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クイック解説
昨年、ブレゲは高い支持を得るクラシック 5177に美しい青色のグラン・フーエナメルを追加して話題を集めた。ブレゲ・ブルーとも呼ばれるこの青を用いたエナメルダイヤルは、これまでブティック限定モデル(2017年の銀座ブティック限定が記憶に新しい)にしか用いられてこず、昨年ようやく5177に採用されたという希少なもの。深い色合いで表現された文字盤は、普遍的なコレクションにグッとモダンさを加えたのだ。
今回発表されたモデルは、そのグラン・フーエナメル文字盤を用いたトゥールビヨンである。クラシック トゥールビヨン エクストラフラット オートマティック 5367の名の通り、自動巻きかつ極薄のトゥールビヨンを採用し、アブラアン-ルイ・ブレゲ本人が重宝した技法であるエナメルまで用いたこのモデルは、ブレゲにとってこれ以上ない取り合わせといえる。この伝統的技法は、ブレゲの自社工房内に設けられたエナメル専門のワークショップが手掛けている。
本機のムーブメントには、3mmの極薄でブレゲを代表するトゥールビヨンであるCal.581が搭載される。これは、昨年発表されたクラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395でも同様にベースムーブメントとされたが、あちらのCal.581Qはギリギリまで肉抜きされた加工が施されたため、やや構造が異なるものだ。
Cal.581は、この薄さで自動巻きであり、トゥールビヨンまで実装しながらさらに80時間パワーリザーブまで備えている。また、ムーブメント外周に配されたペリフェラルローターによって、薄型化を実現する一方で、ブレゲ謹製の美しい仕上げがシースルーバックから堪能できるようになっている。
ファースト・インプレッション
このクラシック トゥールビヨン エクストラフラット オートマティック 5367は、昨年ブレゲがもたらした興奮を改めて思い起こさせる一本である。多くの時計愛好家が求める審美性、いわゆる"見た目"の部分は希少で美麗なブルーのグラン・フーエナメルで完璧にクリア。そして、お家芸ともいえるトゥールビヨンがその高揚感を増幅させていると思う。
僕個人としては到底手の出る価格の時計ではないが、ブレゲのコンプリを検討する人ならば"せっかくならトゥールビヨン""どうせ買うならエナメル文字盤で"という要望が多いのではないだろうか。本機はそんな願望をいっぺんに満たすものである。
ケースサイズは41mmと小型ではないが、トゥールビヨン窓の形に合わせて全体にダイヤル左上寄りにオフセットされたミニッツトラックが、本機をより小顔に見せている。視覚的効果からか、38mmの3針5177よりもコンパクトにまとまっている印象さえ感じてしまう。厚みに至っては、極薄キャリバーの恩恵で5177の8.8mm厚に対し7.45mmと、コンプリながら3針よりも薄型に作られており、腕に吸い付くような装着感だろうと思わされる。
ブレゲブティックのみでの取り扱いとなるため希少モデルとなること請け合いだが、腕に装着する価値のある時計だと思う。日本では4店舗のブティックに足を運んでみてはどうだろうか。
基本情報
ブランド: ブレゲ(Breguet)
モデル名: クラシック トゥールビヨン エクストラフラット オートマティック 5367
型番:5367PT/2Y/9WU
直径:41mm
厚さ: 7.45mm
ケース素材: プラチナ、サファイアケースバック
文字盤色: グラン・フー ブルーエナメル。ブレゲ数字のチャプターリング
インデックス: ブレゲ数字
夜光: なし
防水性能: 3気圧防水
ストラップ/ブレスレット:アリゲーターストラップ、プラチナ製フォールディングバックル
ムーブメント情報
キャリバー: Cal.581
機構: 時・分表示、トゥールビヨン、スモールセコンド
直径: 36.1mm
厚さ: 3mm
パワーリザーブ: 80時間
巻き上げ方式:自動巻き
振動数: 4Hz、2万8800振動/時
石数: 33石
クロノメーター認定: なし
追加情報:シリコン製ヒゲゼンマイ搭載
価格・発売時期
価格: 1752万円(税抜)
販売時期: 2020年3月予定
限定:限定数はないが、ごく少数の生産
詳細は、ブレゲ公式サイトをクリック。
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