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Four + One ザ・ミッドナイトのタイラー・ライルにとって、時計は人生の節目の目印だ

タイラー・ライル(ザ・ミッドナイトのシンガーソングライター兼シンセサイザー奏者)氏の時計コレクションは、思い出を作り、困難を克服することをテーマに構成されている。


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シンセポップデュオ、ザ・ミッドナイト(The Midnight)の片割れであるタイラー・ライル(Tyler Lyle)氏は、ノスタルジックで踊りたくなるような音楽をレコーディングしている。 映画の主人公のようなエネルギーが欲しいときに聴く類の音楽だ。

 「僕たちは、ノスタルジアを、記憶を呼び起こすものとして考えるようにしています」とライル氏は言う。「僕たちが使う音は、僕たちと同年代の人たちが認識できるものです。それは、彼らが幼い頃にKマートで演奏されているのを耳にしたかもしれないクラシックなシンセサイザーやドラムの音です。僕たちは、記憶という隔離された場所で動く音楽を作りたいのです」

Tyler Lyle, The Midnight

 ライル氏のノスタルジアに対する哲学は、時計収集のアプローチにも受け継がれている。2010年代半ば、亡くなった家族の遺品整理を手伝ったことがきっかけで、この趣味に魅了された。「誰かが僕の家を掃除するとき、彼らが見つけるものの“質”に心地よい驚きを感じて欲しいと思ったんです」

 同じころ、ザ・ミッドナイトのマネージャーからジョン・メイヤー(John Mayer)の『トーキング・ウォッチ』の第1回目のエピソードを見せられたライル氏は、その魅力に取り付かれた。「時計用語はわかりませんでした」と彼は言う。「わからなかったけれど、裏にある情熱は理解できたし、その情熱が扉を開いてくれたんです」

Tyler Lyle, The Midnight

 その扉は、ここ数年でますます開いてきた。ザ・ミッドナイトが進化し、より多くのリスナーやファンを魅了するにつれ、ライル氏は新しい時計をコレクションに加えていった。そのほとんどは特定の出来事や業績を記念したものである。

 「時計が、僕たちは続いていく大きな物語の一部であるということを思い出させてくれるのはうれしいことです」。彼は言う。「あなたは小売店で購入した時計に、最後は傷を付けることになる。それは時計に命を吹き込むことを意味し、時計はあなたとともに人生を歩んでいくことになるのです。僕は、人生の物語そのものを引き受けることができる物というアイデアが好きなのです」


彼の4本
アメリカンアパレルの“快適”な熱気球ウォッチ
Hot Air Balloon Watch

 ライル氏はタイメックスのインディグロを身につけて育ったが、実際に自分で買った最初の時計として記憶しているのは、文字盤に熱気球が描かれた小さなクォーツウォッチで、「2012年くらいにアメリカンアパレルの店で15ドルか20ドルで」手に入れたものだ。

 この時計は一見何の変哲もないように見えるが、ライル氏の人生におけるかなり重要な局面で腕につけられていた。

 「僕は2012年のロサンゼルス占拠運動の際に逮捕され、そのあとすぐに祖父が亡くなりました 」。「当時はお金がなかったのですが、親しい友人が罪状認否のためLAに戻るのに使う“バディパス(格安パス)”をくれたんです。しかし、そのパスは飛行機の座席を保証するものではありません。結局、その日はすべてのフライトを逃し、罪状認否の3時間後にロサンゼルス空港に到着しました」

 ライル氏がロサンゼルス地方検事局に出頭したとき、朗報がもたらされた。逮捕されることはなく、釈放されたのだ。2日後、彼はのちに妻となり、子どもの母親となる女性と初めてのデートをした。その週、NPR(米国公共ラジオ放送)のワールドカフェは、彼のデビューアルバム『The Golden Age & The Silver Girl』を2011年のトップ10リリースと評した。

 「10年に一度くらい、いい週があれば十分だと思うんです。」とライル氏は言う。「そして、この時計は僕のいい1週間の一部となったのです」

ノモス グラスヒュッテ チューリッヒ ワールドタイマー ミッドナイトブルー
NOMOS Zurich Weltzeit

 ライル氏の息子が生まれたのは2018年で、それは彼がザ・ミッドナイトとしてかなり長い海外ツアーに乗り出したのと同じ年だ。「オーストラリアに行ったし、ヨーロッパにも2回行きました。たくさんのタイムゾーンにいましたよ」

 バンドはピッツバーグの時計店に立ち寄り、みんなで腕時計を買うことにした。ザ・ミッドナイトのツアーマネージャーはチューダーのペラゴスを、バンドのマネージャーはノモス グラスヒュッテのクラブ キャンパスを、そしてライル氏は同じくドイツの時計メーカー、ノモス グラスヒュッテの革新的なトラベルタイムウォッチである、チューリッヒ ワールドタイマー ミッドナイトブルーを手にすることになった。

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 「この時計で気に入っているのは、小さな赤いホームアイコンが付いた24時間表示です」と彼は言う。「僕が世界のどこにいても、妻と息子の居場所を示してくれます。常に彼らがいる場所の時刻を教えてくれるんです。この時計は、僕が初めて本格的なツアーを始めた年と、息子の人生における最初の年の、いい記念品です。また、僕がより高度な時計の世界に足を踏み入れたことを意味するものでもあります」

ロレックス サブマリーナー Ref.16800 1980年代製
Vintage Rolex Submariner

 ライル氏とザ・ミッドナイトは、COVID-19のパンデミックから、これまで以上にいい状態で抜け出すことができた。

 「僕たちは、ビジネスが破綻するのではないかと非常に恐れた1年から抜け出したばかりでした」とライル氏は語る。「ツアーが再開するかどうか、わからなかったんです」。ありがたいことに、ツアーは再開した。彼とザ・ミッドナイトは、2021年の春、ツアーに復帰した。同年、彼はアトランタにスタジオを設け、最終的にこの1980年代初期のロレックス サブマリーナーを手に入れた。

 「この時計は、僕が家族を養えていることの象徴なんです」とライル氏は言う。「芸術の道を志すと、大金を持つことは決してないと覚悟し、常に飢えた芸術家のような精神状態になります。サブマリーナーは、80年代にいい時代を過ごした中流階級の父親が自分で買うような時計なんです。僕が世間的に成長し、少しの贅沢ができるようになった証拠でもありますが、まだまだ成長中なんです。僕の時計が、自分の人生のさまざまな章を表す小さな象徴であり、節目の目印であることをうれしく思っています」

チューダー ブラックベイ フィフティ-エイト
Tudor Black Bay Fifty-Eight

 ライル氏が最近手に入れた時計は、チューダーのブラックベイ フィフティ-エイトで、2021年秋のザ・ミッドナイトのツアースケジュール終了後、マウイ島での休暇中に購入したものだ。

 「自分の誕生日だったので、息子につけている姿を常に見せられる時計が欲しかったんです」と彼は言う。「ボロボロにしても問題がなく、あまり考えすぎる必要がないもの。これは純粋に実用的な時計です。夜光が素晴らしい。針も大きい。よくつけています。ほとんど外したことがないんです。一日中サブマリーナーをつけていようと思っていましたが、こちらのほうがずっと快適です」

 今後行われるザ・ミッドナイトのライブに行けば、ライル氏の手首にこの時計がつけられているのを見ることができるだろう。ツアーは10月中旬まで行われ、西海岸と中西部を巡り、オースティン・シティ・リミッツ・ミュージック・フェスティバルで終演を迎える予定だ。


もうひとつ
たくさんのシンセサイザー
Modular synthesizer

 ライル氏は多才なミュージシャンだ。歌い、自分で曲を作り、ギターやバンジョーからキーボード、ドラムまでなんでもこなす。しかし、彼がいつも他の人に頼らざるを得なかった唯一の分野が制作だった。「COVIDが起こったとき、僕は自分の製作技術を高めたいと強く思いました。創造の問題に取り組みたかったんです」

 そこでライル氏はモジュラーシンセサイザーを買い始めた。この2年半のあいだに少しずつ弾き方を覚えていった彼。今年の後半にはシンセサイザーをツアーに持参する予定だという。

 「長かったけれど、本当に実りの多い道のりでした」と彼は言う。「新しいことを学び、成長するという経験は、このうえなく楽しいものです。これは、新しい技術を学べるかどうかを確かめるための意識的な挑戦でした。自分のコンフォートゾーン(快適な空間)からは完全に外れたものでしたが、楽しい勉強になりました」

Shop This Story

HODINKEE Shopは、ノモス グラスヒュッテの正規販売店です。こちらからコレクションを見ることができます。HODINKEE Shopでは、ロレックスチューダーのヴィンテージウォッチ、中古時計も取り扱っています。残念ながら、モジュラーシンセサイザーは(まだ)販売しておりません。

タイラー・ライル氏とザ・ミッドナイトの詳細は、バンドの公式サイトでご覧いただけます。