trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

希少なバスキュラントやラウンドのサントスなど、クラシックなカルティエをお届け

カルティエは時計デザインの方法を熟知しており、この5本の時計がそれを証明している。

ADVERTISEMENT

Photos by Isaias Sanchez

 カルティエというブランドは、時計の世界では珍しい存在である。時計から始まった会社ではなく、ジュエリーから始まった会社であるのだ。だから本家が時計をつくろうと思ったのは、伝統的な従来のやり方にこだわることなく、ただ美しいものを腕につけるという目線から始まっている。このような異なる視点から、カルティエは正方形や長方形、非対称や半円形、そしてクラッシュと呼ぶにふさわしいシェイプを持った時計をつくりあげていった。カルティエのカタログは、機能性を損なうことなくどうやってフォルムに重点を置いて時計をつくるのかと研究したものである。

 カルティエが持つ時計シェイプを刷新する能力は、ここHODINKEE Shopのなかでお気に入りの時計メーカーのひとつとなっている。さて今週は、このユニークなクリエイターのカタログのなかから、さまざまなシェイプ、サイズ、スタイルにまたがる、5本の時計をShopから紹介しよう。


カルティエ タンク バスキュラント Ref.WA202051
カルティエ タンク バスキュラント Ref.WA202051
カルティエ タンク バスキュラント Ref.WA202051

 バスキュラントは、JLCのレベルソに対するカルティエの回答である。バスキュラントはケースをサイドへスライドして裏返すのではなく、ヒンジ付きのミドルケースが飛び出していて、文字盤のあるインナーケースを逆さまにスライドさせることができるようになっている。バスキュラントは数年に1度、極めて少ない本数でしか生産されない珍しいタンクモデルのひとつだ。こちらの、さらに珍しいイエローゴールドモデルは、2000年のSIHHで発表されたものである。サイズは22mmと小さめだが、長方形のシェイプにより寸法よりも少し大きめに手首にフィットする。文字盤の上にある12時位置のサファイア(通常)はダイヤモンドに変更され、時計をひっくり返すとどうなるかをほのめかすような、素敵なアクセントになっている。そしてケースを裏返すと、平らなゴールドではなくケースシェイプに沿ったダイヤモンドの枠が現れ、そこに忘れられない贈り物として刻印を入れることができる。


カルティエ タンク ソロ XL Ref.WSTA0029
カルティエ タンク ソロ XL Ref.WSTA0029

 2004年にリリースされたタンク ソロは、往年のクラシックなタンクよりも少し大きめのサイズとなっている。プロポーションはそのままに、手首にジャストフィットする時計を好む傾向のある現代の時計愛好家にとって、サイズが大きくなったという点は、ちょっとした魅力になると思う。ラグからラグまでの長さが41mmと、タンク ソロのなかで最も大きなサイズであり、ほぼすべての人たちの手首サイズにフィットすることだろう。また自社製自動巻きムーブメントであるCal.1847 MCを搭載しつつ、わずか7.5mmという薄さしかないのもこの時計のポイントでもある。通常このような厚さであれば、時計メーカーは製品名の後ろに“エクストラシン”という言葉を付け加えているところだが、単にカルティエの場合はプロポーションのいい時計をつくりデザインに任せているだけなのだ。加えてこの時計は、傷ひとつない素晴らしいユーズドコンディションで入手可能である。


カルティエ サントス ドゥ カルティエ ラージ Ref.WSSA0047
カルティエ サントス ドゥ カルティエ ラージ Ref.WSSA0047

 ブランドの定番ラインである古典的なサントス ドゥ カルティエは、オリジナルのスポーツウォッチを最新スペックへとアップデートしたモデルである。サントスラインとして初めて、すべてに自社製ムーブメントを搭載したモデルとして、2018年に発売された。先行するサントス 100よりもスリムで、曲線的なサントス ドゥ カルティエは、市場で最も人気のあるスポーツウォッチのひとつとなっている。ステンレススティールまたはツートンカラーのケースに、ブルーの針、ブラックインデックスというのが定番のレイアウトになるのだが、このWSSA0047はもう少し彩りを加えて色で遊び心を取り入れている。ブルーのPVDコーティングを施したSSベゼルにブルーインデックス、そして夜光塗料の入ったブルーの針により、オールドスクールな雰囲気を通常の使いやすい領域から外しているが、我々はそのことに怒りを感じることはない。

ADVERTISEMENT

カルティエ サントス ロンド アビエイター 150周年 リミテッドエディション Ref.W20038R3
カルティエ サントス ロンド アビエイター 150周年 リミテッドエディション Ref.W20038R3

 カルティエが150周年という誕生日を祝おうとしたとき、ブランドはこのサントス ロンドで祝杯をあげた。この時計は、“四角いネジを持つサントスが、古典的な丸いロンドと恋に落ちたらどうなるだろう?”という問いに対する回答である。この混血モデルこそ、1997年に1847本の限定生産で世に送り出されたものなのである。サントスの遺伝子を受け継ぐこのモデルには、ねじ込み式のゴールドベゼル、ブレスレットをつなぐゴールドのねじ、そして六角形のリューズを採用している。ロンドの遺伝子はラウンドのベゼル、ラウンドの24時間サブダイヤル、ラウンドの日付表示窓など、四角形のパーティにラウンドを取り入れたモデルである。さらに文字盤の下半分にあるレトログラード表示はこの時計だけのものだ。ふたつの異なる時計を融合させるということは、通常間違ったアイデアになるが、カルティエはこの両者のバランスをうまく取り、その結果(いい意味で)おもしろい時計を生み出した。どちらかの時計のスタンダードバージョンが欲しいのであれば多くの例を見つけることができるが、ユニークなものを望むのであれば、この限定版を選ぶのが最適である。


カルティエ ロンド ルイ XL Ref.WR007001
カルティエ ロンド ルイ XL Ref.WR007001

 先ほど紹介した、150周年記念の片親を出すのであればもう片方の親も出すべきだろう。形からは分からないと思うが、ロンドとはフランス語で丸いという意味を持つ。ウルベルク以外のほぼすべての時計メーカーにとって、ラウンドは最も一般的な時計の形だ。一方、カルティエは当たり前の形を避ける傾向があり、ラウンドウォッチをつくるとなるとそのテーマに大きく寄り添ってつくり上げていく。丸みを帯びたふたつのミニッツトラックを備え、それぞれの計時部分を、異なる丸みを帯びたギヨシェ模様で埋め尽くしている。またベゼル全体に鮮やかなラウンドカットのダイヤモンドをセットしている。さらに先端付近にサークルを持つブレゲ針で締めくくり、非常にまとまりのあるデザインに仕上げている。ローズゴールドかつ42mmというサイズ感は腕元で存在感を放つが、手巻きCal.9754MCを搭載することで7.25mmと薄めに設計され、身につけやすいサイズへと抑えている。いかなるゴールドウォッチにも安価なものはないが、この時計はもともと3万5700ドル(日本円で約480万円)で販売されていた。中古価格には本当に驚かされるばかりだ。オリジナルの小売価格には、文字盤の加工から宝石のセッティング、ムーブメントの仕上げに費やされた時間と労力が正確に反映されている。3分の1の値段ながらこれだけ楽しめる、まさに目玉商品であるのだ。

 HODINKEE Shopでカルティエの時計をもっと探す。