Watch Spotting グランドセイコーを着用した大谷翔平選手が記録破りのドジャース入団発表に挑む

　最後にこの二刀流スーパースターの（時計界での）消息を聞いたのは、日本生まれの選手がロサンゼルス・エンゼルスでヒットを量産して活躍し、シーズンで驚異的な投球パフォーマンスを披露していたときだった（つまりスポーツに詳しくない人のために言っておくと、彼はリーグ最高の投手であり打者のひとりだ）。それこそ、セイコーが大谷をアンバサダーとして迎えてよかったと思えるほどのスターにのし上げたのである。だからこそブランドは、彼に敬意を表して、日本限定のセイコープロスペックス ダイバーを発売したのだ。また不運な怪我に見舞われたにもかかわらず、大谷選手にはさらに大きなニュースが待ち受けていた。

　今週、彼は少なくとも契約をアップグレードした。すでに2度のMVPを獲得している大谷選手は、同郷のチームであるロサンゼルス・ドジャースと10年間で7億ドル（約1015億円）という、スポーツ史上最も巨額で価値のある契約を結んだ。グランドセイコーがセイコーファミリーの兄貴分だと考えるなら、彼もまた時計をアップグレードしたと言えるだろう。というのもドジャースの青、白、赤のユニフォームを初めて着た彼は、グランドセイコーのSBGJ217をつけているように見えたからだ。

　大谷選手はアメリカで最も著名なブランドアンバサダーではない。彼は多少の英語は話すが、日本語を話して通訳に翻訳を任せることを好む。しかしスポーツ史におけるこのような大きな瞬間に、少なくとも彼の手首を見ないわけにはいかない。HODINKEEの同僚と遊んでいるときに大谷選手の発表の写真を見たので、ダニー・ミルトンに携帯を渡して、それをズームして目を細めて見ていた。ほかの人はSBGM221の可能性を指摘していたが、私は納得できなかった。文字盤の6時位置を見ると3行ほどのテキストがあり、その真ん中が長くなっている。その結果、ハイビートGMTまで絞られた。ケース形状は“エレガンス”コレクションのフォルムであり、文字盤は長いバーインデックスを持ち、いずれも二重になっていない。白文字盤も相まって、私はSBGJ217（経験則に基づく）にたどり着いた。

　同じ日の夜、Instagramで注目を集めていたのはこれだけではなかった。歴代の名選手について語るなら、トム・ブレイディ（Tom Brady）氏も抜け目がない。彼をブランドアンバサダーとして知らぬ者はいないが（彼は長いあいだIWCのアンバサダーをしていた）、いいものには必ず終わりが来るもので、現在トム・ブレイディ氏はフリーエージェントとして引退後の人生を謳歌している。

　フォンテンブロー・ラスベガスのグランドオープンイベントにて、ブレイディ氏はパテック フィリップ　Ref.5002R “スカイムーン・トゥールビヨン”をつけて登場した。本作はトゥールビヨンはもちろん、パーペチュアルカレンダー、カテドラルゴングを備えたミニッツリピーター、そして裏側には恒星時、天空図、月の満ち欠けや軌道を表示する機構が搭載されている。著名な“WatchTok”コンテンツクリエイターであるマイク・ヌーヴォー（Mike Nouveau）氏は、この時計は唯一無二のピースであるという有力情報を持っているようだった。確認できていないが、驚くことではない。

　ブレイディ氏は最近、ロレックスの“ジョン・プレイヤー・スペシャル” ポール・ニューマン・デイトナと、パテックのRef.3974 パーペチュアルカレンダー・ミニッツリピーターをつけながら、マイアミで祝賀会にてフットボールを投げていた。これでスポーツウォッチになった…規則を作ったのは私じゃない。いずれにせよ、ブレイディ氏は大谷選手が引退後に得たお金をどのように使うのか、いくつかヒントをくれるかもしれない。

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