trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Introducing ウルべルク UR-100V、鮮やかなバイオレットと最新ムーブメントを採用

3本のアームと3つのピラミッドを備えた空飛ぶパープルウォッチ。当然、私には異質に見える(3本のアーム?)

ADVERTISEMENT

2022年8月29日(月)から9月1日(木)まで、スイスの文化的中心地にてジュネーブ・ウォッチ・デイズが開催された。HODINKEEでは今後何日かかけて、ブルガリ、MB&F、オリス、ウルヴェルクそのほかのブランドのトップリリースのすべてを詳細に取り扱っていく。

我々が知っていること

 1990年代後半に独立系モダンウォッチメーカーのパイオニアとして登場したウルべルクの創業者、マルティン・フレイ(Martin Frei)氏とフェリックス・バウムガートナー(Felix
Baumgartner)氏は、独創性と創造性あふれるその感性で、伝統を重んじる保守的なスイスの時計づくりの規範に反抗し続けてきた。結果どうなったか? 室内のどこからでも簡単にそれとわかり、価格も6桁ドル(1000万円)超えが当たり前の、SFの世界観に影響を受けた伝説的なタイムピースを生み出してきた。

 しかし、ブランドを定義づけるそうした要素は、2019年秋の全面見直しで簡素化され、最初のUR-100が登場した。技術的な複雑さを緩和し、多くの人がこのブランドでは現時点で最もつけやすいケースデザインだと考える、ビジュアルの複雑さと釣り合いがとれたものになった。さらに重要なのは、価格が6万ドル(約843万円)を切ることで、ウルべルクの世界への新たな入口を切り開いた点だ。それから次々と10余りの新バージョンを送り出して3年以上が経とうとする今、今回紹介する新たなUR-100が発表された。

The Urwerk UR-100V "UltraViolet"

ウルべルク UR-100V “ウルトラバイオレット”

 スイスで開催される見本市、ジュネーブ・ウォッチ・デイズで発表された新モデル、UR-100V “ウルトラバイオレット”は、UR-100の特徴として知られるおなじみのサテライトディスクの時間表示システムを搭載しているが、今回はそれが豊かで高貴なパープルの色調で再現されており、見た瞬間のビジュアル的なインパクトがある。

 ウルべルクのチーフデザイナーであるフレイ氏は、UR-100Vでこの特定の紫色を使いたいと考えた理由について、紫が可視スペクトルを構成するすべてのなかで最も高い周波数をもつ色(当然ながら、目に見えない紫外線よりはひとつ下)とされるからだと語る。「感知できるものから感知できないものへの限界点、その限界を謳歌する時計をつくるというアイデアに魅了されたのです」と彼は発表の際に述べている。「このUR-100V “ウルトラバイオレット”のコンセプトは、限界への探求です。私たちのウルトラバイオレットは神秘性を秘めており、これは、我々が“色”と呼ぶものの境界点に位置する色相です」

 UR-100V最新モデルの内部にあるもうひとつ特筆すべき進化は、再加工を施したムーブメントだ。前世代のCal.12.01から、新たなCal.12.02に入れ替わった。このアップデートは主に美的感覚によるものだとウルべルクは言う。中央のアルミニウム製カルーセル上のアワーマーカーを分目盛りに少し近づけることで、ひと目でわかるように視認性が高まった。また、カルーセルにはこれまでのUR-100Vモデルとは異なる装飾が施され、アルマイト処理、サンド、ショットブラスト処理で仕上げたケースと同じ外観になっている。Cal.12.01と同じく、新たなムーブメントも高効率な巻き上げシステムを採用しており、両後方回転するローターに設けられたユニークなヴィントフェンゲルのエアスクリューで制御されている。

 新たな色合いを採用してムーブメントも微調整されたにもかかわらず、UR-100V “ウルトラバイオレット”はこれまでのUR-100の価格帯を維持した5万5000スイスフラン(約786万円)だ。しかしこれまでのUR-100とは異なり、今回のモデルは、特定の本数で限定するのではなく、もっぱらウルべルクの生産限度によってのみ数が限定されることになる。

我々が思うこと

ウルべルクは何であれ、ほどほどにするということができない。そこは私がこのブランドが好きな理由のひとつでもある。だとすれば、ウルべルクがパープルのテーマを選んだ時、単純な色の入れ替えに終わらなかったとしても驚くことではない。今やUR-100Vのほぼすべての面が紫となり、サンドブラスト仕上げでマットな質感を出したチタン製ケースにはバイオレットのDLCコーティングが施され、アルミニウム製のカルーセルももちろん、時間表示を構成する3つのピラミッドや複数のブリッジとともに新しくマットな紫色となった。

Urwerk UR-100V UltraViolet

 UR-100Vは、3つの数字のピラミッドがダイヤルの下部に見えるミニッツトラックをひとつずつ徐々に通り過ぎていくことで時間がわかるようになっている(上の写真では8時23分ごろを指している)。しかしU-100を時計学的、そして天文学的にも魅力あるものにしているのは、それぞれの針が時刻の表示をし終えたあとに起きることだ。1時間が経過すると、それまで時刻を表示していた針は大きなシールドのなかへと消え、ゼロ表示のところから新たな針が動き出して次の1時間の始まりを示すのだ。

 最初の針は数分経つと再び小さな隙間に現れ、天体関連のふたつの複雑機構のうち最初の“地球が自転した距離”を示してくれる。従来の時計のダイヤルでいえば9時から11時位置に相当する場所にある20分の目盛りは、赤道に立っていた場合に時計の装着者が自転で移動することになる555kmを示している。そして最初の針がこの計測を行うあいだ、同時に3本目の針も、反対側となる従来のダイヤルの2時位置付近で仕事をする。この3本目の針は“地球が太陽の周りを公転した距離”、20分ごとに約3万5740kmを計測している。

 私がウルべルクの大ファンであることは認めるが、UR-100シリーズに関しては個人的にそれほど好きになったことはない。ここにある天体関連の複雑機構の使用事例は、宇宙や天文学へのある程度の興味を要するが、私個人はそれを持ち合わせていないからだ。幸いなことに時計愛好家の世界では、どちらかといえば私が少数派なのだと自分では思っている。知るところでは、これまでに出たウルべルクのUR-100シリーズはほぼすべてが数分で完売したという。

 発表された新たなUR-100Vの、魅力的な“ウルトラバイオレット”の色調が、きっと同じような結果を残すだろうと思っている。


基本情報

ブランド: ウルべルク(Urwerk)
モデル名: ウルトラバイオレット(UltraViolet)
型番: UR-100V

直径: 41mm×49.7mm
厚さ: 14mm
ケース素材: サンドブラスト仕上げを施したチタンにバイオレットのDLCコーティング
文字盤: バイオレット
夜光: あり。スーパールミノバ
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: テクスチャー加工のラバーストラップ、チタン製ピンバックル付き


ムーブメント情報

キャリバー: UR 12.02
機能: サテライトアワー、分、赤道における20分後との地球の自転距離、20分毎の地球の公転距離表示
パワーリザーブ: 48時間
巻き上げ方式: 自動巻き、ヴィントフェンゲルのエアスクリュー
振動数: 2万8800振動/時
石数: 40
クロノメーター: なし
追加情報: 装飾にサーキュラーグレイン仕上げ、サンド、ブラスト処理、サーキュラーサテン仕上げ、スクリューヘッドの面取りなどが含まれる


価格 & 発売時期

価格: 税抜き5万5000ドル(約786万円)
限定: なし。固定数ではなく生産限度による限定。

Shop This Story

HODINKEE Shopはウルべルクの正規販売店です。こちらにて当社のコレクションをご覧いただけます。

ウルべルクの公式ページはこちらまで。