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2022年8月29日(月)から9月1日(木)までスイスの文化都市で開催されるジュネーブ・ウォッチ・デイズ(Geneva Watch Days)では、ブルガリ、MB&F、オリス、ウルベルクなどのブランドのトップリリースをすべて詳しく紹介する予定だ。HODINKEEにご注目を。
我々が知っていること
チャペック(Czapek & Cie)が、おなじみケ・デ・ベルグの新たなバリエーションを発表。最初のモデルが2016年のGPHGパブリックプライズを受賞したところで、そのあとの数年間、ブランドはこのデザインのダイヤルバリエーションを発表。2018年にはクールなギヨシェ装飾が施されたモデルもリリースされた。そのギヨシェ文字盤にリコシェパターンと呼ばれるものが、今年のジュネーブ・ウォッチ・デイズで復活。 よりパンチの効いたブルー、そしてグリーンのダイヤルバリエーションが帰ってきた。
デザイン的には、色の変更を除けば、多くのチャペックファンにとって馴染みのある時計といえるだろう。文字盤の左下にはスモールセコンド、右下には曜日・パワーリザーブのサブダイヤルを備えている。リコシェダイヤルは、フランケ・エナメルで仕上げられている。ほかのプロデューサーやメーカーとのコラボレーションを好むブランドらしく、文字盤そのものはドンツェ・カドランが手がけている。
この時計は、以前のモデルで使用されていた7日間のパワーリザーブを持つSXH1キャリバーを搭載しているが、チャペックの最新リリースによると、このムーブメントはある種の変身を遂げた。オリジナルは伝統的な時計作りを意識したものだったが、今回のバージョンアップでは、歯車列をオープンワークで露出させ、現代的なデザインに仕上げている。「地板とテンプ受けもくり抜かれ、ふたつの流れ星が交差しようと向かい合っているよう」とブランドは語る。
さらに、この新しいムーブメントには、慣性モーメントを調整を可能とする可変調整用のウェイトを備えたフリースプラング テンプとブレゲ・ヒゲゼンマイが採用されている。チャペックによれば、テンプ受けもスケルトン化され、透明性を高めるために合理化されているとのことだ。
ブルーまたはグリーンの新しいケ・デ・ベルグは、直径42.5mm、厚さ11.9mmのケースに収められている。価格は1万8000スイスフラン(日本価格は税込352万円)だ。
我々が思うこと
チャペックは、アントワーヌ・ノルベール・ド・パテックとのユニークな歴史的つながりを持つリバイバルブランドだが、何よりもコラボレーションに重きを置くブランドとして知られるようになった。そして今年、ジュネーブ・ウォッチ・デイズで、まったく予想外とはいえ、エキサイティングなリリースをした。この展示会は、Watches & Wonders(記事「チャペック 新作のアンタークティック・ラトラパント アイスブルーで差をつける」参照)などに比べると規模も範囲もかなり小さいため、各ブランドが大々的に発表することは期待できないが、チャペックがここで発表したものは、ある種のヒット曲(時計の世界ではごく普通のもの)とはいえないまでも、楽しいものだった。
今回のリリースは、理論的にはシンプルだ。ひとつはブルー、もうひとつはグリーンの時計。それぞれローマ数字と曜日、パワーリザーブ表示を組み合わせた親しみやすいレイアウトになっている。
チャペックは、このブルーの文字盤を「海の色合い」と呼び、私はそれを評価したい。また、緑の文字盤を「ブリティッシュ・レーシング・グリーンに近い」とも言っている。まずは実機を見てから判断するべきだと思うが、このブリティッシュ・レーシング・グリーンは、私が知っている色にはあまり似ていないようだ。結局のところ、これらは地球上で最も人気のある文字盤の色オプション(つまり通常のブルーとグリーン)のふたつであり、通常よりクールなカラーパレットで知られるチャペックがここで大胆に挑戦しているのは素晴らしいことだ。
ブランドの歴史的な意義を考えると(このチャペックのバージョンはリバイバルだ)、私たちが知っているような文字盤のクラシックな時計デザインのエスプリが保たれていることも同様に嬉しいことである。
しかし、リコシェの文字盤とカラーは、ここでは物語の半分、もしかしたら4分の1に過ぎないように思える。新しいムーブメントを導入するのではなく、既存のムーブメントをアップグレードするという、私のなかでははるかに興味深いことを行ったのだ。しかも、かなり意義のある方法で行っている。SXH1は、チャペックが初めて製造したムーブメントだ(ムーブメント開発製造会社クロノードとの共同開発)。ブランド名の由来となったフランチシェク・チャペックの懐中時計にインスパイアされたものである。つまり、より古典的なやり方に忠実で、意図的にプレートを多用したデザインを採用したのである。
このムーブメントの昔の画像を見返してみると、今回のモデルチェンジは非常に印象的で、早く実物を見てみたいと思わせるものだ。時計の動力源としての機能的には同じムーブメントである。ただ、HGTV(アメリカの有料テレビチャンネル)ように物質的に変化させ、文字通り開放的にしているのだ。
チャペックは、コラボレーションを前面に押し出している点で、現在最も興味深いブランドのひとつだ。まだ独自のストーリーを構築中で、その過程でそれぞれの進化を見ることができるのは嬉しい限りである。
基本情報
ブランド: チャペック(Czapek & Cie)
モデル名: ケ・デ・ベルク(Quai des Bergues)
直径: 42.5mm
厚さ: 11.9mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: サファイアブルー、またはエメラルドグリーン
インデックス: ローマ数字
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: アリゲーターレザーストラップ
ムーブメント情報
キャリバー: SXH1
機能: 時、分、秒、週表示、パワーリザーブインジケーター
直径: 32mm
厚さ: 4.75mm
パワーリザーブ: 7日間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 31
価格 & 発売時期
価格: 1万8000スイスフラン / 352万円(税込予価)
発売時期: 今すぐ
限定: なし
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詳細はチャペック公式サイトへ。
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