローゴールドのスカイドゥエラーを身に着けている姿がよく目撃されている)。以前、A Week On The Wrist でスカイドゥエラーを紹介したことがあるがそれはエバーローズのストラップモデルだったし、新しく少し控えめなモデルが出てきた今、スカイドゥエラーを再訪する良い機会だと思ったのだ。ホワイトゴールドのベゼルを備えたステンレススティールの新モデルは貴金属製の半額以下の価格で、最も求めやすいモデルとなった。今回のA Week On The Wristではそれをご紹介する。

Rolex Sky Dweller White Gold Rolesor

スカイドゥエラー Ref.326934は、ホワイトゴールドとステンレススティールを使用した初のモデルだ。


スカイドゥエラーの複雑機構

 スカイドゥエラーは、デュアルタイムゾーン、またはGMTコンプリケーションという2つのコンプリケーションと、年次カレンダーをもつモデルだ。前者は理解しやすいもので、2つのタイムゾーンの時刻を同時に表示し、時針は1時間単位で前後に、単独で設定することができる。後者は、時針がリューズからセットされ、時計全体を停止させることなく新しいタイムゾーンに再設定できるという"真の "GMTウォッチの機能だ。独立して設定できる24時間針を持つ、よりシンプルなデュアルタイムゾーンウォッチもあるが、旅行用の時計として使用するには、時針と分針でローカルタイムを表示し24時間針でホームタイムを表示するためにリューズをいじる必要があり、また、時針と分針を再設定しながら時計を停止するという必要が生じる。

Rolex Sky Dweller Everose

2012年にエバーローズゴールドで発表されたロレックスのスカイドゥエラー。

 年次カレンダーはスカイドゥエラーの2番めのコンプリケーションであり、比較的単純なものだ。グレゴリオ暦には長さの異なる日数があり、31日の月もあれば、30日しかない月もある。特に2月は最も変則的で、閏年か否かによって28日または29日の長さになる(閏年が29日)。永久カレンダー時計では、月に関係なく月末の正しい日の1日めに自動的にジャンプする(例えば、閏年でない場合は2月28日、閏年である場合は2月29日の午前0時に3月1日へと日付が進む)。このように、永久カレンダーでは、日付を手動で調整する必要はない。
 一方、年次カレンダーは、その月が30日か31日かは(いわば)「知っている」が、2月28日や29日に3月1日にジャンプすることは知らない。したがって、年次カレンダーは年に一度、手動で日付を再設定する必要がある。もちろん、標準的なカレンダー時計は年に5回、30日の月に1回、2月末に1回、手動で日付を進めなければならない。

 年次カレンダーには、永久カレンダーに比して明確な利点がいくつかあるが、過去数十年の永久カレンダーの設計の進歩により、そのいくつかは無くなった。永久カレンダーと比較すると、年次カレンダーは総じてより単純な機構で、所有者の誤った取り扱いによる損傷も少ないとされている。興味深いことに、年次カレンダーは腕時計界ではかなり最近の技術革新だった。
 最初の特許がパテック フィリップに与えられたのはリファレンス5035の複雑機構が発表された1996年のことだ。皮肉なことにパテックの最初の設計は比較的複雑なものだったが、永久カレンダーと同様にここ数十年の間に部品点数の削減が進み、ロレックスの年次カレンダー機構では既存の日付表示機構に4つの歯車を追加するだけで済んだ。

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リングコマンドベゼル

 スカイドゥエラーには、もちろん、第三のコンプリケーションがある。ロレックスがリングコマンドベゼルを最初に導入したのは「最も複雑なコンプリケーションをもつロレックスの一つ」であるヨットマスターIIだ。2007年に同社は、そのレガッタクロノグラフを搭載した時計を発表した。カウントダウンは1分から10分まで任意の間隔で設定でき、秒針をスタートに再同期させたい場合は、クロノグラフが作動している間にリセットボタンを押すことで可能となる。秒針はゼロに戻ってすぐに再び動き始め、分針もそれに呼応して戻る。

リングコマンドベゼルは、ロレックスの最も複雑な2つの時計に使用されている:ヨットマスターIIとスカイドゥエラーだ。

ヨットマスターIIでは、リングコマンドベゼルは、プログラム可能なカウントダウンタイマーの設定を制御するために使用される。

 ヨットマスターIIでは、リングコマンドベゼルに2つのポジションがある:ニュートラルポジションと、ベゼルを左に90°回転させてセットするアクティブポジションだ。ベゼルをアクティブポジションにすると、リューズとカウントダウン分針がリンクし、ユーザーは希望するカウントダウン時間をプログラムすることができる(詳細は2015年のHands Onでご紹介している)。 


スカイドゥエラーのカレンダーとタイムゾーン

 スカイドゥエラーのリングコマンドベゼルに進める前に、時刻と日付を読み取る方法を見てみよう。年次カレンダーを正確に機能させるため、時計を設定するときに月が分かる表示があるのが理想だ。日付はアワーマーカー上の窓を確認することで読み取ることができる。月に関しては、1年は12カ月なので、赤いマーカーの位置で何月かが簡単に分かるようになっている。写真の時計では12月が、12時の位置にある赤い月マーカーで表示されている。

アワーマーカーに隣接した赤い表示窓で月を示す。

ホームタイムは24時間リングから読み取る。

 ホームタイムを読み取るのも簡単だ。文字盤の下3分の2にある24時間リングが回転して表示される(12時の三角形が時間を示す)。これは、自宅の時刻が午前か午後かを表示するという利点もある。年次カレンダーは、現地時間にリンクされるようになっている。これは表示されている日付が(あなたが新しいタイムゾーンを、前方または後方に正しく設定したと仮定して)、時針によって示される現地時間に正しく表示されるようにするためだ。

 文字盤とケースの全体的なフィット感と仕上げは非常に優れている。ルーペ下でも文字盤のマーカー、針、数字は全て鮮明に表現され、ディテールにも妥協のない注意が払われている。ロレックスのケースと文字盤に関する技術は業界の中でも特に優れたものであり、それは時計ひとつひとつに一貫して見られ、このブランドが広く好印象をもたれることに大きく貢献している。好みや実用性、コストなどの理由から、私が日常的に身に付けることのないロレックスのモデルであっても、質素なオイスター パーペチュアルから豪奢なデイデイトまで、卓越した作りの良さを感じることができる。高級ブランドが顧客との信頼関係を保つために最も大切なことの一つは、最も高価な製品と同様に、最も安価な製品のディテールにも細心の注意を払うことだ。そしてロレックスは、それがその通りだと感じさせる数少ないブランドの一つだ。

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スカイドゥエラーのリングコマンドベゼル

 スカイドゥエラーを手にして最初にすることは、時刻と日付の設定だ。年次カレンダーとデュアルタイムゾーン表示のある時計では、通常、リューズとケースプッシャーとを組み合わせて使用する必要がある。リングコマンドベゼルを使えば、設定位置が1つしかないリューズですべての表示を設定することができる。ただ、メカニズムは非常に複雑で(60以上の部品が追加されている)短時間で慣れる必要があるが、実際に使ってみるととても簡単だ。

サイクロップレンズ付きのデイト表示。フルーテッドリングコマンドベゼルは、様々な表示の設定を制御するために使用される。

 時刻を設定するには、まずリューズを緩め、設定位置まで引き出す。次に、ベゼルを左に回してその位置(文字盤上では8時30分あたり)まで回す。これにより秒針が停止し、針の設定が行える。このポジションでは時針と24時間リングは同期している。

 現地時間とホームタイムを設定したら、リューズを緩めてベゼルを9時30分位置まで回して2番めの位置にセットすることで現地時間を変更できる。これにより、リューズと時針のみの独立した設定機構を用い、1時間単位で前後に時間設定できるようになった(同様に、必要に応じて深夜に日付も変えることができる)。

 ベゼルを最初の設定位置(文字盤上の9時30分頃)まで回すと、月と日付の設定ができる。月用の独立したクイックセットはないので、基本的には月の赤いインジケーターが正しい窓に来て(30日の月は30日から1日に自動で切り替わる)、正しい日付が表示されるまでリューズを回し続けるだけだ。

 このシステムは間違いなく機械的に複雑だが、使い方はとてもシンプルで明快だ。非常に快適に設計されたデテントのおかげで、ベゼルの設定位置を動かしながら感じとることができる。システム全体が満足感だけでなく、使う面白さを感じさせてくれる。これは他のブランドでは得難いものだ。また、カレンダーや現地時間を設定するための外部プッシャーがある場合よりもはるかにクリーンなケースを手に入れることができ、プッシャーの代わりに針を使用しなければならない場合よりもずっと使いやすくなっている。

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空の旅での使用

SS製で、ホワイトゴールドのベゼルを採用したこのモデルは、頻繁に旅をする人に最適だ。

 スカイドゥエラーをロレックス経由で試させてもらったことがあるが、今回はロンドンへの急な出張で使ってみることにした。時計のセットアップは非常に簡単で、前述したように楽しいものだった。予想していた通り、スティールとホワイトゴールドのスカイドゥエラーは、エバーローズモデルのフランクな豪華さとは全く違った印象であり、ホワイトゴールドだけのモデルよりも軽量なので、大げさな感じがしない。スティールだけのモデルがあったとしても、特に高い実用性を感じるかどうかは分からないが(オールスティールモデルがあれば最高だと思うが)、大きすぎる上に光沢がありすぎて、他のロレックスのスポーツモデルのようなツールウォッチの実直さがあるとは言えない。しかし、イエローゴールドやエバーローズゴールドのような派手さは感じない。もちろん、スティールとホワイトゴールドのモデルは、ほとんどがSS製だ。

 前回のA Week On The Wristで着用したエバーローズゴールドのモデルと、ロレゾールのモデルでは、スカイドゥエラーの装着感は全く違った。さすがに直径42mm、厚さ14.1mmのエバーローズゴールドは、より重く、より豪華に感じる。ブレスレットのロレゾールバージョンは、そのどちらかというと派手でない特徴のおかげで、レジャーではなくビジネス用途で旅行する人にとっては、はるかに控えめに感じるだろう。つまり、ラウンジで目立たないが、セキュリティチェックの列で周りから浮かない(いい意味で)ということだ。

 とはいえ、まだ高級時計としてのフィーリングは十分だ。それは、それ自体が高級な素材を使用しているからではなく、全体的に優れた作りや品質によるところが大きい。ステンレススティールとホワイトゴールドを合わせるというのは(2017年後半の「フライデーライブ」でこの時計を着用した際、間違えてミドルリンクとベゼルをホワイトゴールドと言ってしまったが、何人かの読者が訂正してくれた)興味深い決断だ。なぜならその2種を見分けるのは難しいし、何かちょっと変わった感じがする。それはステータスを示すために持つのではなく、持ってよかったと知るために所有するのだと思う。イエローでもホワイトでもエバーローズでも、ゴールドにはちょっとした魔法のようなものがあるのだ。

 ホワイトゴールドとスティールのスカイドゥエラーから得られるラグジュアリー感は、高級な素材や贅を尽くした手作業の装飾ではなく、細心の注意を払い、細部にまで気を配り、精密さを追求して設計され作られた何かなのだ。

 文字盤、文字盤を構成するものや針と同じように、ロレックスは業界でも最高のブレスレットを作っている。私の7インチの手首にジャストフィットするよう調整でき、すぐに快適な着け心地が得られ、エレクトリックブルーの文字盤の視覚的なインパクトもとても楽しい。私はだいたい、着陸の数時間前に時計の時刻を再設定して少しずつ異なるタイムゾーンに慣れるようにしている。理論的には、ベゼルのどの位置が現地時間の再設定に使われるか思い出すのは難しいと感じるかもしれない。スカイドゥエラーに慣れるまで私が最初に思ったことの一つは、ある種の機能表示があればいいなということだった。しかし実際には、機内の薄暗い光の中で左に2回クリックするのが正しいと覚えていた。

 実際、一度セットアップしてしまえばリングコマンドベゼルにはあまり触れる必要がないのだが、それがいかに楽しく使えるかを考えると、残念とも言える。ポジション2は飛行機に乗るときに現地時間をリセットするためのもので、ポジション1は2月末になったら日付を設定するためのものだと覚えておく必要があるが、それは年に一度のことだ。そして、ポジション3を使用する唯一の機会は、何らかの理由で72時間以上時計を着用していない場合であり、時間を再設定する必要がある。あなたのスカイドゥエラーが私のものと同様のパフォーマンスを発揮するなら、おそらくあまり頻繁にそれをする必要はないだろう。1週間半の間に一日当たりたった0.5秒進んだだけだったから。

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 興味深いことに、GMTコンプリケーションを搭載した年次カレンダーの時計はあまり多くないが、年次カレンダー自体がやや珍しいコンプリケーションであることを考えると、驚くべきことではないかもしれない(実際に毎年市場には、永久カレンダーよりも大幅に少ない数の年次カレンダーしか出ない)。ホワイトゴールドのベゼルとSS製ケースとブレスレットを備えたスカイドゥエラーの価格は142万2000円だが、ブランパンの対抗モデルとしてヴィルレ アニュアルカレンダーGMTがあり、SS製で同素材のブレスレットで291万円だ。この2つの時計のうち、スカイドゥエラーの方がサイズが大きく(ブランパンのサイズは11.04mm x 40mm)、より活動的であることは間違いない。そして、メカニカルなことが好きで機械との対話を楽しみたいなら、スカイドゥエラーがお勧めだ。

 エバーローズのストラップのスカイドゥエラーは、日常的に着用しても全く苦にならなかったし、気に入っていた。しかし、スティールとホワイトゴールドのバージョンは、ステータスや達成を祝うものというよりは、延々と続く時差ぼけや方向感覚障害との戦いにおいて、信頼できる味方のように感じるのだ。デザイン、年次カレンダーと第二タイムゾーン表示の実装、そしてもちろん、リングコマンドベゼルの全てが1つのクラスにまとまったスカイドゥエラーには、本当の意味で競合などいないのかもしれない。

ロレックス スカイドゥエラーー Ref. 326934:ケースとブレスレット、904Lスティール、ホワイトゴールドベゼル、42mm×14.01mm、100m防水。 サファイアクリスタル、サイクロップレンズ付きのデイト表示。 ムーブメント、ロレックス自社製Cal.9001、センターセコンド、時・分表示、24時間リングによる独立した時針とホームタイム表示、アニュアルカレンダー。 セッティングはリューズを介して、リングコマンドベゼルによって制御。72時間のパワーリザーブ。 詳細は公式サイトへ。