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Hands-On ブルガリ アルミニウムを実機レビュー

復活を遂げたブルガリ アルミニウムは、今後時計業界で増えることが予想される、注目すべき90年代リバイバルの先駆けとして、極めて優れた好例である。

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8月にIntroducing記事を掲載したブルガリ アルミニウム & ブルガリ アルミニウム クロノグラフ。他にももちろんいくつかあるが、ブルガリのアルミニウムは、ぜひとも実機を見たいと思っていた時計の1つだった。

 それはなぜか。正直に話すと、その理由は特別、時計自体に興味があったということよりも、2020年の時計業界を象徴するような、そして、今後の時計業界の中で増えてきそうな時計であるという感想を抱いたからだ。

 昨今の時計業界を見渡してみると、復刻モデルのリリースが相次いでいる。もはやトレンドというよりも1つのジャンルを形成しているといった状況だ。多くのブランドが自社のアーカイブに目を向け、かつて一時代を築いた名作をこぞってリバイバルしているのである。

 ただし、これまでにリリースされてきた復刻モデルを見ていると、その対象となるのは、概ね1960年代、広く見てもせいぜい70年代までに作られていたものをリバイバルする例がほとんどだった。
 だが、今年はこれまでよりも後の時代の名作に範をとった復刻が多く見受けられた印象が強い。例えば、2020年新作として発表されたブライトリングのナビタイマー ルーローブレスモデル(1980年代)、カルティエのパシャ ドゥ カルティエ(1985年誕生)などもそうだ。そして、今回フォーカスするブルガリ アルミニウムは、1998年に誕生したコレクションがオリジンとなっている。

 80年代後半から90年代にかけての時期というのは、冬の時代を乗り越えた機械式時計が再び注目され始めた時期でもあり、レトロモダンとも呼ぶべきユニークなスタイルの名作が多く登場した。また一気にブレイクし、不動のポジションを得た新しいブランドも多数誕生しており、ここ数年の時計業界とは違う非常に勢いのあった時代ともいえる。そんな90年代の名作にインスピレーションを得た時計は、今後もっと増えるのではないだろうか。ブルガリ アルミニウムのリバイバルはそんな予感を抱かせるものだった。

1998年に発売された、ブルガリ アルミニウム ファーストモデルの広告ビジュアル。

 さて、時計の詳細に話を移そう。

 まずオリジナルとの大きな違いはサイズとムーブメントだ。オリジナルは38mmでクォーツムーブメントを搭載していた(32mm、29mmも作られたほか、コレクション誕生の翌年には38mmのクロノグラフがリリースされた。後年には44mmの自動巻きモデルも登場)。一方、新しいアルミニウムコレクションは、クロノグラフ、3針モデル共に40mmケースに自動巻きムーブメントを搭載している。

 一見すると、デザインはほぼオリジナルを踏襲しているが、細部はリバイバルに伴って改良。詳細は明らかにされていないが、アルミニウム合金ケースはより耐久性が増し、ラバーも改良が加えられているという。さらにラグは新しいケースサイズに合わせて、ラグの形状を見直して手首へのフィット感を高める工夫が盛り込まれた。また、インデックス外周と時・分針には夜光塗料が施されており、防水性はクロノグラフ、3針モデル共に100m。スポーツウォッチとして、そしてデイリーウォッチとして日々安心して着けられるスペックを実現している。

 では、新しいアルミニウムコレクションは、どんなモデルに仕上がっているのだろうか。今回、クロノグラフ、3針モデル共に手にすることができたため、それぞれについて見ていきたい。


ブルガリ アルミニウム クロノグラフ

 プレスリリースの画像やスティーブンがIntroducing記事で掲載したものは、製品版ではなくサンプル版だったのだろう。これはクロノグラフだけでなく、3針モデルにも共通して言えるのだが、サンプル版ではリューズガードのエッジが丸みを帯びていたの対し、製品版ではキチッとエッジが立った仕様へと変更されている。製品版の仕様の方が、よりスポーティな外観とマッチしており、かつ高級感を感じさせるディテールになっているように思う。個人的に、この変更は高く評価したい。

 旧モデルのクロノグラフがないので比較しづらいのが残念ではあるが、一見オリジナルから変更がなさそうなダイヤルも仔細を見てみると、細かな改良が加えられていることがよく分かる。
 

 まずは針。オリジナルモデルはダイヤルと同じウォームグレーカラーの針の先端にブラックカラーを加えたデザインであったが、復刻版では反転したカラーリングになっている。前述の通り、復刻版は夜光付きだ。また12の数字とバーのアワーインデックスはグロッシーな仕上げ(オリジナルはダイヤルと同じマットな質感)となっており視認性が向上している。インダイアルにはサーキュラーグレイン装飾(円形装飾)が施されているが、これはオリジナルと同じ。だが、インデックスのプリントはやや細く(より正確に表現するなら、プリントのにじみがない)クオリティが高められている。

 また、裏蓋はオリジナルと同じように見えるが、ここも復刻版では改良された。復刻版では低アレルギー性を備え耐久性に優れるチタンが採用されており、肌に優しく着けやすくなっている。なお、オリジナルでは見た目は同じブラックカラーであったが、ケースと同じアルミニウムを採用。さらにリューズやプッシュボタンもブラックPVDのアルミニウムから、DLC仕上げのチタン製となっており、復刻版は確実な進化を遂げている。ちなみに、オリジナルの初期モデルは裏蓋をテコの原理で開けるスナップバック式だったが、後にネジ留め式へとマイナーチェンジされた。

 素材は改良されているようだが、ラバーストラップはオリジナルと同様、ラバーをアルミニウムのコマで繋ぐユニークなスタイル。尾錠には“BVLGARI”ロゴの入ったアルミニウム製だ。
 ケース厚は11.1mm。だが、ケースに段が設けられ、そこにベゼルが乗るというデザインのため、視覚的には実際の数値よりも薄く感じられる。

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ブルガリ アルミニウム

 続いては3針モデルである。ちなみに3針モデルはクロノグラフと同様のウォームグレーダイヤルに加えて、ブラックダイヤルもラインナップされている。今回は後者のブラックダイヤルモデルを手に取ることができた。

 オリジナルからの変更点は、実のところクロノグラフモデルとほぼ同じである。ブラックダイヤルに関して言及するとしたら、針がブラックカラーになっているところであろうか。パッと見る限りはダイヤルと同じブラックのため、針の先端にあしらわれた夜光部分がダイヤル上を浮いて時刻を示すような印象があり、ウォームグレーダイヤルよりも一層印象的なデザインに仕上げられている。しかし、同じブラックでも針はグロッシーな仕上げが施されているため、光の当たる昼間は針がダイヤルが沈むことなく、極めて視認性は高い。こうした細かいディテールを見る限り、リバイバルに伴い、細部までよく練られたことが実感できる。

 今回はクロノグラフと3針モデル、両方を着けてみたが、どちらが良いか。これに答えることは、本当に悩ましい。共にケースサイズは40mm。しかもアイコニックなスタイルのラバーストラップは、ブレスレットのような印象を与えながらも、着け心地はあくまでもラバーストラップ特有の高いフィット感を備えており、どちらも着け心地は非常にいいのだ。自身の好みや着けたときの見た目のバランスから言うと、クロノグラフの方に魅力を感じているが、3針モデルの方は驚くほど軽く、着け心地が抜群。着けていることを忘れそうなほど快適であった。といってもクロノグラフが重いというわけではないのが、そこがより悩ましいところなのだ。

 時計自体の作りやディテール以外を判断材料とするなら、時計の価格が挙げられるが、3針モデルは31万5000円、クロノグラフは45万5000円(全て税抜)。これはブルガリのラインナップの中でも、間違いなくエントリーレベルに近い価格設定。正直なところ、甲乙は付けられない。軽い時計を求める現在の自分の好みを優先して言えば、3針モデルの方が魅力的に感じるが、これは人によって感じ方は様々だろう。

 確実に言えることは、購入に際してはぜひクロノグラフと3針モデルの両方を着け比べてから選んだ方が良いということ。それほどに両者はそれぞれに甲乙付けがたい魅力的なモデルとなっている。そして、本モデルは今後時計業界で増えることが予想される、注目すべき90年代リバイバルの先駆けとして、極めて優れた好例であるということである。

ブルガリ アルミニウム クロノグラフ 103383:ケース径40mm、アルミニウム。裏蓋、リューズ、プッシュボタンはDLC仕上げのチタン。ベゼルはラバー。ムーブメント:Cal.B130、2万8800振動/時、自動巻き、パワーリザーブ42時間、機能:時・分表示、3時位置にスモールセコンド、クロノグラフ(6時位置に12時間積算計、9時位置に30分積算計)、4時から5時位置の間にデイト表示。100m防水。価格:45万5000円(税抜)

ブルガリ アルミニウム 103445(ブラックダイヤル)、103382(ウォームグレーダイヤル):ケース径40mm、アルミニウム。裏蓋、リューズはDLC仕上げのチタン。ベゼルはラバー。ムーブメント:Cal.B77、2万8800振動/時、自動巻き、パワーリザーブ42時間、機能:時・分表示、センターセコンド、3時位置にデイト表示。100m防水。価格:31万5000円(税抜)

スペックの詳細は、ブルガリ アルミニウム & ブルガリ アルミニウム クロノグラフ 2020年新作(編集部撮り下ろし)のIntroducing記事をご覧ください。

詳細はブルガリ公式サイトへ。