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Just Because ムーンスウォッチが初めて宇宙へ飛び出したプロジェクト(NFTと共に)

この時計はスピードマスターのようなもので、宇宙の近くまで行ったわけだが、大義名分があるのは間違いない。


ムーンスウォッチが初めて宇宙へと旅立った。正直、これほどまでに時間がかかったことに驚いている。

 2022年10月26日、小さなカーボンファイバー製リグが、最近の時計史上最も需要の高い時計のひとつを載せて、気象観測気球のアシストを受けて地球の大気圏へとゆっくりと上昇した。スウォッチのバイオセラミック ムーンスウォッチによるミッション・トゥ・ムーンのことをもしかしたらご存じかもしれない。
 この時計は、For Exhibition Purposes Only (FEPO)と呼ばれる時計ファンの集団が最近立ち上げた、最初のプロジェクトとして送り出されたもので、この時計を販売し、利益の20%をメイク・ア・ウィッシュ財団に寄付することを意図している。しかし、アポロ11号とは異なり、今回の月へのミッションは少し物足りなく、月までの距離の0.0085%しか到達できずに無事に地球へと帰還したのだが、誰が本当に記録をとっているのだろうか?

a person wears a MoonSwatch mission to the moon wrist watch

宇宙の近くまで行ったような腕時計を身につけて。

 この時計が実際に到達したのは地球の成層圏の真ん中、標高3万3566mのあたりだ。国際航空連盟(Fédération Aéronautique Internationale)が定める技術的な「宇宙」の定義である別名「カーマンライン」には6万5500mほど足りなかったのである。しかし、4時間の飛行のあいだに100マイル以上移動した。

 宇宙飛行士が着用した時計は、NASAから支給されたアメリカ政府の所有物であるため、市場に出てきて合法的に購入できるものは稀であり、宇宙で着用されたオメガのスピードマスター自体は入手困難である。

なんだか宇宙に行ったようなムーンスウォッチの裏側の刻印。

 しかし、厳密にはこれはスピードマスターではないし、厳密には宇宙まで行ったわけでもない。その代わり、2022年のウォッチ・オブ・ザ・イヤーとして誰もが無条件に受け入れる「大差ない」時計のための「十分に近い」業績を達成したのだ。私には完璧に思える。もし歴史的の一部を所有したければ、FEPOは、この時計をみんなが大好きなデジタル上の抽選でプレゼントしている。NFTの購入をすることなのだが、それってまだあるんだよね?

 大げさな表現だが、ティザー映像では「地球上ではムーンスウォッチを手に入れることはできない」と言われている。しかし、その熱狂的な需要もひと段落し("熱狂的な"という部分を強調したい)、ブティックが近くにあれば簡単に手に入れることができるようになった。とはいえ、ムーンスウォッチを求めてスウォッチショップに足を踏み入れるには、まだサイコロを振っているようなものだ。もしかしたら置いてあるかもしれないし、ないかもしれない。しかし、ここでは少なくともチャンスがあるのだ。

 みんな興奮せずに、このことはあまり深刻に受け止めないで欲しい(FEPO周辺の人々は確かにそうではない)。FEPOは、『The Watch Annual』という出版物の制作に携わった人々によって設立された会社だ。しかし、『The Watch Annual』が教育的であるのに対し、FEPOの全ポイントは「新しいテクノロジー、時計製造、誇大広告(hype)の融合」を試みることであり、すべては「完全に皮肉である」と創業メンバーのジャスティン・ハストは語っている。

 そして、ムーンスウォッチほど誇大広告を始めるのにふさわしいものはないと、彼は言う。「2022年はムーンスウォッチ一色になると思っていたので、それを宇宙に飛ばしたいという誘惑に勝てなかったんだ」

 チームは、ナイキやリーボックなどと大型プロジェクトを手がけた「Sent Into Space」という会社と協力をした。リグの製作と、時計が生き残れないかもしれないという「非常に現実的な懸念」に対処するのに2ヵ月かかったとハストは話した。

The carbon fiber rig for the MoonSwatch

ムーンスウォッチ "打ち上げ "のためのカーボンファイバー製リグ。

 しかし、バイオセラミック・ムーンスウォッチの耐久性を心配する声がある一方で、飛行中もクロノグラフは作動しており、-65℃にも達する高さ33.5km、時速190kmの飛行にもかかわらず、奇跡的に時計は無事であった。確かに宇宙空間ではないが、それで意味がないわけでもない。

 「キューブリックが月面着陸を撮影した」レベルではないかと疑念をお持ちの方、飛行と降下の最中がビデオで記録されている。その映像は960分割され、ひとつずつがNFTの抽選券とされた。応募者は、そのデジタル領収書よりもちょっと面白いものを所有した気になれるというFEPOのもうひとつの試みである。

A MoonSwatch on a stand in a window display

ロンドンのSomloで展示されているムーンスウォッチ。

 ファースト・ムーンスウォッチ・イン・スペースは現在、バーリントン・アーケードにあるSomlo(ロンドンのヴィンテージ時計販売店、オメガの専門家)に展示されており、3月初旬の当選者発表まで展示される予定だ。NFT(価格:ともかく0.03 Etherだ)の販売は、3月1日、または960個の抽選券がすべて販売されるまでのいずれか早い方となる。

 正直なところ、私はNFTがどのように機能するのかよく分かっていない。もし私よりも合理化に反対するような人でないなら、FEPO In Spaceのウェブサイトにアクセスし、デジタルウォレットを接続すればNFTのミントのための資金を用意可能だ。あとは、「宇宙にいった初めてのムーンスウォッチ」があなたの家の玄関先に届くのを待つだけだ。

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Hodinkee Shopは、オメガとスウォッチの時計の正規販売店です。オメガ スピードマスター・ムーンウォッチの新品・中古品を多数ご覧いただけますが、残念ながらムーンスウォッチはございません。
ムーンスウォッチについての詳細は、スウォッチ公式サイト、または過去の取材記事をご覧ください。