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言い方は悪いが、2019年はリアルな映画の最後の年だった。映画が広く劇場で公開されていた最後の年ということだ。興味深いことに、『マリッジ・ストーリー』はNetflixの作品なので、「それ以前」だった公開時に受け入れられたように、今のストリーミングや限定的な劇場公開の仕組みにもなじんでいる。ノア・バームバック監督によるこの素晴らしい「泣ける」ドラマは、公開にあたって『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』と相対するオスカー候補と評されたり、過去の受賞作品『クレイマー、クレイマー』と比較されたりと、大きな話題となった。
この映画は、アダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンが演じるチャーリーとニコールの、友好的にスタートしながら急速に敵対的になっていく離婚を描いたものだ。映画はランディ・ニューマンの美しくドラマチックな音楽によって、どこか懐かしい感じを与える。1970年代のあるクラシック映画のように、アダム・ドライバーはスクリーン上で自ら所有する時計を身につけている。そして、それは一見の価値があるものだ。
注目する理由
HBOの「Girls」シリーズからキャリアをスタートさせ、ダース・ベイダーの孫であるカイロ・レン(あるいはベン・ソロ)を演じ、アダム・ドライバーは今やAリスト俳優の仲間入り果たすまでになった。彼は現在、マリオン・コティヤールと共演する新作映画『Annette』に出演している。これは先週劇場公開され、来週にはストリーミング・プラットフォームでも配信される予定だ。今回紹介する映画でドライバーは、ブルックリン出身の劇作家で、親権争いに直面しながらも仕事と生活のバランスを取ろうとするチャーリーを演じている。そしてスクリーンのなかでは、目立たないが永遠にクールなロレックスを身につけている。
彼の着用モデルは39mmのオイスター パーペチュアル(OP)、Ref.114300だ。サンレイブルーの文字盤にライムグリーンのアクセントがある。2015年に発売されたこのモデルは、ロレックスで最もシンプルなスティールモデルであるOPラインを効果的に再登場させアップグレードしたものだ。あらゆるサイズでカラーを前面に打ち出している。赤色のアクセントが印象的なレッドグレープダイヤルのモデルや、ブルーのアクセントが入ったロジウムダイヤルもあった。そして、ブルー/グリーンエフェクトのダイヤルが印象的なこのモデルがある。
主な特徴は、3時、6時、9時位置に夜光のあるマーカーと、ラッカーのように仕上げられたグリーンのペインテッド・インデックスだ。現行のオイスター パーペチュアルと同様に、この時計はドーム状のポリッシュ仕上げベゼルと、すべてブラッシュ仕上げのオイスターブレスレットを備えている。このモデルは現在ディスコンとなっており、代わりにカラフルな文字盤を継続し大人気になったOP41シリーズが販売されている。
ドライバーは現在、シャーリーズ・セロンやブラッド・ピットらとともに、ブライトリングのシネマ・スクワッドの顔の一人として知られている。ブライトリングの時計が当然選ばれていいはずだが、本作では驚くような選択がされた。ロレックスに関して直接言及はされていないが、映画のなかでは目立つように着用されており、ドライバーのほとんどのシーンで見ることができる(ただし、どのモデルでどの色なのかを正確に見分けるのには少し苦労した)。
この時計は、過去に彼が他の映画のプロモーションでインタビューを受けた際に着用していたことから、ドライバー個人の時計と思われる。彼が初めて購入した高級時計なのか? それともJJエイブラムスが勇敢なダース・ベイダーに感銘を受けて贈ったものなのか? いろいろ言う人はいるが(私以外)、映画で彼が演じるチャーリー役のために真剣に選んだのではないかと想像する。それは舞台の成功のあとだったかもしれない。さらに言えば、それはいつか彼の息子に譲る家宝になるかもしれない。
「Watching Movies」の恒例となりつつある謎の時計も登場する。ヨハンソンが演じるニコールは、で金無垢の時計と思われるものを身につけている。もしそれを確認できたら - わかっていると思うが - コメントで教えて欲しい。
見るべきシーン
この映画には、チャーリーとニコールが、ニューマンの音楽に合わせて二人の関係をナレーションで語るという、まるで『羅生門』のようなオープニングがある(この仕掛けは終盤で感情的に報われる)。チャーリーは、彼の目を通してニコールの性格や変わっているところ、そして彼女がいかによい母親であるかということを観客に伝える。これは実に感動的で効果的な映画の始まり方だ。このモンタージュの一場面で、家族がボードゲームをしているときに[00:02:36]チャーリーが手を顔にもっていく。そうすると、ほぼフルフレームでステンレススティールのロレックスが見えてくる。文字盤は完全には見えないが、その他の部分はすべて見えている。
離婚問題が深刻化するなか、チャーリーはニコールの弁護士(演じるのはアカデミー賞助演女優賞を受賞したローラ・ダーン)と電話で話すことになる。これは、弁護士を介さずに解決するものと思っていたチャーリーにとっては想定外のことだった。弁護士は手強く、ロサンゼルスからの電話で交渉を始めだす。彼はニューヨークの劇場の階段で、舞台リハーサルの最中だ。話が熱を帯びてくるにつれ、彼はポケットからカッターナイフを取り出し、落ち着きなく触りだす(カッターナイフによる暴力行為を予見しているわけではないのでご安心を)。その際、カメラは彼の手と手首のクローズアップを映し [00:51:40] 、青い文字盤のOP39がはっきりと見える。
『マリッジ・ストーリー』(アダム・ドライバー、スカーレット・ヨハンソン主演)、監督:ノア・バームバック、小道具:ローズ・ライカー、スコア:ランディ・ニューマン。Netflixでストリーミング配信されているほか、iTunesやAmazonでもレンタル可能。
タイトル画像 ; Netflix.
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ロレックス オイスターパーペチュアルの詳細については、公式サイトへ。
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