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How They Made It ウブロがレザーモデルを作ったら

ストラップもそうだが、この時計はダイヤルとベゼルも革製なのだ。

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※編集部注)記事掲載のモデルは完売につき現在は販売終了となっている。また本作は世界限定モデルだが、もともと国内取り扱いはないためご注意いただきたい。

創業41年めのウブロは、時計ブランドのなかではまだ若い存在であり、遠い昔のヴィンテージモデルを復活させるような状況にはない。また、17世紀に設立されたような気取った雰囲気はなく、何世代にもわたるストーリーもない。1980年にカルロ・クロッコ(Carlo Crocco)が“ラバーストラップでも高級時計を飾ることができる”という信念のもとに作ったブランドであり、その後、現代の業界におけるマーケティング第一人者であるジャン-クロード・ビバー(Jean-Claude Biver)が後押しした。彼らの協力により、ウブロは今この瞬間への好奇心をかき立て、どちらかというと過去よりも未来を見据えた企業として位置づけられている。

 ウブロはその若さと現代的な精神により、アーティストやアンバサダー、時計以外のブランドなど、多くのコラボレーターと対等な関係を築いている。今回はパリのシューメーカー、ベルルッティとのコラボレーションを紹介しよう。確かに時計にはレザーストラップがお決まり(ただし、ウブロについて言えば、すぐに思い浮かぶものではない)かもしれないが、ダイヤルやベゼルにレザーを使用することは前代未聞だ。

 ウブロはニヨンに自社のマニュファクチュールを持っており、素材を異例の方法で扱う必要のあるプロジェクトを日常的に研究している。例えば、マジックゴールド、カラフルなセラミック、サファイアクリスタルなど。そしてレザーだ。

 ウブロとベルルッティのパートナーシップは、今年で5回めを迎えた。そして両社は2021年に向けて新たなパティーヌを選んだ。ベルルッティといえばパティーヌ加工を施したレザーシューズが有名だ。

 今年、ウブロとベルルッティは温かみのあるメタリックな色合いを特徴とするバーニッシュド アルミニオを採用することを決定した。ちなみに世界限定100本のビッグ・バン ウニコ ベルルッティ アルミニオは柔らかく傷がつきやすい軽量金属のアルミニウム製ではない。サテン仕上げとポリッシュ仕上げのチタンを使用している。

 今回はベルルッティが提供する品質のため特別に選ばれたレザーを、ウブロがどのようにして希に見る時計部品として実現したかを紹介する。

レザーをカットする

 ウブロのチームはベルルッティから提供されたパティーヌ加工されたレザーを使用してダイヤルを形作る。ベルルッティからはすでにエンボス加工で仕上げられたレザーが送られてくる。ウブロは精密なレーザーを使って中央の空きスペースも含めたダイヤルの形にカットする。

レザーを貼り付ける

 天然皮革には金属やゴムなどの無機質な素材にはない贅沢な質感がある。しかし、高級時計のダイヤルに必要な剛性はない。ウブロはレザーをカットした後、特殊な接着剤でダイヤルのメタル部分に貼り付けることで永久的にフラットなフォルムを実現している。

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ムーブメントを守る

  レーザーでカットされた反射防止用のサファイアガラスプレートが、最大限の透明性を保ちながらベルルッティのレザーを包み込む。このガラスはレザーの上に接着剤で固定される。

 ウブロが彼らとパートナーシップを結んだ当初、ベルルッティレザーダイヤルの時計の生産開始に際して一連のテストが行われた。その結果、天然皮革を時計ケースに入れると5~40℃の温度変化によりパティーヌ加工したレザーから蒸発が起こり -もちろん自然にも起こる- 、ムーブメントや針にダメージを与える可能性があることがわかった。ダイヤルの革の部分をガラスで封じ込めてからケースに入れることで、壊れやすいムーブメントの部品を保護することができる。

ダイヤルを完成させる

 ダイヤルの最後の部分(リホート。ダイヤル外周上のインナーリング)を追加することで最終形となる。これでウブロ ビッグ・バン ベルルッティ アルミニオにケーシングすることができるのだ。

ベゼルを作る

 ベルルッティのレザーを使用したベゼルの場合、その工程は少し異なる。このパーツはトレードマークであるパティーヌを施す前にウブロに届く。ウブロはベルルッティから送られてきたパティーヌのないレザーをカットし、特徴的なH型のネジ用の小さな穴を開ける。そして、6つの穴を開けたスティール製のディスクにレザーベゼルを固定する。

 固定したものをウブロがベルルッティに送り返し、ベルルッティの職人がレザーベゼルに最終的なパティーヌを施す。その後、またウブロに送られ、H型のネジで時計のヘッドに固定されるのだ。

 ウブロに関する詳細は、ウェブサイトをご覧ください。