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Hands-On 1mmだって無駄にしないチューダー ブラックベイ 54

より小さく、より薄く。しかしブラックベイに求めるものはすべて詰まっている。


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本日未明、チューダーはWatches & Wonders 2023にてすべての新作の発表を終えた。オパーリンダイヤルのBB GMTからMETAS認証のスティール製ブラックベイ 41に加え、ブラックベイフォーマットの新しい表現であるフィフティ54も発表された。

bb54

 チューダー初のダイバーズウォッチ(1954年のRef.7922)を現代風にアレンジした新しいブラックベイ 54(Ref.79000)は、過去数年間ブラックベイコレクションで適用してきたダウンサイジングを踏襲しており、ブラックベイフィフティ-エイトでは41mmから39mm、そして今回のブラックベイ 54では37mmとなった。

 最初のIntroducing記事で紹介したように、これは間違いなくブラックベイコレクションに新しい均衡をもたらし、純粋に小さいダイバーズウォッチを好む人々や、ヴィンテージのような感覚を保ちつつモダンで堅牢なチューダーを求める人々に、特別な魅力を提供することになるだろう。

 そして今、私は30分ほど本モデルを着用する機会を得たが、チューダーが小振りなブラックベイに白羽の矢を立てたのは大正解だったと確信している。新しいリューズや無機質なベゼル、そして非常に薄いケース形状など、細部に施された微調整の組み合わせが、美しいつけ心地を実現しているからだ。フィフティ-エイトの確かな魅力を受け継ぎながら、ヴィンテージのインスピレーションと、より小さな手首周りで存在感を発揮することの両方を意識しているのだ。

bb54 on wrist

 37mm×11.24mm×46mmというサイズにもかかわらず、ブラックベイ 54は200mもの防水性能を備えている。そして、このサイズが、表示された防水性能を特に難しくするほど障害となるものではないが、38mm以下のダイバーズウォッチでは、一般的に200mの防水性を保証しない。理由はよくわからないが、ダイバーズウォッチの領域で小さいほう(41~42mmあたりが中心だろう)になると、簡素なリューズ周りや防水性の低さなど、スペックが低下する傾向がある。

 しかしこのモデルは違う。チューダーでは、ヴィンテージライクな小振りなダイバーズウォッチでありながら、優れた防水性、ベゼルの12時位置にある夜光ピップ、スムーズな60クリックの回転ベゼルを実装している。結局、ブラックベイを買うなら、たとえ小さいものであっても、ちゃんとしたダイバーウォッチが欲しいものだ。

bb54

 さらに、ラグ幅20mmからクラスプ幅18mmまでテーパードするスティール製ブレスレットと、同様のテーパーを持ちながらスティール製フォールディングクラスプに至るブラックラバーのオプションが用意されている。また、ブレスレットとラバーストラップの両方に、チューダーのT-Fitクイックアジャストクラスプが採用されていることも特筆すべき点であり、私の目には貴重に映った。チューダーがより多くのブレスレットにこの機能を搭載していることは素晴らしいことだと思うし、ラバーストラップにも搭載されたことは、さらに歓迎したい。

 ブラックベイ 54のハードウェアがほかのブラックベイモデルと互換性があるかどうかについては、公式なコメントはない。ともあれ、私はT-Fitがとても気に入っているし、フォールディングクラスプを使用するラバーストラップに至っては、とても理にかなっていると考えている。

bb54 on rubber on wrist

往年のRef.7922を彷彿とさせるベゼルは、一般的な経過時間計測ベゼルによく見られる分単位の表示がなく、5分ごとの表示のみを行う簡素なデザインを採用している。

 54のIntroducing記事で述べたようなデザイン要素を除けば、実際に手にしてみて感じたのは、フィフティ-エイトを小型化したような印象だ。しかし、それは37mmケースのおかげでもある。あとは厚みと、54のさまざまな層が腕の上でどのように積み重なるかということによる。

 厚さ11.24mmと、すでにスリムな時計ではあるが、私のペラゴス 39(厚さ11.8mmしかない)と比べても、両者の装着感はまったく異なり、54のほうがはるかに薄く見え、そう感じられた。これは厚みがケースの構造よりも風防やベゼルのエッジに大きく依存していることが主な理由だ。

bb54
bb54 on wrist
bb54 caseback

 ケースの中央部分は非常に薄く、手首に対してラグが平行になるような形状となっている。このため、この時計は予想外に薄型で、私のペラゴスがそれに比べて実に厚く感じられるほどだった。この人間工学的な配慮により、ブラックベイ 54は(ラグからラグまでの縦幅が46mmということもあり)さまざまな手首にフィットすると同時に、実際のヴィンテージスポーツウォッチに近い感覚で着用できるようになっている。

 ブラックベイ 54は、ブラック/ゴールドエフェクトのダイヤルを持つノンデイトモデルのみである。このダイヤルの下には、COSC認定を受けたチューダーのマニュファクチュールムーブメントMT5400が搭載されており、2万8800振動/時で時を刻み、70時間のパワーリザーブを誇る。MT5400は、ペラゴス 39やブラックベイ 925といったチューダーのほかのノンデイトダイバーズにも搭載されているもので、チューダー by ケニッシのもと、ル・ロックルを拠点とする新しいマニュファクチュールで生産されている。この工場では、新しいブラックベイ 54など、チューダーの時計が組み立てられている。私はWatches & Wondersの直前にこの新しい施設を見学する機会を得たが、非常に感銘を受けた。近いうちに完全なレポートをお届けしたい。

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 ブラックベイ 54の小売価格は、スティールブレスレットモデルが49万600円、ラバーストラップモデルが46万3100円(ともに税込)だ。このように価格差は小さいので、もし私がスティールを手に入れてラバーも追加したら、合計価格はいくらになるのか、ぜひ調べてみたいと思う。T-Fitクラスプとエンドリンクは、従来のアフターマーケットオプションに比べ、より洗練されたものとなっている。

t-fit in rubber strap clasp

ブラックベイ 54のラバーストラップには、エクステンション機能を持つT-Fitクラスプが採用された。

Clasp of the bb54

ブラックベイ 54のブレスレットのクラスプ。

bb54 lume shot

夜光もしっかり発光する。

 この価格帯のブラックベイ 54は、ほかのスティール製ブラックベイモデルと同様にプレミアムな製品だが、同じプロポーションで同じスペックのダイバーズウォッチという点では、選択肢が少ない分野でもある。このモデルだけが唯一の選択肢ではないが、今日以降、小振りなダイバーズウォッチをお探しの方は、ほぼ間違いなくこのモデルを候補に挙げていることだろう(あるいは、挙げるべし)。

 ブラックベイ 54で、チューダーはクールなトリックを成功させた。ブラックベイを縮小することで、ユーザーの裾野を広げ、今のところ、2023年に見たなかで最も魅力的なヴィンテージにインスパイアを受けたダイバーズウォッチを作り上げたのである。

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詳細については、チューダー公式ウェブサイトをご覧ください。HODINKEE Shopでは、チューダーの中古腕時計を多数取り扱っております。