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Hands-On ヴィンテージ ロレックスのクロノグラフから希少な3本:4113スプリットセコンド、エルメス ポール・ニューマン デイトナ、そしてゼログラフをご紹介

3本の素晴らしいヴィンテージ時計―おそらく二度とお目にかかれないような最も希少なヴィンテージ ロレックス クロノグラフたち―を取り上げたい。

※本記事は2013年4月に US版で公開された記事の翻訳です。 

今回我々は、3本の素晴らしいヴィンテージ時計―それもおそらく二度とお目にかかれないような最も希少なヴィンテージ ロレックス クロノグラフたち―を取り上げたい。 ロレックスのRef.4113は、1940年代に製造された、超大物・超レアなクロノグラフで、ロレックスがこれまでに製造した唯一のスプリットセコンドクロノグラフ(現在のところオークションで100万ドルを突破した唯一のロレックス)。エルメスが販売(刻印入り!)した唯一のポール・ニューマン デイトナ、それから、ロレックス初の自社製クロノであり、回転ベゼルを搭載した初のロレックスでもあるゼログラフ。これは奇妙ではあるが非常に重要なモノプッシャーだ。これは冗談ではないのだ。

ロレックス スプリットセコンド クロノグラフ Ref.4113

 ロレックスのクロノグラフといえば、これは他の全ての上に立つような存在だ。 Ref.4113は、パブリックオークションで100万ドルの大台を突破した唯一のロレックスであり、2011年に117万ドル(約1億2770万円)で落札された。 Ref.4113の何がそんなに特別なのか?  まず第一に大きさだ。直径44mmもあるのだ。 そしてこのモデルは信じられないほどの希少性があり、わずか12本しか製造されず、8本しか出回っていない。それらのほとんどが元々所有していた一族からのものだ。ロレックスにしては珍しく薄いベゼルが特徴で、12本全てが1942年に生産されたにも関わらず、現代的な時計のようにサイズ感で身に着けられる。しかし、このモデルを特別で貴重なものにしているのは、リューズから飛び出した小さなボタンだ。このRef.4113は、ロレックスがこれまでに製造した唯一のスプリットセコンド クロノグラフなのである。

 なぜそれが重要なのか?  ロレックスのクロノグラフは業界のベンチマークのようなもので、特にRef.4113のような真のスポーツウォッチにおいては、ラトラパンテの複雑機構はコレクターの間でも非常に人気がある。 この特大サイズの1940年代のロレックスで、このラトラパンテがどのように機能しているのかをご紹介しよう。

 Ref.4113は特別な存在であり、装着できる機会を逃すわけにはいかない。 手首に装着してみるとその重厚感が分かるが、直径よりも厚さの方が興味を引く。

 この時計は初期のスプリットセコンドクロノグラフであるにも関わらず、驚くほど薄い。 特に今日の平均的なラトラパンテがどれほど厚いかを考えると、かなり衝撃的だ(ブランパンランゲパテックを見れば分かる)。 

 Ref.4113は、数年に一度の割合でオークションに出品されているが、だからといって特別感は薄れない。 実際、このモデルは究極のロレックス クロノグラフであると言いたい。クリスティーズの予想価格は70万スイスフランから120万スイスフランだ。詳細はこちらを。
編集者追記: 落札額は、110万7750スイスフラン(約1億3000万円)。

エルメスのポール・ニューマン デイトナ

 ロレックスのクロノグラフは、簡単に2つのカテゴリに分類できる。デイトナか、それ以外か。前述のRef.4113スプリットクロノグラフはデイトナではなかったが、このモデルはそうだ。実際、ポール・ニューマン デイトナで、素晴らしいコンディションの上、18Kゴールド製のケースなのだ。 しかも、これはRef.6241で、初期のポンププッシャー/スティールベゼルのRef.6239と、後期のスクリュープッシャー/ブラックベゼルのRef.6263の間に位置する比較的珍しいモデルだ。 私の意見では、これはポンププッシャーとブラックベゼルという両方の良さを兼ね備えた最高のモデルであり、実はデイトナの中で私が最も好きなモデルの一つでもある。

 ゴールドのRef.6241はすばらしく魅力的であり、価値のある時計だ。 クリスティーズで8万~12万スイスフランで出品されているものがあるが、今回の時計はその3倍くらいの価格が想定されている。 なぜかというと、この時計は18Kゴールド製のポール・ニューマン デイトナ Ref.6241というだけでなく、知られている限りエルメスが販売した唯一の例であるためだ。そう、かのエルメスなのだ。 そして、文字盤にではなくケースバックに "HERMES"と刻印されており、パリのエルメスによって1971年11月30日に販売されたことが確認されている。 

 エルメスのポール・ニューマン デイトナとして知られる唯一の時計であり、ケースバックの刻印(フランスの輸入スタンプとロレックス・フランスのマークもある)に加えて、素晴らしいコンディションと、パリのエルメス自身がこの時計の販売を確認したことにより、市場で最も価値あるポール・ニューマンモデルの一つになっている。クリスティーズの予想価格では20万〜40万スイスフラン(約2360〜4720万円)だが、皆さんもう一度確認して欲しい。これはポール・ニューマン デイトナで、希少なリファレンス、素晴らしいコンディション、18Kゴールド製で同じくゴールドのブレスレット付きでエルメスによって販売され、その刻印もあるのだ。おまけに世界で唯一のものである。 これが競争になると思うかって?  もうお分かりだろう。

 これは究極のポール・ニューマンか?  そうではないと言えるはずがない。 詳細はこちらを。
編集者追記: 落札額は、49万5750スイスフラン(約5845万円)

ゼログラフ Ref.3346

 44mmのスプリットセコンドのロレックスとエルメスのゴールド製ポール・ニューマンで、もう見るべきものは全て見たと思っているなら、あなたは間違っている。 なぜなら、これからさらに難解なものに到達しようとしているからだ。上の写真の時計は「ゼログラフ」と呼ばれるもので、こいつはレアな代物だ。希少過ぎてロレックス社のほとんどの文献にそれについての記載も起源も載っていない。しかし、クリスティーズは有名なメガ・コレクターに調査し、この奇妙な古い時計についてできるだけ多くの情報を得ようとした。そして分かったこととは?

 その時計のリファレンスは3346、製造年は1937年。 そう、とても古いものだ。 4本しか存在が知られていないが、今回のロットは、その非常に限られたシリアルナンバーの中で最新のものを出品している。クリスティーズの推定では、シリアルナンバーから見ると12本以下が製造され、4本のみが確認されたが、このようなコンディションのものは他にない。しかし、時計自体が重要でなければ、どれだけ希少かは重要視されないが、この時計は重要である。その理由を以下にまとめた。

 ゼログラフは、ロレックスで初めて自社製クロノグラフムーブメントを搭載したモデルである。 また、ロレックスで初めて回転ベゼルを搭載したモデルでもあるのだ。ロレックスらしさを決定づける2つの非常に重要な特徴だ。 このモデルはバルジュー社製クロノグラフをベースにしたものではなく、ロレックスの自社製ムーブメントを搭載しており、その上にフライバック・ストップセコンドモジュールを備えている。 これは、秒針が連続して動くことを意味するが、2時位置のボタンを押すとゼロにジャンプし、それを放すまでその位置に留まる。また、ベゼルを回転させることで、自由に時間を計ることができる。 下の動画では、その動く様子が見られる。

 この時計を特別なものにしているのは、歴史的な重要性と希少性を超えるほどの、75年前の時計のコンディションだ。全てが驚くほどシャープで、カリフォルニアスタイルのブラックラッカーダイヤルが美しい。しかもオリジナルの箱まで付いている! クリスティーズでは25万~35万スイスフラン(約2947〜4126万円)でこの超変わり種を出品するが、この時計がどのくらいの値段になるのかは分からない。 詳細はこちら

編集者追記: 落札額は、38万7750スイスフラン(約4571万円)。